「HALLOWEEN PARTY 2013」、最終日10/27の幕張公演をレポート!
VAMPS | 2013.11.01
VAMPSが主宰するハロウィンイベント「HALLOWEEN PARTY 2013」が今年も開催された。
今年で7回目となった当イベント。昨年に引き続き、神戸ワールド記念ホール2DAYS、幕張メッセ3DAYSと大規模な展開となったが、そのチケットはチケットはプレミア化し、このイベントが世の中に浸透し、なおかつ今でも需要が広がり続けていることを証明することとなった。
最終日となった10月27日。幕張メッセ。1万4千人の観客の期待が渦巻く中、イベントはスタートした。
トップバッターを飾ったのは、この夏、ソロ作品をリリースしたDAIGO。
12月発売の新曲「BUTTERFLY」にちなんで、豪華な蝶の羽根を背負って登場し、巧みなMCとパフォーマンスで盛り上げた。
続いて乃木坂46。ヴァンパイアをモチーフにしたゴシック調の黒い衣装に「普段は制服なので、こういう衣装は新鮮」と笑顔。
ステージから伸びた、最前ブロックをぐるり囲むランウェイを存分に使い、フレッシュなステージを繰り広げた。
3番手のゴールデンボンバー。最初、スクリーンにメンバーが映り、女装コスプレかと思ったら、実はそれは偽物。
黒い布で隠れていたメンバーが飛び出すというサプライズからスタート。
スイカ割りならぬカボチャ割りの演出もあり、激しいヘドバン曲もありの個性的なステージングで、会場全体の空気を呼びながらを自分達のペースに巻き込むフレキシブルなライヴを展開。
最後は「女々しくて」で、観客をリズムに合わせバウンドさせた。
ステージとステージの転換の間も、このイベントならではのアトラクションが次々に登場。
VAMPSファンを自称するやまだひさし氏の司会のもと、ステージ上で観客が主人公のアトラクションが展開された。
簡単にご紹介。事前にVAMPSのHP上で出題された“振付の課題”を元に、ダンス・パフォーマンスを競う「HALLOWEEN DANCE PARTY 2013」。
観客が気合いのコスチュームを見せる仮装ファッションショー「HALLOWEEN COLLECTION 2013」(パリコレならぬハロコレ?)。
モノマネ・アーティストの青木隆治が「電話で神(=HYDE)からのお告げがありまして。“You 出ちゃいなよ”」と、急遽参戦することとなったカラオケステージ「From KARAOKE to the STAGE」と、その内容は盛りだくさん。
すべて当日予選を行い、VAMPSのメンバーが本戦(=ステージに登ることができる)の出場者を決めるスタイルは、VAMPSからの観客へ向けられたメッセージだと思った――主役は僕達だけじゃない、来場してくれたみんなも、この日の主役なんだ、と。
19時45分。薄闇に沈んだ幕張メッセ。客席の後方で大歓声があがった。デコラティヴなデザインの馬車に乗りVAMPSのメンバーが姿を表す。
馬車の中から睨むように客席を見つめるHYDE。馬車から降り、ランウェイをステージへ向かうメンバー達。HYDEは最後にゆっくりと歩を進めていく。
中世の移動サーカスを思わせる巨大なステージセット。そのテントが、激しく明滅し始める。HYDEはステージ後方へ。
そこに設置された階段をゆらりゆらりと登り、てっぺんへ。会場中の歓声を両手を広げて受け止める。
次の瞬間、HYDEは空中にダイヴした。絶叫、否、悲鳴か。その悲鳴が、喜びの嬌声に変わった刹那、HYDEは馬車の屋根の上にいるというサプライズ。
何が起こったか、理解するまでに数秒。背伸びをしたり、首を回しながら事実を確認している観客達。歓声がババーッと広がっていく。まるで水面に石を落したように。
VAMPSライヴのオープニングを飾ったのは「HALLOWEEN PARTY?HARD CORE Ver.?」だった。HYDEを乗せた馬車が客席内を回っていく。吠えるように歌うHYDE。その様は、まさに“降臨”であった。
HYDEとたくさんのシモベ達(コスチュームから想像するに、コウモリか)がVAMPSの旗を翻し、ランウェイを闊歩した「REVOLUTION II」の後MC 。「ようこそ、HALLOWEEN PARTYへ。1番クレイジーな夜にしてやる」と観客を煽り「AHEAD」へ。
