デビュー2年目に突入した3人組・ケラケラが、自身初のミニアルバム『ケラケラリアット』を完成させた。昨年10月のフルアルバム『ケラケライフ』から半年という短いタームで届いた本作には、ヒャダインこと前山田健一ほか、プロデューサー＆アレンジャーに新たな顔ぶれを迎えたアップ・チューンばかり全7曲を収録。感情の機微を歌で表現するMEMEと、ソングライティングを手掛けるふるっぺ、森さんの3人、いずれもがさらに表現の幅を広げた、勢いある意欲作となっている。
　精力的なライヴ活動で掴んだ手ごたえと、縮まりつつある聴き手との距離感から生まれた「ケラケラとして今、伝えたいこと」。新作を携え、3人はもっと広いステージへ向け、全力で駆け抜けていく。

EMTG：前作『ケラケライフ』からシングル「ひとつだけ」を挟んでの新作ですが、今回、ミニアルバムにしようと思われたのは？

ふるっぺ（B）：ケラケラは「スターラブレイション」のような元気なイメージが皆さんの中にもあると思うんですよね。それで元気な曲ばかりを集めたら、新生活を応援できる1枚になるんじゃないかなと思って、それでミニアルバムに。

森さん（Dr）：イベントのような場所で「スターラブレイション」をやると、僕らを観に来たわけではないお客さんまでもが一気に集まってくれるんですよ。それでやっぱりケラケラといえば元気なイメージのほうが強いのかなと。

MEME（Vo）：私たち自身も、皆さんに笑顔を届けたいという思いでやっているので、今回はその元気を1枚に詰め込ませてもらいました。

EMTG：とても勇ましいタイトルがつきましたね。これは誰のアイディアですか？

ふるっぺ：僕です（笑）。『ケラケライフ』の時に候補としてはあったんですけどね。今回はアッパーな曲ばかりを集めたミニアルバム、というコンセプトだったので、勢いのあるタイトルがいいんじゃないかってことで、再浮上しました（笑）。

EMTG：『ケラケラ○○』というタイトルはシリーズ化しそうですね（笑）。アルバムを聴いて、『ケラケライフ』の中にある「ありがとう君に出会えたこと」から、ひとつの線で繋がっているような印象をもちました。

ふるっぺ：ああ、確かに。あの曲はここに入っててもおかしくないですね。“繋がり”とか“友情”とかをテーマにしているという意味では、「キズナジャンプ」とか「キミと、ずっと」に通じるところありますね。

EMTG：前作ではMEMEさんが歌うことを想定した上で曲を書かれた、ということでしたが。

ふるっぺ：そこは変わらず、まずMEMEが歌うということありきで書いていきましたね。たとえば「夢コンシェルジュ」なんかは最初、メロディと一緒に出てきた歌詞が、ちょっと泥臭いというか男っぽい感じだったんですよ。それで数日悩んで、この形になって、MEMEに聴いてもらって、ようやく完成したんですけど。

MEME：それを私は、私たちの歌で、みんなの踏み出せない一歩を後押しできたらいいなと思いながら歌いました。

EMTG：なるほど。私はこの曲を聴いて、ケラケラがひとつ大きなものを引き受けたな、という気がしたんですよね。

ふるっぺ：僕はどちらかといえば恋愛の曲が得意なんですけど、前のアルバムでMEMEが書いた「笑ったもん勝ち」っていう曲は、MEMEの前向きさがすごく出ている曲なんですよ。それが聴く人に伝わってダイレクトな反応が返ってきた。その時に、バンド名の通り、ケラケラとしてもっとポジティヴなメッセージを発信していくべきなんやなって思ったんですよね。それ以降、MEMEに影響されたわけじゃないですけど（笑）、ポジティヴな曲が増えた感じがします。自然に書けるようになったというか。

