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The Mirraz、「選ばれてそこに行くんじゃなく、選んでそこに行くんだツアー」の最終公演をレポート!

The Mirraz | 2013.06.28

 The Mirrazがメジャー1stアルバム『選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ』をリリースして行なった「選ばれてそこに行くんじゃなく、選んでそこに行くんだツアー」。まるで彼らの歌詞みたく、言葉数多めなタイトルが掲げられた今回のツアーは、4月の横浜BLITZ公演を皮切りにスタート。全国各地を沸かせまくってきたわけだが、ツアーファイナルを迎える前に、ミニアルバムをリリースしたり、それに伴って「ミュージック・ステーション」に出演したりと、現在の充実振りが伺える精力的かつ賑やかなトピックも多かった。そんな中で迎えたツアーファイナル、6月15日Zepp DiverCity公演は、バンドもオーディエンスも気合い漲りまくりの熱狂的な空間となっていた。

 まず、佐藤真彦(Gt)、中島ケイゾー(Ba.)、関口 塁(Dr.)の3人がステージに登場。オーディエンスが大歓声で迎える中、少し遅れて登場した畠山承平(Vo.&Gt.)は、そのまま真っすぐステージ前まで歩いて行き、フロアに密集しているオーディエンス達と何度もハイタッチ。そして、“サンキュー!”と一言交えた後、「スーパーフレア」でライブはスタート。ステージ後方に設置された巨大なLEDライトが会場を真っ赤に染め上げる中、フロアはモッシュやクラウドサーファーで一気にぐちゃぐちゃに。そんな光景に“もっと騒げ!”と煽った後「うるせー」へ。性急なビートに合わせて大合唱を巻き起こす。そこから「HELL’S DRIVE」「なんだっていい」「WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と、本当に序盤戦か?と思うぐらい、とんでもないドライヴ感で突き進んで行った。

「今日はカメラいっぱい入ってるでしょ? みんな撮られてるよ。化粧直した方がいいかも。モザイクとか入れないからね」と、畠山がフロアの笑いを誘いつつ、そこから再び疾走。「De La Warr」「僕はスーパーマン」「encode」と、ヘヴィに、ソリッドに、ダーティーに攻め倒す。そんな中、ミディアムテンポな「クッキー」で、暖かくて柔らかな空間を作り上げる場面も。オーディエンス達もゆったりと身体を揺らし、それを堪能していた。

 とにかく激走しっぱなしなライブだったのだが、MCはかなり緩い雰囲気。フロアから上がる声にツッコミを入れつつ、それを膨らませて話を進めるのだが、それが変な方向に転がってしまい、自分達で映像用の編集点を入れた後(笑)、仕切り直して話し始めてみるものの、やっぱり変な方向に転がしてしまう畠山承平と中島ケイゾー。さっきまでのテンションが漲った空気とは真逆な……まぁ、言ってしまえばグダグダな感じなのだが(笑)、それがとても心地良い。かなり自然体で身近な雰囲気であるものの、いざ曲が始まると強烈な熱狂を巻き起こす。そんな緩急メリハリの効いたギャップも、彼らの魅力のひとつだろう。

 またこの日は、リリースされたばかりのミニアルバム『夏を好きになるための6の法則』から「真夏の屯田兵 ?yeah!yeah!yeah!?」と「名曲」を披露。言葉数の多い歌詞を一気に捲し立てて行くThe Mirrazらしさに、いかにも夏全開!といった明るく抜けるようなサウンドを、絶妙なバランスで掛け合わせた曲だ。「真夏の屯田兵 ?yeah!yeah!yeah!?」では、LEDに真夏の海岸が映し出されていたのだが、あぁもう天井が邪魔!と思うぐらい突き抜けていく爽快感があって、オーデェンス達も楽しそうに騒いでいる。そしてこの曲達は、納得のいかない世の中に噛み付いて行く彼らの根底にある、“そんな世界も音楽だったら変えることが出来る”という、彼らの愛や想いや真摯な姿勢が存分に現われたものでもある。それこそ夏らしく、大規模な野外フェスで、こんなにも熱いメッセージが込められた曲を不特定多数のオーディエンスにドカーン!とぶちかましたら最高だろうなと、彼らがプレイしている勇姿をイメージして、心の底からワクワクした。

 終盤戦は“もっと楽しくなろうか!”の一声から「レディース&ジェントルマン」。そこから間髪入れずに突入した「check it out! check it out! check it out! check it out!」では、畠山はマイクを手に持ち、前まで出てきてオーディエンスを煽り倒した。アンコールでは「ソシタラ ?人気名前ランキング2009、愛という名前は64位です?」「観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは」を、クライマックスらしく多幸感たっぷりに披露。オーディエンスも最後の最後まで徹底的に踊り狂い、最高な空気をフロアに満たしきったまま、ツアーは幕を降ろしたのだった。

「なんか今回のツアー、妙に楽しいんすよ。なんででしょうね? でも、このツアーで僕は何かを掴んだ気がしてて。ついに僕は知ってしまったんですよ。口で説明しづらいんですけど、これだなと。いよいよこれだなと」
そんなことをMCで話していた畠山。このツアーで掴んだものが今後どう届けられるのか、期待を抱かずにはいられない夜だった。

【取材・文:山口哲生】



※6月24日、ドラムの関口 塁がバンドを脱退することが発表されました。既に出演が決定しているライブ・イベントは、サポートメンバーを迎えて行います。詳細はオフィシャルホームページをご覧下さい。

tag一覧 ライブ 男性ボーカル The Mirraz

リリース情報

夏を好きになるための6の法則

夏を好きになるための6の法則

2013年06月12日

EMI Records Japan

1. 真夏の屯田兵 ~yeah! yeah! yeah!~
2. 名曲
3. NEW WORLD
4. CLove GAME
5. Fireworks
6. エンドレスサマー

このアルバムを購入

セットリスト

選ばれてそこに行くんじゃなく、選んでそこに行くんだツアー
2013.6.15@Zepp DiverCity Tokyo

  1. スーパーフレア
  2. うるせー
  3. HELL’S DRIVE
  4. なんだっていい
  5. WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!
  6. De La Warr
  7. 僕はスーパーマン
  8. encode
  9. クッキー
  10. チェンジ! チェンジ! チェンジ! チェンジ! チェンジ!
  11. CANのジャケットのモンスターみたいのが現われて世界壊しちゃえばいい
  12. 気持ち悪りぃ
  13. ハッピーアイスクリーム
  14. 真夏の屯田兵 〜yeah!yeah!yeah!〜
  15. 名曲
  16. レディース&ジェントルマン
  17. check it out! check it out! check it out! check it out!
  18. ふぁっきゅー
  19. 傷名
  20. S.T.A.Y.
  21. 僕らは
Encore
  1. ソシタラ 〜人気名前ランキング2009、愛という名前は64位です〜
  2. 観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは

お知らせ

■ライブ情報

LIVE FACTORY 2013
201307/13(土)Zepp Tokyo

JOIN ALIVE
2013/07/20(土)いわみざわ公園(北海道)

rockin’ on presents
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013

2013/08/04(日)国営ひたち海浜公園

スペシャル・ビーチLIVE
「夏を好きになるための7つ目の法則」

2013/08/26(月)SEACRET BOX BY OTODAMA

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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