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REDLINE TOUR 4日目。ベテラン×中堅×若手「世代の境界線」を超える3組が登場

REDLINE | 2013.10.31

 恵比寿リキッドルームにて、10日間ぶっ通しで行なわれたライブイベント「REDLINE TOUR 2013」。その4日目となった10月14日は、J、The BONEZ、MY FIRST STORYという、ラウドミュージックをベースにした3組が共演。それぞれが胸の内で燃えたぎる情熱を音に込め、放ち、交わり、熱狂が生まれる──そんな、実にロックな夜となった。

 トップバッターは、The BONEZ。元々はRIZEのJESSE(Vo・G)が、Pay money to my painのリズム隊であるT$UYO$HI(B)、ZAX(Dr)達とスタートさせた「JESSE and The BONEZ」というソロプロジェクトだったのだが、この日、NAKAこと中尾宣弘(ex.RIZE)の加入を発表。「ソロ」から“一生続けていく「バンド」”へと生まれ変わった。登場するなり、頭からペットボトルの水をかぶるJESSE。そこからオーディエンスにクラップを煽り、ミクスチャースタイルの「BOSSMAN」でライヴをスタートさせる。新体制としての初ステージということもあり、メンバー全員の意気込みが半端ない。途中、JESSEの足下にあるモニターから音が出なくなるトラブルもあったが、「(機材を)直してるより、演った方が楽しいよな!?」と、「CATCHER」へ。トラブルで熱を下げることなく、それを更なる起爆剤へと変えていく現場力は流石の一言だった。縦乗り/横乗りを変幻自在に操りながら、どんどんカオティックな熱狂を巻き起こしていく。そんな中、ラストに届けられた楽曲(新曲)は、涙腺直撃のメロディアスなラウドサウンド。間もなくアナウンスされるバンド録音したアルバムからのリード曲になるが、それまで熱狂で混沌と化していた空間に力強い光が差し込むような、激しくも美しい光景を生み出した。

 続いては、MY FIRST STORY。現在盛り上がりを見せるラウドロックシーンの中でも、人気、実力共に急成長を遂げている若手5人組だ。爆音と共に幕が開くと、メンバーが既にスタンバイ。フロアから大歓声があがる。その歓声の上がり方ひとつとっても、オーディエンスが彼らを求めている現状が強く伝わってきた。「楽しむ準備は出来てますかー!?」というHiro(Vo)の一声から「Take it Back!!」。キャッチーなメロディーが映えたUSスクリーモサウンドを、瑞々しい衝動で鳴り響かせる。「1度目の限界はThe BONEZで超えたよな? 次は俺らと2度目の限界、ここにいるみんなで超えてみませんか!?」。そんな熱い煽りを経て「Second Limit」へ。Sho(G)、Teru(G)、Nob(B)は、所狭しとステージ上を縦横無尽に暴れ回り、Masack(Dr)は雄々しいビートでサウンドをボトムアップして行く。「Awake」ではオーディエンスがサークルモッシュ。ステージ/フロア双方共に熱く盛り上がっていた。「俺が今日ここに賭けた想いを全部込めるんで、全員受け取ってください!」と、ラストは「最終回STORY」。流麗なピアノと荒々しいサウンド、クリアなハイトーンボーカルと激情的なスクリームといった静と動が絡み合うドラマチックなナンバーを叩き付け、ステージを後にした。

 最後に登場したのはJ。言わずと知れたモンスターバンド・LUNA SEAのベーシストであり、昨年ソロ活動15周年に到達。円熟味を増しながらも、常にストイックで、衝動的なサウンドを轟かせる熱い男である。SEが鳴ると、フロアから熱いオイコールが上がる。Scott Garrett (Dr)、Takashi "CBGB" Fujita(G)、Kazunori Mizoguchi(G)という不動のバンドメンバーが登場した後、早足でステージに飛び込んできたJは、「飛ばすぜー!」と煽り「break」へ。初っ端からとんでもない音の塊を解き放つ。どこまでも広がる荒野を疾走するようで、シンプルかつ骨太。ゆえに聴く者の胸にズドンと響かせる圧巻のサウンドで畳み掛けていった。共鳴するオーディエンス達はもみくちゃになりながら、拳を振り上げ、「PYROMANIA」ではライターを着火。大合唱を巻き起こす。そんな中、新曲「if you can see me」も披露。混沌とした熱をスリリングに引き揚げていく。ラストは「BURN OUT」。最後、「途切れないように!」と絶叫する彼の姿に、今までも、そしてこれからも自分の衝動を燃やし尽くして行こうとするロックスピリッツを受け取った。アンコールの声に応えて登場したJは、The BONEZ、MY FIRST STORY、そしてREDLINEスタッフへ感謝を告げ、「Feel Your Blaze」をドロップ。他のバンドTシャツを着たキッズ達もクラウドサーフをしまくる強烈な熱狂の中、REDLINE4日目は幕を降ろした。

