52本ものロングツアーのファイナルを激闘で飾った、SiMの渋谷AXライヴ!!
SiM | 2013.08.05
自身の<これから>を高らかに告げたニューEP「EViLS」と共に、47 都道府県ツアー「EViLS TOUR 2013」と、そのエクストラ的に全国5都市の大箱ライヴハウスで行われたファイナル2マンシリーズを全箇所ソールドアウトに導いてきたSiM。そのツアーファイナルが、この日、渋谷AXにて行われた。
この日の対バンはONE OK ROCK。この2マンシリーズ中、最大級のモンスターバンドが、SiMのこの52本に渡るツアーの締めくくりへのレクイエムを送る。
「今日の目的はただ一つ。SiMのツアーファイナルを盛り上げる為に来た! 限りある時間の中、最高の空気を作って、SiMを迎え入れるゾ!!」とボーカルのTaka。アリーナクラスの会場でも充分に制圧できるバンドでありながらも、出自はこのようなライヴハウスであり、ラウドロックやエクストリーム・ミュージックを通し、この日集まったキッズたちと今でもキチンとコミュニケーションがとれることを立証してくれた彼ら。加え、現行のラウドロックの牽引者たる風格をはっきりと誇示し、どちらのバンドのファンの隔てなく会場を席巻。ややをもすると反目しかねないアンダーグラウンド志向のキッズたちまでも巻き込み、何かを引き出すように、きっちりノらせていたのが印象深かった。
そんなONE OK ROCKが会場中にストームを巻き起こし、その乱れた会場が再び整頓されていく中、紗幕の張られたステージに向け、再び人が密集していく。次はSiMだ。と、その前に、その紗幕に今秋発売となるニューアルバム『PANDORA』よりタイトル曲のイメージ映像が特別先行で投影される。予期せぬサプライズに驚喜する会場。その後、その紗幕に現れた『WELCOME TO EViL TOUR FiNAL』の文字。ボーカルMAHの歌う「oh na na na, oh na na na na」が会場に響き渡り、その向こうに4人の勇姿がシルエットとして現れる。1曲目は「Blah Blah Blah」だった。このツアーの肝になる曲につき、てっきりハイライト的な箇所での投入を予測していただけに、その裏切がとても痛快だ。落ちた紗幕の向こう、眩しい光に包まれたメンバー。ギターのSHOW-HATEとベースのSINがアクティブに走り回りながらプレイを始める。途中のラテンポップに移る箇所では、フロアも大バウンス。会場全体が揺れる。続いて、モッシュピットを各所に生んだ「Faster Than The Clock」、彼らの真骨頂とも言えるレゲエパンクが心地良く、身体をたゆたわせ、その後の更なる発火点を生んだ「Fall In Love With You」「Evolution is Solution」等が、会場中に2ステップやウィンドミル、はたまたテコンドーモッシュを繰り広げさせる。
「プラチナチケットを勝ち取ってきたみんなにまずはおめでとう!!」とMAH。「今日、この日が一番良かったと思ってもらえるように命を賭けて演っていく」と、続けてマニュフェストし、次のブロックではそれを立証していく。これまで以上に2ステップを華麗に踏みながらもファットなベースラインをキープするSINに、大サービスとばかりに、ギターぶん回し奏法を連発させたSHOW-HATE、ドラムのGODRiの叩き出す、ツインペダルのキックが会場に地響きを起こしていく。「人間のようにキチンとふるまう必要なんてないぜ。猿のように踊り狂へ!!」の言葉の後の「JACK.B」を口火に、へヴィーでラウドなサウンドの中、3声のハーモニーがふっとした美しさを呼び込んだ「Murderer」や、会場中がスカダンスで踊り狂った「Set me free」等が次々とフロアにサバトを引き起こしていく。
そして、「人間なんて所詮別々の人同士。100%理解しあえなくてもしょうがない。お前はお前、俺は俺、お互いのアイデンティティを尊重しあうのも大切」的な言葉の後、SNS等、人の領域に土足で入り込んでくる輩に言及。それへの警鐘とばかりに放たれた「FiXiT」を始め、”嫌なヤツには中指を立てることを忘れるな!!”と言わんばかりに会場中に「FUCK YOU」を連呼させた「I Hate U」、「夢みたいな場所にいるんだから、溜まっているものを全て出していけ!!」とのMAHの激後の「Amy」は、キッズたちの日ごろ溜め込んでいたモヤモヤを、この場限り全て吐き出させる役割を担う。
