ユニコーンEBI50祭 “海老乃大漁祭” 2015年10月2日パシフィコ横浜
UNICORN | 2015.10.13
川西幸一、手島いさむ、奥田民生に続いて、4人目となるEBIが50代に突入。それを祝してのユニコーンEBI50祭“海老乃大漁祭”パシフィコ横浜2Daysの初日だ。この日はEBIの誕生日当日。本人の和太鼓パフォーマンスでイベントが始まった。
ステージ左側に大きな和太鼓がセットされ、いなせなEBIがそれを打ち鳴らす。これがけっこう本格派。ドドン、ドドンと音が次第に大きくなっていき、乱れ打ちになったところで、力尽きたEBIが倒れ込む。するとスクリーンではEBIの映像が見栄を切る。「上げよう上げようと思ってみたが、上がりゃあしない あ~この右肩よ・・・気づけば私も 中学38年生!」と、カッコつけたセリフを言った後、紹介したのはトップバッターの私立恵比寿中学だった。
白いつなぎ姿のエビ中は、まるでこの日のために作られたかのような「大漁恵比寿節」でスタート。ハイエナジーなナンバーで突っ走る。百戦練磨のオーディエンスたちから、懸命なステージに大きな拍手が贈られた。
セットチェンジは、“海老乃大漁レポートin北海道”。北海道東部にある野付半島で、EBIが北海しま海老漁に挑戦するのを追ったドキュメントVTRが流される。小舟で海に出たEBIは、網に入ったエビを選別したり、市場でのセリを見学したり。ここでEBIの意外な弱点が発覚。なんとEBIは生きたエビに触れないのだ。こわごわ触っては、悲鳴を上げる。しかし、お刺身、天丼などさまざまなエビ料理を堪能して「俺もエビみたいに脱皮したい。50才ですよ」と名セリフを吐いたのだった。
続いては、ユニコーン唯一の40代メンバーとなったABEDONの率いるバンドのパフォーマンスだ。この夏はユニコーンに代わって夏フェスに登場して全力を振り絞っただけあって、今が旬のパフォーマンスとなった。
奥田民生、SPARKS GO GOの八熊慎一、斎藤有太、木内健のメンバーは、楽器を持ち替えながら息の合った演奏で盛り上げる。「WAKEUP! STANDUP!」の途中で八熊ドラムを叩きながら「ヨコハマ~!!」とアオると、会場が大声で応える。
「どうもで~す。エビ中に比べたら動きが遅い・・・というのは目の錯覚で、俺たちは速すぎて見えない」とABEDONがカマすと、オーディエンスは大笑い。しかし本当の大笑いはこの後に待っていた。
ABEDONが「伝説の名曲、いってみよー!」と言って、ABEDONとスパゴ―が合体したバンド“ABEX GO GO”の「TOY JUMP」が始まる。そこへEBIが登場。ABEDONはこの日の主役のEBIをイジり倒す。大爆笑が巻き起こる。が、しかし、イベントの進行がこのコーナーのお陰で大幅に遅れたのだった。しかし、しかし、みんな大喜び!
