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今年も開催! KREVAがさいたまスーパーアリーナで行なった「908 FESTIVAL」の模様をレポート!

KREVA | 2013.09.25

 熊井吾郎のDJプレイ、サイプレス上野の音頭でウォーミングアップを行った「HIP HOP体操第一」を経て、いよいよ開演。トップバッターを飾ったのはKREVAだった。岡雄三(B)、菱山正太(Key)、白根佳尚(Dr)、熊井吾郎(MPC & DJ)による通称「半生バンド」スタイルによるKREVA Bandが華々しくイントロを奏で、1曲目「Feel It In The Air」がスタート。白いシルクハットを被って登場したKREVAが登場すると、観客は一斉に歓声を上げる。場内にレーザービームが激しく飛び交う中、強力なラップが放たれて、人々の興奮は加速していく。曲が幕切れると同時にサングラスを外して不敵な笑みを浮かべたKREVA。貫禄に溢れるオープニングとなった。2曲目「OH YEAH」の後、最初のMC。「ようこそ、908 FESTIVALへ! 今までは“9月8日はクレバの日”と言うと“語呂合わせですか?”とか言われてたけど、今年から正式に俺たちの日になったぜ(先日、社団法人日本記念日協会より、“クレバの日”として正式認定された)」と、誇らしげに語る。そして「イッサイガッサイ」と「王者の休日」も披露され、観客はますます熱く盛り上がった。

 メインステージとセカンドステージに、次々と多彩な布陣が登場し続けたこの音楽フェス。AKLO、サイプレス上野とロベルト吉野、SKY-HI、KEN THE 390、L-VOKAL、KLOOZ、SHINGO★西成……ラッパー達が各々のスタイルで観客を沸かせた他、瑞々しくも力強い歌声を届けたSONOMI、アコースティックギターの弾き語りで魅了した阿部真央、ギターのスラッピングプレイで会場全体を震わせたMIYAVIも、圧倒的な存在感を放っていた。各アーティストのステージには時折KREVAが合流。様々な貴重なコラボレーションが展開された。そして、観客の雰囲気が最高だったのも印象的なポイントだ。SONOMIのライブの時、機材トラブルによってバッキングトラックが中断するというアクシデントが発生。しかし、観客の力強い手拍子に包まれながら、彼女は見事に歌い切った。“お客さんもライブの一部です”というようなことはよく言われるが、その真の意味を心底実感させられる空間が生まれていた。

 KREVAは後半戦でセカンドステージにも登場。自身でAlbeton Pushという機材を使って、ヴォコーダーを演奏しながら歌う「押し語り」で「Tonight」を披露。「これをやってるのは多分俺しかいない」と本人も言っていたが、パッドの操作でヴォコーダーヴォイスや鍵盤ソロまでも奏でてしまうこのパフォーマンスは、斬新であった。そして、今年初めて行われた『908 FESTIVAL in OSAKA』のダイジェスト映像(三浦大知による「Tonight」のピアノ弾き語りカバー、KREVA & 大知による「蜃気楼」など、大阪公演限定の貴重なシーンが満載)を経て、メインステージで大トリを飾ったのもKREVA。赤いスーツで現れた彼がまず届けたのは「パーティーはIZUKO?」。ファンキーなバンドサウンド(KREVAもNumark Orbitというコントローラーで演奏に参加)に包まれながら放たれるラップが、観客を一層昂ぶらせる。続いて、「この曲をやれる面子が揃ってるから全員呼んでやるぜ!」とKEN THE 390、LB、HI-SO、KLOOZ、サイプレス上野、SKY-HIをステージに招き入れて「PROPS」。さらにはKEN THE 390、SKY-HI、MIYAVIと共に「ファンキーグラマラス」も披露。絶妙なコンビネーションによるラップとMIYAVIのギターが火花を散らしたこの曲は、猛烈にスリリングであった。

「今日、呼べなかったやつの曲を織り交ぜながら捧げたいと思います。今日、三浦大知は違うアリーナでやってます(この日、横浜アリーナでワンマンライブを行っていた)。そこに届くように、彼の曲を使って俺の曲にしたいと思います」と言い、三浦大知の「Damn」をサンプリングしたトラックでラップした「成功」。阿部真央の甘酸っぱい歌声とKREVAのラップが爽やかに融合した「微炭酸シンドローム」。SONOMIの歌声、観客による大合唱も加わって温かい一体感が生まれた「ひとりじゃないのよ」。SONOMIがバッキングコーラスを務めた「音色」……KREVAと様々なアーティストとの深い絆が窺われるコラボレーションが次々と展開した。

「心の中にいる尾崎豊を起こしてください!」と呼びかけ、「シェリー」を歌いつつ熱唱の見本を示したKREVA(今年の夏フェスなどでも歌っていたが、フルでワンコーラスを歌ったのはこの日が初めて。908 FESTIVALならではのスペシャルバージョンとなった)。その姿に刺激された観客の歌声に彩られた「BESHI」。原曲では草野マサムネによるパートを観客が歌った「くればいいのに」。観客とのコラボレーションが実現した2曲の後、「みんなのその声に、いつも支えられてます。そのお礼に普段聴けないいい声をあげるぜ!」と言い、ステージに招き入れたのは、なんとさかいゆう! 「この曲はクレさんに宛てたような曲でして。5年くらい前、無名だった俺を可愛がってくれて。この時代に生まれてきてよかったなと思って……。クレさんを想って歌っていいですか?」とさかいが問いかけると、「いいよ。俺を想うってことはファンを想うってことなんだよ」と答えたKREVA。2人の共演による「生まれてきてありがとう」は、何とも言えず温かかった。

「一番嬉しいゲストはみなさん。みんなと作るこの瞬間が908フェスです。みんなも一緒に歌ってください!」と呼びかけて雪崩れ込んだ「Na Na Na」。続いて「KILA KILA」がさらに圧倒的な一体感を生む。そして、本編のラストは「Have a nice day!」。観客の掲げた腕がビートに合わせて激しく揺れる様が壮観であった。アンコールは「C’mon, Let’s go」。KREVAはまず2ndステージに立ち、アカペララップも交えつつ観客を盛り上げる。そして、さらに全力でラップしながらアリーナ席の外周をパレードした。メインステージへと辿り着いた時、すさまじい歓声が彼とバンドメンバー達を包む。「今日はどうもありがとう。改めまして、今日出てくれた全員にステージに立ってもらおうと思います。この面子に大きな拍手! でも、やっぱりキャプテンはお前らだぜ」と語り、出演アーティスト達と共に笑顔で手を振ったKREVA。実に爽やかなフィナーレとなった。

 来年、ソロデビュー10周年を迎えるKREVA。彼の今後の予定が、終演後にスクリーンで告知された。音楽劇『最高はひとつじゃない2014』、ライブアルバム、新作リリース、全国ツアーなど……今後の活動もますます熱くなりそうだ。続報を楽しみにしながら待つとしよう。

【取材・文:田中 大】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル KREVA

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リリース情報

BESHI(初回限定盤)

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2013年08月28日

PONY CANYON

1. BESHI
2. 世界の中心
3. BESHI ?Band Recording Ver.-
4. BESHI(Inst.)
5. BESHI(Acappella)
6. 世界の中心(Inst.)
7. 世界の中心(Acappella)

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お知らせ

■ライブ情報

COUNTDOWN JAPAN 13/14 supported by Windows
2013/12/28(土)・29(日)・30(月)・31(火)幕張メッセ国際展示場1〜8ホール、イベントホール
※出演日・出演時間・出演ステージは後日発表いたします。

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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