 REDLINEには「限界を越え、すべての境界線を無くすことを目的とする共同体」という趣旨がある。初日のSiM×SKINDREDが「日本と海外の境界線」を無くすものであるのならば、この日は──急成長を遂げる若手筆頭株、新体制とはいえど、既にライヴの猛者である中堅、そして未だにピュアな衝動を失わないベテラン──そんな「世代の境界線」を超えたラインナップだった。REDLINEのコンセプトそのものを体現した対戦カードであり、とても意義のあるものだったと思う。

 「世代間の断絶」は、別に今に言われ始めた話ではない。“最近の若い者は……”と、古代エジプトの壁画にも書いてあるそうだ。だからこそ、根は深い。年寄りの考え方は古臭くてダサいし、下の奴らの感覚はサッパリ理解できない。でもやはり、先人達は偉大であり、若い世代は刺激的だ。誰もがきっと、そう思いながら日々を過ごしているだろう。そんな入り組んだ感情や説教臭い考えを、「上も下も関係なく、良いものは良いんだ!」と、力づくで吹っ飛してポジティヴにさせるロックミュージックサウンドは、何よりも偉大で、刺激的で、強い。そう思わずにはいられない夜だった。

【取材・文:山口哲生】
【撮影:鈴木公平】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル The BONEZ MY FIRST STORY J

リリース情報

The BONEZ『Stand Up』

The BONEZ『Stand Up』

2013年01月30日

TENSAIBAKA RECORDS

1. ACCESS VIOLATION (original mix)
2. B-MEN
3. BOSSMAN feat.DOGMA
4. GIM CRACK
5. CATCHER
6. 2 of US feat.Julissa Veloz
7. LETTER
8. LOLLY POP
9. AKARI
10. STAND
11. STAND UP(acoustic ver.)

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リリース情報

MY FIRST STORY『THE STORY IS MY LIFE』

MY FIRST STORY『THE STORY IS MY LIFE』

2013年02月06日

INTACT RECORDS

1. preservation
2. The Reason
3. The Story Is My Life
4. Gift
5. Lose Your Mind
6. Silence Word
7. Where Come From...
8. Deserve!!

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リリース情報

J『FREEDOM No.9』 (ALBUM+DVD)

J『FREEDOM No.9』 (ALBUM+DVD)

2013年10月23日

cutting edge

ディスク:1
1. Go Ahead
2. Love to Kill
3. MARIA
4. If you can see me
5. Nightglow
6. Everything
7. Looser
8. right away
9. Sword
10. Day Dream -the way of infinity-
11. NEVER END

ディスク:2
1. NEVER END (Music Clip)
2. Documentary Film

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セットリスト

REDLINE TOUR 2013
2013.10.14@恵比寿リキッドルーム


The BONEZ
  1. BOSSMAN
  2. Gim Crack
  3. Access Violation
  4. 新曲
  5. CATCHER
  6. 新曲
  7. 新曲
  8. 新曲

MY FIRST STORY
  1. Taje it Back!!
  2. Calling you
  3. Bullet Radio
  4. Second Limit
  5. The Story Is My Life
  6. Awake
  7. EXPERIENCE
  8. 最終回STORY

J
  1. break
  2. rodeo life
  3. PYROMANIA
  4. storm rider
  5. if you can see me
  6. go crazy
  7. NOWHERE
  8. BURN OUT
Encore
  1. Feel Your Blaze

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