スガシカオ、Zepp DiverCity Tokyo公演、初日の模様をレポート!
スガ シカオ | 2013.10.15
今回のツアーのセットリストは、“2部構成”と言っていいだろう。前半はメロディアスな“歌モノ”の曲が中心を占め、後半は怒涛のファンク・ミュージックで押し切る。その潔さに感服するとともに、ファンクに賭けるスガシカオのすさまじいファイティング・スピリットに打たれた。さらにはこの日、スガのファイトに加えてもうひとつの爆弾が炸裂し、平山は深い傷を負ったのだった。
ZEPP DiverCity TOKYOのフロアをぎっしり埋めたオーディエンスは、女性7割、男性3割くらいのバランス。開演前からとにかく凄い熱気だ。開演時間になってメンバーがステージに登場すると、今日のライブに期待する大歓声が上がる。ロックのワイルドな歓声とは異なるが、スガの音楽そのものに期待を寄せる声の熱さは、まったくひけを取らない。“踊る気満々”のオーディエンスなのだ。
そんな音楽好きのオーディエンスに対峙するのは、凄腕のミュージシャンたち。ドラムス、ベース、キーボード、ギター、女性コーラスの5人は、スガの切れ味鋭いボーカルを完璧にサポートする。 “歌モノ”とは言ってもリズムのスリルに満ちていて、前半も聴きごたえは充分だった。
ライブが始まって間もなく、耳がギターに釘付けになった。 Tシャツにデニムというラフなファッションのギタリストが抱えるレスポールから繰り出されるのは、爆音のロックギターだ。しかし、リズムのニュアンスは通常のロックギターの枠を軽くはみ出していて、恐ろしいほどの切れがある。スガはそんなギターを大層気に入っているらしく、時折、ギタリストを笑顔で見ながら、とても楽しそうに歌っている。ロックとファンクを独自のバランスでミックスしたギター・サウンドが、スガの世界に新しいエネルギーを吹き込んでいる。それを受けて、スガのステージングも大胆かつダイナミックに変化。そんな“ギター爆弾”のおかげで、パフォーマーとしてのスガが、いつにも増して魅力的に映る。
中盤の「ひとりごと」でスガはアコースティック・ギターを弾きながら、しっとりとバラードを聴かせた後、ツアーを共にしてきたメンバーを一人一人紹介する。
「キーボードのポチは最近、売れっ子でさぁ。感じ悪いんだよな(笑)」。言葉遣いが悪い分だけ、スガのメンバーに対する信頼の深さが伝わってくる。そうして、「この“爆弾ギタリスト”は一体誰なんだ?」と思っていると、スガの口からスペシャルゲストとして飛び出した名前は、“JUON”だった。JUONはロックトリオFUZZY CONTROLのギタリストとしても名をはせているが、ドリカムのバック・ギタリストとしても大きな注目を集めている異才だ。そのJUONを見初めたスガは、今回のツアーに自ら誘ったのだという。そしてこのマッチングは大成功だと感じていた。
そんな確信を深めたのは、後半だった。メンバー紹介の後、スガが叫ぶ。
「J-POPはここでおしまい。ここからは日本でただひとつ、オレたちにしかできないファンク・ミュージックをやります。一緒に行けるかぁ!?」。その言葉どおり、後半はファンク一色。80年代のプリンスを彷彿とさせる「Re:you」、70年代のアイズレー・ブラザーズばりのファンク・ロック「したくてたまらない」など、スガ版“ファンク・コレクション”が次から次へと披露される。そしてこのファンキーな盛り上がりを待ちかねたように、フロアを埋めたオーディエンスたちは一気に頂点に駆け上ったのだった。
配信シングルの新曲「赤い実」ではステージをライトが真っ赤に染め上げ、「イジメテミタイ」でスガは扇情的なピンクのギターを握る。
「みんなぁ、ファンクは楽しいかぁ? 2011年にインディーズに戻ったオレは、屈しないぜ! 自分の思ったことを堂々とやるぜ! そして来る20周年は、今まで見たことのない景色を見たいと思ってる。それにはみんなの力が必要です。オレと一緒に、見たことのないところに行こうぜ!!」と、音楽に賭ける情熱を吐露する。そんなスガの心意気をがっちり受け止めるファンたちが、大声と拍手で応える。女性客7割なのに、まったく男前なオーディエンスたちだ。
「来年にはメジャーからアルバムを出そうと思ってます。でもその前に、もうちょっとインディーズでやりたいことがある。頑張ってる人たちに捧げます」と言って、アンコールで歌った「Progress」は、そうしたスガのアグレッシブな姿勢そのままを描いた歌詞として響き、感動を生んだ。
ライブ後本人と会ったとき、スガは「みんなの心に、音楽で傷をつけたい」と言っていた。ソングライターとしての繊細さはそのままに、数段逞しくなった“インディーズのスガ”のすべてを堪能したライブだった。
【取材・文:平山雄一】
【撮影:新家敏之 / 杉田 真】
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