後半になると主役はステージ以上に会場へと変わっていく。彼ら初の日本語曲にして、その前のMCにて、「ファンと自分達との一晩を表現を変えて歌にした」ことを告げ、歌われた「Same Sky」での大合唱は、何よりも美しい空間を生み出し、「Get Up, Get Up」で生まれた一体感は、先ほどの色々なところから集った違った者同士が、ある一つのことに向け一丸となっていくことを証明してくれた。そして、ラストの「f.a.i.t.h」が炸裂すると、満場にWall of Deathが出現。曲のスタートと共に会場中がモッシュし合い、身体どうしのコミュニケーションや絆が育まれていく。
そして、ハイライトはアンコールにやってきた。この日、共演したONE OK ROCKの凄さや本物さにリスペクトを送るMAHのMCの後、「これから奇跡が起こるゾ!」と、続けての声に呼び込まれ、ステージに現れたのは、そのONE OK ROCKのTakaであった。これはまさにサプライズ。両バンドのファンが共に驚喜を交歓し合う。そして、そのままツインボーカルスタイルで歌われた「KiLLiNG ME」が凄かった。ステージでの同心感はもちろん、フロアでも各所でみんなが肩を組み合い、一緒に歌い、楽しそうに暴れている。そう、この日何度もMAHがMCで触れていた、「所詮は他人同士だけど...」の後に続けていた言葉が、まさにここで体現されていく。そして、締めは、「やはり最初もこの曲だったからこの曲で締める」と「Blah Blah Blah」が。この再登場には会場も、”待ってました!!”の大呼応。2バンドのファン関係なく、みんな合わせて歌い踊る。いやー、壮観だ。
結局どんなに努力しても、他人のことは100%理解することはできない。だけど、理解しようとさえすれば、何か相手の良い所、素晴らしい所が見えてき出し、それがかけがえのないものになっていく。言葉はあまりきれいではなかったが(笑)、MAHは1ステージかけてこれを立証してくれたような気がする。
SiMは逞しくなった。バンドとしても、発信者やメッセンジャーとしても。その辺りの意識がますます高くなっていたことに、改めて気づいたこの日。ちなみにこの3日後には、「裏ファイナル」と称して、キャパ80人という彼らが初出演した場所でのライヴが行われた。2000人の会場を満員/魅了させつつも、きっちりと自身のアイデンティティやアティテュードは守る彼ら。SiMが、コアをキチンと持ち続けたまま、バンドもキャパも人気もどんどん膨らみ、大きくなっていく理由が分かった気がした。
【取材・文 池田スカオ和宏】
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野外フェス化6年目、6/27(土)28(日)開催のSiM主催フェスDEAD POP FESTiVAL 2020第二弾アーティスト発表!
リリース情報
セットリスト
"EViLS TOUR 2013" FiNAL 2 MAN SHOW
2013.7.21@渋谷AX
- Blah Blah Blah
- Faster Than The Clock
- Fall In Love With You
- Evolution is Solution
- JACK. B
- Murderer
- Set me free
- FiXiT
- I Hate U
- Amy
- Same Sky
- Get Up, Get Up
- f.a.i.t.h
- KiLLiNG ME
- Blah Blah Blah
お知らせ
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2013 in EZO
2013/08/16(金)石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
WILD BUNCH FEST. 2013
2013/08/18(日)山口きらら博記念公園
MONSTER baSH 2013
2013/08/25(日)国営讃岐まんのう公園
RUSH BALL 15th
2013/08/31(土)泉大津フェニックス
SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2013
2013/09/01(日)山中湖交流プラザ きらら
AOMORI ROCK FESTIVAL ’13〜夏の魔物〜
2013/09/14(土)青森県東津軽郡平内町夜越山スキー場
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。