3番手は、EBIが参加している3ピースバンド“MADBEAVERS”。ギター&ボーカルのkiyoshi、ドラムのJOEは、ともに”hide with SpreadBeaver“のメンバーで、強力なカリスマ性を備えている。
「ほとんどの人が“初めまして”かな? Happy Birthday,EBI! 本邦初公開の新曲やります!」とkiyoshiが 言って、10月7日リリースのニューミニアルバムから「プラズマバーン」を演奏。このメンバーに入るとEBIはハンサムなロッカーとしての本領を発揮。本当にEBIはいろんな顔を持っている。JOEがスティックをくるくる回しながらドラムを叩くアップテンポの「DAZZLIN」がメチャかっこよかった。
さて、トリはユニコーン。ステージ中央には大きな船の舳先と、その左右に2隻の漁船のセットが置かれている。メンバーはド派手なパンク小僧のウィッグを着け、セックスピストルズの「アナーキー・イン・ザ・UK」をBGMに登場したから、会場は大騒ぎ。特に、この日が復帰となる川西の勇姿が見えた瞬間、大歓声が上がる。
ん? でもEBIはどこ? と思っていると、大船の舳先でピンクの着物を着たEBIがまたしても和太鼓を打ち鳴らす。そのまま今回の祭のテーマソング「TAIRYO」へ。演歌歌手が歌うパンクソングに、パシフィコは一気にお祝いムードに突入。「夢見た男」ではエビ中のメンバーも参加してフラフープの大競演だ。
「本日は“海老乃大漁祭”にようこそ。EBIは横浜出身ではないけど、僕が広島でやったのでこんなことになってます。さっきのEBIとABEDONの絡みで、時間が押しに押してます(笑)。・・・川西さんです! ちゃんと水を飲まなければいけないので、中断するかも(笑)」と奥田。ドラムセットの横にはウオーターサーバーが備え付けられていて、川西さんが飲んでみせる。お騒がせまで含めて楽しいユニコーンだ。
ハイライトは「フーガ」だった。EBIの“持ち歌”の久々の生演奏に、否が応にも盛り上がる。さらに「おかしな2人」はEBIの太鼓がリードする。「WAO!」では川西コールが起こって、本人が「無事戻ってまいりました。EBI50祭、楽しみましょう!」と挨拶する。
「50才、残るはあと1人。来年は今までの総集編をやるらしい」と奥田が言って、ラストの「すばらしい日々」を歌った。
アンコールはまたまたEBIが舳先で太鼓を叩くと、なんと船が前に向かって動き出す。アンプを倒して進む船に、奥田はマジでビビる。どこまでが演出なのかわからないが、とにかくオーディエンスは歓びまくり。
さらには「VARTIGO」の途中で演奏を止めて、バースデーケーキが運び込まれ、ローソク消しの儀式も。最後にEBI自身が「みんなに元気をもらいました。頑張るぞ~!ありがとう!!」と挨拶して締めくくった。
演歌歌手、パンクロッカー、ハンサムロッカー、和太鼓打ち、漁師と、何をやってもハッピーなEBI全開の1日だった。終わったときには、時計は10時半を回っていたが、楽しみ尽くした夜になった。
【取材・文:平山 雄一】
【撮影:山本倫子】
リリース情報
[DVD]ユニコーン MOVIE 29 奥田民生50祭“もみじまんごじゅう”
2015年09月30日
Ki/oon Music
ユニコーン 5/12ライブフルセット
1.ロック! クロック! オクロック!
2.大迷惑
3.WAO!
4.I’M A LOSER
5.ペケペケ
6.ユトリDEATH
7.私はオジさんになった
8.はいYES!
9.SAMURAI 5
10.Feel So Moon
11.人生は上々だ
12.すばらしい日々
特典映像5/11ライブセレクション
ロック! クロック! オクロック!
ロック幸せ
ペケペケ
私はオジさんになった
人生は上々だ
[DISC2]
奥田民生~バンドMTR&Y~
1.最強のこれから
2.御免ライダー
3.イナビカリ
4.スカイウォーカー
5. なんでもっと
6. 快楽ギター
7. イージュー★ライダー
8. 風は西から
地球三兄弟
1.傷だらけのローラ
2.呼びにきたよ
3.アースより愛を込めて
4.サマーヌード
5.絵
6. アースの休日
7. うかんでくる
8.すっごい汗
奥田民生~弾き語り~
1.ひとりカンタビレのテーマ
2.The STANDARD
3.荒野を行く
4.かいあって
5.マシマロ
6.イージュー★ライダー
サンフジンズ
1.富士夫人
2.さっさっサンフジンズ
3.ハリがないと
4.サーフジーンズ
5.パン屋さん
6.じょじょ
7.ふりまいて
8.サンフジンズのテーマ
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セットリスト
ユニコーン EBI50祭 “海老乃大漁祭”
2015.10.2@パシフィコ横浜国立大ホール
■私立恵比寿中学
- 大漁恵比寿節
- ザ・ティッシュ~とまらない青春~
- 金八DANCE MUSIC
- 永遠に中学生
■ABEDON
- WAKEUP! STANDUP!
- ことば
- SO SO GOOD
- ファンキーモンキーダンディー
- TOY JUMP
■MADBEAVERS
- GOING WONDER
- プラズマバーン
- SKYLINE
- DAZZLIN
- SMOKING KILLS
■ユニコーン
- TAIRYO
- 夢見た男
- はいYES!
- オッサンマーチ
- フーガ
- おかしな2人
- WAO!
- 大迷惑
- SAMURAI5
- Feel So Moon
- すばらしい日々
- VARTIGO