キュウソネコカミ、「DMCC」ツアーでネタ満載のパフォーマンス炸裂!!
キュウソネコカミ | 2014.08.12
「ウィーアーインディーズバンド」と声高に叫んでいたと思いきや、今年4月にメジャー進出を発表。悪ふざけ全開のトリッキーなスタンスや、超ド級にハイテンションなライヴで現在注目を集めている関西発の5ピースロックバンド・キュウソネコカミ。6月からスタートした全国ツアー「DMCC - REAL ONEMAN TOUR -~DOSA MAWARI CHU CHU~」は、全公演ソールドアウト。7月13日の恵比寿リキッドルーム公演も、開演前からオーディエンス達のとてつもない熱気が、会場全体に立ちこめていた。
スタッフからライヴの注意事項がアナウンスされた後(フロア下手側の壁にはヤマサキ セイヤ(Vo./Gt.)直筆の「楽しくても 思いやりとマナーを 忘れるな」と書かれた紙が貼られていた)、しばらくして暗転。幕の向こうからエゲツない爆音を放ち、姿を現すキュウソネコカミ。1曲目は「ウィーアーインディーズバンド!!」改め「ウィーワーインディーズバンド!!」、そこからメジャー進出作『チェンジ ザ ワールド』収録の「ビビった」と、バンドのこれまでとこれからをバシっと説明するようなハイテンションな2曲に、フロアは一瞬でグッチャグチャの熱狂状態へ。「分からんくてもテキトーにノレるような曲ばっかやっていこうやないかい!!!」というヤマサキの絶叫を交えながら、壮絶な勢いで突き進んで行く。
自然と身体が動く、というか暴れ回りたくなるサウンドで興奮を煽りに煽りまくっていくが、アイデア満載なライヴパフォーマンスも光りまくりのキュウソネコカミ。「就活就活」では、途中で「♪マイナビ バイトで探せ~」と、あのCM曲を熱唱。「DQNなりたい、40代で死にたい」では、「運べ!」とオーディエンスに自分の身体をリフトさせ、最終的にフロアの天井に吊られているミラーボールの真下まで移動。そこで恒例の「ヤンキーこわい」のコール&レスポンスの音頭をとっていた。また、和的フレーズを盛り込んだ「KMDT25」では、「従来のサークルは終わりだ!」と盆踊りのように何重もの輪を作るように指示。オーディエンス達が圧巻の光景を生み出していく。他にも「困った」では、観客から募集した「社会のしがらみ」を段ボール箱全面に書き込み、一個一個キレ倒しながら読み上げたあげく、それをフロアに投げ込んでダイブして潰してみたり……などなど、他にも書き上げて行くと、多分、余裕で2万字近くは行くと思う。それほど膨大な数のネタを盛り込みまくって、生き急ぐような激しい楽曲群をハイテンションでぶっ放し続けるんだから、ライブキッズから支持を得ないわけがない。
アンコールでは1曲目に誰かの曲をコピーするのがキュウソの恒例行事なのだが、この日は「俺達の友達で、ライバルで、ビクターのちょっと先輩」とKEYTALKの「MABOROSHI SUMMER」を披露。ベースのカワクボ タクロウがボーカルを取る場面も交えつつ、「お願いシェンロン」へ。タイトルからも分かる通り、「ドラゴンボール」がフィーチャーされたこの曲は、途中で「かめかめ波」や「元気玉」をオーディエンスと一緒に打つ(フリをする)のだが、途中で「♪ラン ランララ ランランラン」と「風の谷のナウシカ」に出てくるあの曲を歌い始めた。オーディエンスもつられて大合唱する中、突如フロアに現れたヤマサキは、なぜか「ワンピース」のルフィのコスプレ姿(後ろには「ドンッ!」と書かれたバックドロップも・笑)。そして「海賊王に俺はなる!」と連呼しながら、オーディエンスの上を筋斗雲に乗って移動。ダブルアンコールで登場した際には、ガムテープで胸に×の字を入れるという細かさを見せながら(笑・分からない方は「ルフィ 2年後 胸の傷」で検索を)、「こんな感じでロックバンドやってます! 最後はこの格好でやることで意味を増す曲で!」と、ラストは「キュウソネコカミ」。自身の信念を大音量でぶっ放し、全25曲、約2時間半を壮絶なテンションで締め括っていた。
ここまで書いてきてほとんどがネタ的な部分になってしまったのだが(苦笑)、プレイヤーとしても魅力的なキュウソネコカミのメンバー達。どれだけアッパーなサウンドをハイテンションで繰り出し続けても動じず、ず太いグルーヴでオーディエンスを踊らせまくるカワクボとソゴウ タイスケ(Dr.)のリズム隊。ドライヴ感全開で突っ込んでいたと思ったら、突如巧みなフレーズを盛り込んでくるオカザワ カズマのギター。歌でもMCでもヤマサキと絶妙なコンビネーションを見せつつ、中毒性満載のフレーズを飛び跳ねながら弾きまくるヨコタと、誰もが一癖ある面々。そして、それぞれの強靭なフィジカルやテクニックがあるからこそ、この狂騒を成立させられるのである。
