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速報・幕張メッセ!ユニコーン「イーガジャケジョロ」ツアー終盤レポート

UNICORN | 2014.07.08

 こんなに張り切っているユニコーンを見るのは、久しぶりだ。いよいよ「イーガジャケジョロ」ツアーも最終盤、幕張メッセに登場したユニコーンは、大会場ライブに燃えている様子。会場に集まった全員を引き連れて、アンコールまで一気に駆け抜けたのだった。

 とにかく、ステージが広い。幕張メッセの最深部、ホール1,2,3は横に幅が広く、そこに目いっぱいのステージが組まれている。それに合わせて、ホールツアーのセットが横に拡張されていて、まるで“ワイド・スクリーン”でテレビを見ているような気分になる。
 ライブはオープニングが肝心という鉄則に従って、5人は渾身のスタート・ダッシュ。息つく間もなしの、立て続けのアッパーチューンからライブが始まった。
 サウンドはまったく問題なし。広い会場に川西幸一のタイトなドラムが響き渡る。それとは対照的にEBIの高くてロカビリーな裏声がよく通る。ABEDONのベースも絶好調。奥田&手島のギターのコンビネーションもスリリングだ。最終盤を迎えて、演奏は完成の域に達している。
 ただし、バカでかいステージの端から端までを使うから、見ていてちょっと大変そうだ。それでも何とか(失礼!)先制パンチを決めたユニコーンは、いきなりメッセの広さを制覇したのだった。

 ステージに流れたある映像を見て、「俺たちもフケましたね。まじまじと思いましたよ。動きも太極拳みたいだし(笑)」と奥田が言えば、手島が「動きが速すぎて、遅く見えるっていう(笑)」とフォローする。
「フェスじゃないんだから、3曲でピーク過ぎてどうする。やりたいことは、もうすべて終了しました。こっからはフェスっぽく、リハをやってない感じでやります。今日はたくさん来てくれてありがとう。ほとんど隣のオモチャショーから来てる人たちですね」と奥田。そう、この日、隣の展示場では“次世代ワールドホビーフェア”が開催されていて、ゲームメーカーと親子連れが大集合していたのだった。
 それに合わせたわけではあるまいが、サービス映像がホールツアーからバージョンアップされている。ま、面白さとくだらなさがアップしてるわけだけど、いつも以上に場内をニヤニヤゲラゲラさせながら、ライブが進んでいく。

 ツアー序盤のさいたまでのレポートで、「グダグダはいつも通りなのに、段取りが多いから、意外にテキパキ見える」と書いたが、その後、ツアーが進むにつれてグダグダ感が増していた。だが、アリーナ・ツアーに移行して、テキパキ感が戻ってきた感じ。それ以上に、この幕張ライブは全力投球のニュアンスが濃い。広い会場での初日ということもあるのだろうが、EBIと奥田がステージの両端までを走ったり、5人はそれぞれにアクティヴなパフォーマンスを披露する。

 途中でABEDONのギター自慢が始まった。これまでに買いそろえた“フライングV”を、意味もなく全部見せびらかす。「俺、石油で当てて、金持ち」と言いながら、白・黄・黒・青・赤・ドクロなど、ABEDONギター・オールスターズ揃い踏みだ。ステージ中央でさんざん自慢したあげく、次の曲が始まる前に、「定位置に行くので、ちょっと待ってて」だって(笑)。

 この日、演奏がよかったのは、「鳥の特急便」だった。ユニコーンは再始動してから「頼みたいぜ」などの“横揺れグルーヴ”を獲得したが、一方で「オレンジジュース」のようなエッジーなブリティッシュ風味のロックも開発。「鳥の特急便」は後者のグルーヴを大きく進化させていて、今回のツアーでさらに鋭さが増したことを印象づけた。

 ライブ後半の盛り上がりは、現時点での集大成的な内容。川西以外の4人がステージ前で並んだり、走り回ったり。体力限界まで飛ばすユニコーンに、会場は大いに沸く。彼らの“やる気”は、最後まで続いたのだった。

 アンコールではカーリングのストーンを模した帽子を、全員がかぶって登場。ABEDONの出すクイズに答える。
「幕張メッセに似た名前のサッカー選手は誰でしょうか? マッチのモノマネで答えてください」。場内は大爆笑だ。
 曲が始まると、アリーナツアーのために新規発注されたニュー・グッズが大活躍。
 ダブル・アンコールでは、奥田が口を開く。
「ありがとうございまーす! どーなの、この横に長いステージは? 久々に解散前を思い出しました。あの頃は、今日の3倍ぐらいのスピードで走って、そのあと、打ち上げも行ってましたもん。(注:ここからは本田選手の記者会見風に)『今日ここでやらしてもらって、“考えが甘かった。世界に通用しなかった。4年後を目指して、エッグマンから修行していきたいと思います』…、あー、もう、ここは年末に40分だけやるのがいい(苦笑)。と言いながら明日もありますんで、明日に備えて早く帰ろうと思います」。
 最後の最後は、ABEDONの荘厳なオルガンが響いて、今回のツアー初登場の曲で締めくくる。メンバーがどんどんアイディアを出し合ってレコーディングしたアルバム『イーガジャケジョロ』が、ツアーを経ていよいよ完成されようとしている。ロックバンドの王道を貫くユニコーンの、今年のツアーが終わろうとしている。

 終演後、楽屋を訪ねると、ABEDONが「いやあ、広いわ。ステージの横幅は、東京ドームよりでかいんだって。もう二度とやらんぞ」と苦笑い。それでもその笑顔は、ツアー最終盤にふさわしい自信と誇りに満ちていた。
 もちろん、EMTGはファイナル大阪にも乗り込みまっす!

【取材・文:平山雄一】
【撮影:山本倫子】

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リリース情報

イーガジャケジョロ [セブン&アイ盤](CD+エクストラCD)

イーガジャケジョロ [セブン&アイ盤](CD+エクストラCD)

2014年03月26日

Ki/oon Music

[CD]
1. イーガジャケジョロ
2. 夢見た男
3. Boys & Girls
4. あなたが太陽
5. 早口カレー
6. We are All Right
7. KEEP ON ROCK’N ROLL
8. 俺のタクシー
9. ユトリDEATH
10. トキメキーノ
11. お前BABY
12. それだけのこと
13. 鳥の特急便
14. Feel So Moon

[セブン&アイ盤エクストラCD]
・「はいYES!」

リリース情報

イーガジャケジョロ

イーガジャケジョロ

2014年03月26日

Ki/oon Music

1. イーガジャケジョロ
2. 夢見た男
3. Boys & Girls
4. あなたが太陽
5. 早口カレー
6. We are All Right
7. KEEP ON ROCK’N ROLL
8. 俺のタクシー
9. ユトリDEATH
10. トキメキーノ
11. お前BABY
12. それだけのこと
13. 鳥の特急便
14. Feel So Moon

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お知らせ

■ライブ情報

ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN FES. 2014
2014/07/13(日)横浜アリーナ

rockin’on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014
2014/08/10(木)国営ひたち海浜公園

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO
2014/08/15(金)石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
2014/08/16(土)石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
※ユニコーン・ABEDON・電大・サンフジンズの出演

WILD BUNCH FEST. 2014
2014/08/24(日)山口きらら博記念公園

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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