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父の日ならではの特別設定! BIGMAMA最新ツアー、熱狂の追加公演をレポート!!

BIGMAMA | 2013.07.04

 BIGMAMAの5thアルバム『君想う、故に我在り』のインタビューを行った際、「このアルバムができたことで、僕らは日本中に届けるだけの体力や挑戦権を得た」と、金井(Vo/G)は自信満々に語ってくれた。その発言を聞きながら、心の中でウンウンと激しくうなづいた。今作は間違いなくバンドの最高傑作である。金井の人間性がメロディに、歌詞に、完璧なまでに表現し尽くされていた。自身の過去の傷と向き合い、未来に向けて後悔しないための“転ばぬ先の杖”的な作品になった。ゆえにセンチメンタルな湿り気とポジティヴな解放感が同居した稀有な傑作に仕上がった。
 そして、レコ発となる「Tour 2013“ライブ・イズ・ミルフィーユ”」追加公演に足を運んだ。今日は父の日(6月16日)ということで、BIGPAPA名義でライヴを行うことが事前に告知されていた。”シャレが効いてるな…”と思ったが、場内に入ってビックリした。ステージ背面に設置された巨大フラッグのバンド表記のMAMAの部分が、黄色のペンキでPAPAと塗り替えられている。本気で遊んでいるのだ。

 「BIGPAPA、父の日だけに最大級の敬意を込めて」と場内アナウンスが流れた後、ライヴは「the cookie crumbles」で始まった。縦も横も悠々とした広さを持つTOKYO DOME CITY HALLのフロアに立錐の余地なく埋まった観客が一斉に盛り上がる。肩車して乗る観客が、しょっぱなから約30人くらい現れ、いきなりクライマックスのごとき活況を呈した。それから「Neverland」でさらに観客を焚きつけ、トドメはデビュー作『short films』収録の「CPX」まで遡ってプレイする。新宿ACBでやった当時のレコ発ライヴの光景と重ね合わせ、なんだか胸が熱くなった。あの頃からメロディはズバ抜けて良かった。そこは微塵も変わらず、にも関わらず、今やこれだけ多くの人を熱狂させているのだ。
 その後は4名のストリングス隊を随所に導入したり、また、金井がハンドマイクを握り締めてステージを左右に動き回る仕草も見られる楽曲も現れた。また、リアド(Dr.)のマーチング・ドラムから始まり、東出のクラシックのフレーズも効果的な「走れメロス」の物語性、イントロからハッと息を飲む「荒狂曲“シンセカイ”」の高度な演奏力にも心を奪われた。「パパの日だけど、お祝いの曲をやってもいいですか。今日誕生日の人?」と呼びかけ、合計19人のファンをステージに上げ、「Jeffery Campbellのスケートシューズで」をプレイする。予め観客に配ったクラッカーと、ステージ前方から金銀のテープが打ち上がり、祝祭ムードを煽った。「さあ、ここから新しいアルバムで昨日を超えます!」と宣言すると、5曲連チャンで最新作から畳みかけ、特に本編ラストの「君想う、故に我在り」は素晴らしかった。金井はアコギを、安井(B.)は前半に小太鼓を叩き、繊細なタッチで荘厳なスケール感を描き出すことに成功していた。 

 アンコールではBIGPAPAの設定をハズし、BIGMAMAに戻すと、バンドにとってのお父さん的存在であるレーベルのボスに向けて、金井がアコギ一本でフロア中央の鉄柱ブロックに腰掛け、「I Don’t Need a Time Machine」を観客と近い距離で高らかに歌い上げた。「5枚アルバムを作り終えて、もう28(歳)だぜ? これだけの人が集まってくれて、プライドをもらった。みんなの人生に寄り添いたい」という思いを託した新曲「alongside」が披露される。金井と柿沼(G.)の掛け合いが印象的な曲調で、バンドの次なる歩みを予感させる力強さに漲っていた。父の日という特別な日に行われたライヴということもあり、前半はバンド・ヒストリーを踏まえた選曲、後半は最新作のナンバーと二部編成的なショウとなった。だが、最高傑作『君想う、故に我在り』で掴んだ自信がポジティヴな気持ちを育み、より大きな光で観客を照らそうとするバンド側の切々とした思いが、全編に張り巡らされていた。日本中のオーディエンスを歓喜に導く日もそう遠くない、と感じるほど最高のショウだった。

【取材・文 荒金良介】
【撮影 下家康弘】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル BIGMAMA

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リリース情報

君想う、故に我在り

君想う、故に我在り

2013年03月13日

RX-RECORDS/UK.PROJECT

1. awasekagami
2. 君想う、故に我在り
3. 春は風のように
4. ファンデーション
5. RAINBOW
6. Mr. & Mrs.Balloon
7. Not too late
8. auctioMania
9. ex-extra
10. 俯瞰show
11. Jeffrey Campbellのスケートシューズで
12. ライフ・イズ・ミルフィーユ

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セットリスト

Tour 2013 "ライブ・イズ・ミルフィーユ"
2013.6.16@TOKYO DOME CITY HALL

  1. the cookie crumbles
  2. Neverland
  3. CPX
  4. 計算高いシンデレラ
  5. Paper-craft
  6. かくれんぼ
  7. Lovescape
  8. ダイヤモンドリング
  9. 走れエロス
  10. #DIV/0!
  11. 秘密
  12. 荒狂曲"シンセカイ"
  13. Jeffrey Campbellのスケートシューズで
  14. Mr. & Mrs. Balloon
  15. 俯瞰show
  16. 春は風のように
  17. RAINBOW
  18. 君想う、故に我在り
Encore
  1. I Don’t Need a Time Machine
  2. alongside(新曲)
  3. look at me
  4. ライフイズミルフィーユ
Double Encore
  1. until the blouse is buttoned up

お知らせ

■ライブ情報

RADIO BERRYベリテンライブ2013〜Starting area〜
2013/07/12(金)栃木県教育会館

Talking Rock! FES.2013
2013年/07/19(金)なんばHatch

SUN BURST 2013 SHIKO CHU BEACH ROCK FESTIVAL
2013/07月/20(土)愛媛県四国中央市寒川豊岡海浜公園

JOIN ALIVE2013
2013/07/27(土)北海道・いわみざわ公園

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013
2013/08/02(金)国営ひたち海浜公園

SUMMER SONIC 2013
2013/08/11(日)QVCマリンフィールド&幕張メッセ

WILD BUNCH FEST.2013
2013/08/17(土)山口きらら博記念公園

UKFC on the Road 2013
2013/08/20(火)新木場STUDIO COAST
2013/08/22(木)新木場STUDIO COAST

TREASURE05X -sweet 10 treasures-
2013/08/31(土) 愛知・蒲郡ラグーナビーチ

RUSH BALL 15th
2013/09/01(日)大阪・泉大津フェニックス

We Don’t Need a Time Machine
2013/11/01(金)赤坂BLITZ
2013/11/03(日・祝)赤坂BLITZ
2013/11/04(月・休)赤坂BLITZ

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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