EMTG：これまでは前向きなメッセージを書くのにどこか躊躇があったんでしょうか。

ふるっぺ：自分が書く必要あるのかな、というか。僕は片思いの曲を書いたほうが自然で、それに共感してくれる人がいたら、それでいいのかなって思ってたんです。でもそうじゃなくて、僕が書いたものでもMEMEが歌うことによって、もっとキラキラした、説得力のある歌になるのかなって。そう思えるようになったんですよね。

MEME：私自身は、恋愛の歌でもメッセージソングでも、聴いてくれる人と一緒に泣いて悲しむことで、前向きになれることもあると思ってるんですね。それもケラケラかなって。聴く人の「今」だけを応援すればいいわけではないし…ずっとその人の人生に寄り添っていきたいんですよね。

EMTG：なるほど。森さん自身は特に印象的だった曲はどれですか。

森さん：聴いててテンションが上がるのはやっぱり「MAKE UP」です。僕は男なので化粧はしないですけど、髪をセットする時にうまくいくとちょっとテンション上がるんで（笑）、自分にもそういう感覚があるなあと思って。

ふるっぺ：それ、あるな（笑）。

MEME：（笑）。めっちゃ女子感が溢れてるので、最初はビックリしましたけどね。聴いてくれる人の反応が楽しみです。

EMTG：ふるっぺさんはいかがですか。特に思い入れのある曲といえば。

ふるっぺ：「ピッピッピ」ですかねえ。ワンマンライヴ用に作った曲で、ライヴではメンバー紹介も盛り込んでるんですけど、是非CDで聴いて、ライヴを楽しみにしてもらえたらなと思います。

EMTG：遊び心満載、というだけでは語れない曲ですよね（笑）。

ふるっぺ：聴く人それぞれの“やる気スイッチ”を押すっていう感覚で捉えてもらっても嬉しいですし、何も考えずに楽しんで聴いてもらっても、もちろん嬉しいですしね。でも最初は、マイナーコード＝カッコイイメロ＝カッコイイ歌詞、みたいなイメージがあったので、苦戦してたんですね。それで一度全部消して、もう一度やり直してみようと思ったら、メロと一緒になぜか「ピ」が出てきて（笑）。その、出てきた歌詞をそのまま使ってます…今後はちょっと考えなきゃいけないですね（笑）。

EMTG：（笑）。MEMEさんは？

MEME：私は「キズナジャンプ」かなあ。この曲はロープジャンプのテーマとして書かせてもらったんですけど、ロープジャンプをやっている小学生からこっちが逆にパワーをもらいましたね。昨日も全国大会で歌わせてもらったんですけど、歌っててどんどん気持ちが高まっていくのがわかるんですよ。まっさらな気持ちで失敗を恐れずに頑張っている小学生を見ていて、頑張ることの大切さを改めて知ったというか。大人になるほど失敗を恐れてしまったり、投げ出したくなったり、情報や周囲の言葉に惑わされてしまったりすることもあるんですけど、そんなこと関係なしに挑戦する。それは大事なことなんだなって、今度はそれを私が歌で伝えていきたいなって思いますね。

EMTG：そして5月からは全国ツアーが始まりますね。タイトルは「くらえっ！ケラケラリアットツアー2014」。

ふるっぺ：そうです。喰らってもらいます（笑）。CDでは伝わらない部分、ライヴでしかわからない「あ、ケラケラってこんなバンドやったんや」っていう発見をしてもらえたらなと思ってます。

MEME：ワンマンで13ヶ所廻るのは初めてだし、ケラケラのライヴに初めて行くっていう人にも会えるし、みんなで楽しめるようなアイディアを考えてます。みんなで盛り上がるところを想像して今からワクワクしてますね。

EMTG：ファイナルは赤坂ブリッツですね。

MEME：大きな会場の奥の人まで伝えることの難しさ、しかもワンマンライヴでやることの難しさは肌で感じているので…奥の奥の人まで、端から端の人までに伝えられるように、しっかり準備して臨みたいと思います。楽しみにしていてください。

【取材・文：篠原美江】