また、「ファントムバイブレーション」では<スマホはもはや俺の臓器>とスマホに依存しまくっている現代人や、曲だけかけてモテやがってとチャラいDJにやっかむ「良いDJ」、外見ばかりを取り繕う女性に中身を輝かせろと諭しつつも、結局外見だけの女性に惹かれてしまうと叫ぶ「カワイイだけ」など、ヤマサキのシニカルかつ自虐的でやけくそな歌詞は、とてつもなくパンクだ。また、冷静な批評眼を発揮しながらも、それらを切り取るさじ加減も絶妙である。そして、前述の「社会のしがらみ」を読み上げているときに、「結局世の中コミュニケーション能力や! それが出来ねえボッチはひとりでフラストレーション爆発させろ!! 俺はそうやって生きてきた!!!」「一般人の俺らがな、Twitter公式マークつきのバンド、ボコボコにしたるわ!!! 一般人なめんな!!!!!」と、熱くならずにはいられない求心力抜群なMCにも、心を奪われまくった(ちなみに、東京のオーディエンスから届いた「しがらみ」は「クソみたいな男にヤリ捨てられた系の話」が多く、「しがらみ送ってくる前に貞操観念を見直せ!」と、更にブチきれていた・笑)。
限りなく一般人なロックスター、ゆとり世代のヒーロー、時代を巧みに切り取る批評性あふれるバンド……とにかくいろんな見方/切り取り方が出来るキュウソネコカミだが、そんな様々な角度から見ることが出来ることによって生まれる、「ついつい誰かに話したくなってしまう要素」が、彼らには溢れている。様々な解釈を生み出しながら、それらを不敵な笑みで操りつつ、強烈なエネルギーを放ちまくる彼らの存在は、近い内にロックシーンを飛び出し、もっと多くの人達に「なんかすげえバンドがいるなぁ」と知られることになるだろう。ここから始まるキュウソネコカミに、誰もが夢中にさせられてしまうことは間違いない。そう確信させられた夜だった。
【取材・文:山口哲生】
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リリース情報
セットリスト
DMCC - REAL ONEMAN TOUR -
~DOSA MAWARI CHU CHU~
2014.7.13@恵比寿リキッドルーム
- ウィーワーインディーズバンド!!
- ビビった
- ファントムヴァイブレーション
- テレキャスばっか
- What’s your name?
- スベテヨシゼンカナヤバジュモン
- FABYOOOOO!!!!!
- 就活就活
- 困った
- ネコ踊る
- キャベツ~新曲
- 御法度
- 空芯菜
- DQNなりたい、40代で死にたい
- カワイイだけ
- タラシくん
- シャチクズ
- サブカル女子
- 良いDJ
- KMDT25
- 何も無い休日
- カバー曲
- お願いシェンロン
- キュウソネコカミ
お知らせ
キュウソネコカミ 試練のTAIMANツアー
~地方巡業編~
全公演対バンゲストあり
2014/10/20(月) 八戸ROXX
2014/10/21(火) 秋田club SWINDLE
2014/10/25(土)梅田 CLUB QUATTRO
2014/10/26(日)梅田 CLUB QUATTRO
2014/10/30(木)札幌 cube garden
2014/10/31(金)旭川 CASINO DRIVE
2014/11/02(日) 白鴎大学 第一体育館<第41回白鴎祭>
2014/11/04(火)千葉 LOOK
2014/11/06(木)TSUTAYA O-EAST
2014/11/08(土)大分 T.O.P.S Bitts HALL
2014/11/09(日)福岡 BEAT STATION
2014/11/10(月熊本 Django
2014/11/12(水)松山 SALONKITTY
2014/11/14(金)広島 CLUB QUATTRO
2014/11/15(土)岡山 IMAGE
2014/11/17(月)名古屋 CLUB QUATTRO
2014/11/18(火)長野 CLUB JUNK BOX
2014/11/21(金) 福井響きのホール
2014/11/22(土) 金沢EIGHT HALL
2014/11/23(日)新潟 NEXS NIIGATA
2014/11/25(火)盛岡Club Change WAVE
2014/11/26(水)仙台 CLUB JUNK BOX
2014/11/28(金)甲府 KAZOO HALL
2014/11/29(土)静岡 UMBER
2014/12/04(木)和歌山 CLUB GATE
2014/12/05(金)神戸 SLOPE
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。