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くらえっ!ケラケラ、初の赤坂ブリッツで笑顔あふれるツアーファイナル

ケラケラ | 2014.07.01

 全国12ヵ所でのツアーを経て、ワンマンライヴでは初となる赤坂BLITZでのツアーファイナルに臨んだケラケラの3人。「奥の奥の人まで、端から端の人までに伝えられるように」とライブにおける決意を語っていたMEMEだったが、前回の東京公演よりもさらに会場の規模が大きくなっているだけに、この天井が高く広い会場をどれだけ自分たちのものにできるのか、バンドの実力が試されることになる。そんな若干の不安をよそに、続々とフロアに詰め掛けた観客は皆、ワクワクした様子で開演を待っている。それは緊張感混じりのそれではなく、どこか“もうすぐ会える”という喜びの表情に近い。

 急成長を続けるトライアングル、ケラケラ。まずステージに登場したのはドラムス・森さん。柔和な笑顔を湛えたまま、タイトなリズムを刻み始める。続いてベース・ふるっぺ。ステージ中央で挨拶がわりのソロを披露。キーボードの宮田リョウ、ギターの井手上誠といったサポート・メンバー続き、ひときわ大きな歓声の中、白×スカイブルーのワンピース姿のMEMEが現れる。その出で立ちは、白いリボンで結んだ高い位置のポニーテールと相まって、レトロなチアガールをイメージさせた。「行くよ!」。弾けんばかりの掛け声とともに、ライヴは「虹色ハートビート」から幕を開けた。

 もはやトレードマークといってもいい、あの無邪気な笑顔と底抜けの明るさで、会場をグイグイと牽引していくMEME。MEMEがステージ下手に移動すれば、すかさずふるっぺが前に飛び出すという好フォーメーション。ふるっぺ&森さんのアンサンブルは、しなやかにうねり、安定したリズムで歌を支える。そのチームワークの良さは観客にも波及した。ミドル・ナンバーでは手拍子をしながら、バラード・ナンバーではじっとステージを見つめ、歌に詰め込まれた思いの丈をしっかりと受け取る。背筋を伸ばし、胸を張って歌うMEMEの真っ直ぐな歌声は、確かに会場の隅々まで届いていたはずだ。

 MEMEはMCで、今日このステージに立てた喜びと感謝を真摯に伝え、またふるっぺ、森さんを交えての軽快なトークでは疲れもみせずにオーディエンスを笑わせた。「昔から“なんでそんなに笑ってるの?”って言われる」。何気なくMEMEの口からこぼれた、この言い得て妙な告白が、ケラケラのケラケラたる所以だ。「ひとつだけ」で何度も客席に向かって手を伸ばし、観客と楽しげに投げキッスの応酬を繰り広げた後は、遊び心満載の「ケラケラじゃんけん(仮)」を織り交ぜながら、MEMEと観客全員とで“じゃんけん大会”に突入。皆で踊り、皆で笑い、皆が参加するお楽しみタイム。じゃんけんに最後まで勝ち残った男性の勝利の瞬間には、観客全員がまるで自分のことのように喜びを分かち合う。その光景をステージの上から見ている3人の顔もほころんでいる。

 ライブは新作『ケラケラリアット』からの楽曲を中心に、緩急、構成ともによく練られたセットリストで流れるように進行。この日は路上時代に歌っていたことのあるという未発表曲「Station」も披露された。自らの失恋エピソードを少しおどけながら話すMEMEだったが、いざ歌に入るや、歌詞の主人公の心情そのままに、切なさと堰を切ったような感情の昂ぶりを見事に表現。歌う時のMEMEの立ち姿には、頭からつま先まで、目には見えない1本の太い芯が通っているかのようだ。ギミックのない歌だけがもつ説得力に会場はシンと聴き入るしか術をもたない。

 早くもライブ定番曲となりそうな「ピッピッピ」から、終盤に向け躍動感に満ちた明快なポップ・チューンを連発。途中のメンバー紹介では、ふるっぺの歌うカバー曲よろしく、3人は“ありのままの姿”を見せるべく奔走する。MEMEのルーツを垣間見たSPEEDのカバーがある一方で、森さんは正統派ドラマーらしく渾身のドラムプレイを披露。続く「たこ焼きソング?大阪で生まれたからって~」では、ふるっぺ、森さんの天然ぶりと、ワンピースのフレアをひるがえしながら天真爛漫に歌うMEMEのコントラストが、このグループの文字通りありのままの姿を表しているようでもあった。ヒット曲「スターラブレイション」からラストは「ろーりんぐでいず」。枯れはじめた声を振り絞るふるっぺ。ステージと客席とが一丸となり、色とりどりのタオルが勢いよく咲き乱れる様は壮観かつ感動的ですらあった。

 アンコールでは前日に出演した武道館イベントの話に触れ、「ケラケラとして武道館に立ちたい。武道館にみんなを連れていきたい」と新たな決意を語った3人。揃いの衣装からツアーTシャツに着替え、グッと身近な存在となった彼らの“聴いてくれるみんなの力になりたい”という思いはひとつだ。ほかの誰でもなく、ケラケラを必要とする人々がもっともっと増えた時、目指す憧れの場所は夢ではなくなる。いつか訪れるその日のために、彼らは早くも次のステップへと歩みを進めている。

【取材・文:篠原美江】
【撮影:古賀恒雄】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル ケラケラ

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リリース情報

ケラケラリアット[通常盤]

ケラケラリアット[通常盤]

2014年04月16日

ユニバーサル シグマ

1. MAKE UP
2. マシュマロ
3. キズナジャンプ
4. 夢コンシェルジュ
5. キミと、ずっと。
6. MY LOVE
7. ピッピッピ

セットリスト

くらえっ!ケラケラリアットツアー2014
2014.6.13@赤坂BLITZ

  1. 虹色ハートビート
  2. マシュマロ
  3. MY LOVE
  4. 夢コンシェルジュ
  5. さよなら大好きだったよ
  6. ひとつだけ
  7. ケラケラじゃんけん(仮)
  8. MAKE UP
  9. Station(未発表曲)
  10. キミと、ずっと
  11. ピッピッピ
  12. たこ焼きソング~大阪で生まれたからって~
  13. スターラブレイション
  14. ろーりんぐでいず
Encore
  1. 友達のフリ
  2. キズナジャンプ

お知らせ

■ライブ情報

JOIN ALIVE
2014/07/19(土)北海道 いわみざわ公園

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2014/07/21(月・祝)和歌山マリーナシティ

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2014/07/26(土)神奈川 音霊 OTODAMA SEA STUDIO

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2014/08/03(日)東京 お台場 船の科学館 野外特設ステージ

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2014/08/10(日)愛知 名古屋ダイアモンドホール

Exciting summer in WAJIKI ’14
2014/08/13(水)徳島 大塚製薬徳島ワジキ工場 野外ステージ

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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