メタリックな赤色のテープが宙を舞った。「ANGEL TRIP」では、K.A.Z.がランウェイを疾走。彼の動きに合わせて、観客の手が上がる。
その人の手ウェイブ=波の様子に、K.A.Z.もモーゼみたいだな、なんて思ったり。
HYDEが再びマイクをとった。「皆さん、元気に死んでますか?(笑)今日はあなたたち、いつもより20%くらい可愛い。コスプレマジックだね。可愛いから食べちゃうよ」と観客を沸かせた後、この日の自分の衣装について触れた。
「今日は最終日なんで正装をしてきました」
HYDEオリジナルのヴァンパイア・キャラクターで登場したこの日。
昨年始めてお目見えしたこのスタイルは、本人がイラスト化したイメージを元に、作り上げられたものである。
本人達のこだわりはもちろんだが、スタッフ達のこだわりも半端ない。この“半端ないこだわり”が、このイベントを、ここまで成長させた一因でもある。
そして、この尋常じゃないこだわりに、楽しみながらライドオンした観客も本当にアッパレだ。HYDEが続ける。
「最終日だから、はじけちゃってくれるよね? パーっといきましょう。準備はよろしいの? 悪い子になっちゃう? それではまいろう!」
ステージに炎があがり「RUMBLE?HALLOWEEN Ver.?」。オリジナルはジャジーなアレンジが特徴のメランコリックなナンバー。
それがまったく違う曲になっていた。一聴での印象だが、組曲からラウドへ展開するような感じ。その変わりようはアレンジの変化というよりリミックス的な感覚に近いかも?
VAMPSがライヴバンドであると同時に、いつでも進化を求めている貪欲なバンドであることを目の当たりにした瞬間だった。
VAMPSライヴの後は転換タイムを経てHALLOWEEN JUNKEY ORCHESTRAのコーナーへ。
本日の出演者に加え、Shinya(DIR EN GLAY)や、分島花音、Shinji(シド)、明希(シド)など、このイベントにゆかりのある人(=これまでの出演者)も参加。
Anisが進行を務めたドラムを使ったゲーム「Rhythm Game」では、HYDEとK.A.Z.が一緒に罰ゲーム……というレアなシーンも飛び出した。
が、この日、最もレアで、満員の観客が大喜びしたのは、次に飛び出すこんなシーンだった。
GLAYのTERUとTAKUROがステージへ。TERUがキャプテンハ―ロック、TAKUROは「白が足りないと聞いたので……」と白の上下に身を包んだ吸血鬼で登場し、HALLOWEEN JUNKEY ORCHESTRAとともに、GLAYのヒットチューン「誘惑」を披露。
TERUとHYDEが、交互にメインヴォーカルを取りながら、コーラスも交互に担当していく。
この豪華さに、観客はもちろん、出演者達もノックアウト?
DAIGO曰く「俺、こういう時、走ったりして盛り上げなくちゃいけないんだけど、普通にただ見ちゃってました」と言えば、HYDEは「やばい、普通にあがっちゃったぁ」とコメント。TERUやTAKUROも含みステージ上の出演者も観客も笑顔。おそらくスタッフ達もそうだったと思う。
この時、幕張メッセにいた人全員が、同じ気持ちを共有していたのではなかろうか。
幕張メッセの広さを感じさせないフレンドリーなムードが、そこにはあった。
Tommy heavenly6を呼び込み、最後は、このイベントのために作られた1曲「HALLOWEEN PARTY」を全員で。
VAMPSのシモベ=コウモリ達のダンスも、宴のエンディングを楽しく盛り上げた。
ホラーをカラフルに、ポップに解釈したHYDEの「HALLOWEEN」の世界観。
この世界観は、ビジュアル面ではここ数年で完成形が見えたように思っていた。が、今年HYDEは、さらに新たな要素を投入してきたように感じた。
それはきっと、ムードとユーモアではあるまいか。
全員での「HALLOWEEN PARTY」が流れる中、少しずつ会場が明るくなっていく。
時計は間もなく21時を指そうとしていた。
明るくなっていく幕張メッセに向かって、HYDEは最後にこう叫んだ。
「HAPPY HALLOWEEN! また来年!」
【取材・文:伊藤亜希】
【撮影:緒車寿一、田中和子】
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