前へ

次へ

Hilcrhyme、5年間の集大成と、未来への第一歩を表現した初の日本武道館公演

Hilcrhyme | 2014.09.12

 今年、メジャー・デビュー5周年を迎えたHilcrhyme。彼らがデビュー当時から目標にしていた、日本武道館での単独コンサートがついに実現した。会場には、そんな彼らの“夢”を共有しようという想いのファンたちが大挙集まり、開演前から熱気に溢れている。

 そんな中、客席に張り出した花道にTOCが、そしてステージにDJ KATSUが登場し、「リサイタル」からコンサートは始まった。Hilcrhymeの2人だけで、メジャー・デビュー・アルバムの1曲目から始める、というのも、彼らのこのコンサートに対する想いの表われだろう。そして2曲目の「ルーズリーフ」からは、今や彼らのライブには欠かせない存在となった、CLOPとTHUG-HOMEYというふたつのダンス・チームによる“Hilcrhyme Crew”と、今回は特別に、ギター、ベース、ドラムという生バンドも加わり、会場のボルテージもさらにヒート・アップしていく。また彼らのライブは、ビジュアル面も大きな要素になっているが、今回も、ステージ後方に3面の大型スクリーンを設置し、さらにステージの様々なところに帯状のスクリーンが備え付けられており、そのすべてを駆使して、曲によって様々な映像を映し出し、またレーザー光線も効果的に使って、彼らの楽曲の世界観をより豊かなものにしていく。そして「パーソナルCOLOR」「ジグソーパズル」「蛍」と彼らのヒット曲が次々と披露されていったが、生のバンドによる演奏は迫力満点だし、曲によってはDJ KATSUもキーボードをプレイし、サウンドがさらに豊かに、生き生きとしたものになっている。さらにデビュー・シングルに収録されていた「ツボミ」と、そのフレーズを引用している新曲「FLOWER BLOOM」を続けて歌うなど、コンサートならではの演出も楽しい。

 THUG-HOMEYのダンス・パフォーマンスの後、「No.109」「押韻見聞録」が歌われたが、初の武道館であっても、こういったハードなナンバーを選曲に入れ、さらに「イバラの道」では、レコーディングにも参加していた彼らの仲間BOXERがゲストとして登場し、TOCとア・カペラでラップの掛け合いを聴かせるなど、ラップ・ユニットとしてのHilcrhymeのアイデンティティもしっかりと表現するというのも、彼らのこだわりだろう。その後は、メジャー・デビュー曲「純也と真菜実」を会場全体で合唱し、アコースティック・ギターのみをバックに歌われた「My Place」では、客席で振られている色とりどりのペンライトやサイリュームに感激したTOCが「客席の光があまりにもきれいなので、照明を落として、客席の光を照明にして歌いましょう」と言って、ステージの照明を切って、ファンの光と共に熱唱する、という場面もあった。さらに「Your Smile」では、この日のために、オーディションで選ばれた10人の一般ダンサーたちが登場して一緒にパフォームするなど、武道館公演ならではの企画も盛り込まれている。

 そしてCLOPのダンス・パフォーマンス、DJ KATSUがバンドとプレイしたソロ曲「SEA BREEZE」、TOCのソロ・パフォーマンス「BirthDay」と、さらにバラエティに富んだナンバーが披露されていく。「BirthDay」のエンディングでは、11月26日にTOCのソロ・アルバムがリリースされることも告知された。

 そこからの後半戦は、彼らのライブでの人気曲が次々と歌われ、「Summer Up」ではHIKAKIN、「射程圏内」ではSUN SQRITTというゲストも応援に駆けつけ、会場のボルテージも最高潮に達していく。途中、TOCが、“みんな知ってる? Hilcrhymeって、メッチャ、カッコいいんだよ。新潟からスタートして、インディーズの時代は、自分たちの力で、自分たちでリスクも背負ってやってきた。だからオレたちは、いつまでもインディペンデントだ。他の人の言葉ではぶれない。オレたちが根拠なんだ”と熱いMCを語ったものの、実はTOCが曲順を間違えて、違う曲の前フリだった、というハプニングもあったが、それも逆にライブをさらに盛り上げる結果となった(映像収録もしていたが、そのくだりも編集せずにDVDとして発表するとTOCが宣言していた)。そして「大丈夫」「no one」と、彼らの熱いメッセージが込められた楽曲が感動的に歌われ、コンサートのラストは、TOCの、産まれてきた子供に対する愛情をストレートに歌った新曲「鼓動」。このとてもパーソナルな、そして最新シングルのカップリング曲が最後に歌われたというのも、彼らにとってこのコンサートが、新たなる第一歩であり、新たなる誕生だという想いからだろう。

 そしてアンコールでは、事前にTwitterにアップしてもらったファンたちの写真が、次々とスクリーンに映し出されていった「MESSAGE BOX」、彼らのブレイクのきっかけとなった「春夏秋冬」、さらにヒット曲「エール」を、オープニングと同様に2人だけでパフォームし、初の日本武道館公演は幕を閉じた。

 アンコールも含めると、約3時間40分、全30曲という盛りだくさんの内容だったが、そんな時間も忘れさせてくれるほど、充実した、そして中身の濃いコンサートだった。“オレたちは、過去にはまったく興味がない。未来に向かいたい。これからも、皆さんの人生の中に、Hilcrhymeがありますように”とTOCも語っていたが、彼らの5年間の総決算であるとともに、Hilcrhymeが未来への第一歩を踏み出した、感動的な一夜だった。

【取材・文:熊谷美広】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル Hilcrhyme

リリース情報

FLOWER BLOOM(初回限定盤)[CD+DVD]

FLOWER BLOOM(初回限定盤)[CD+DVD]

2014年08月13日

ユニバーサル ミュージック

1.FLOWER BLOOM
2.Summer Up
3.鼓動

このアルバムを購入

セットリスト

Hilcrhyme in 日本武道館 ~Junction~
2014.9.6@日本武道館

  1. リサイタル
  2. ルーズリーフ
  3. パーシナルCOLOR
  4. ジグソーパズル
  5. ツボミ
  6. FLOWER BLOOM
  7. No.109
  8. 押韻見聞録
  9. イバラの道 feat. BOXER
  10. 純也と真菜実
  11. Changes
  12. My Place
  13. 友よ
  14. Your Smile
  15. SEA BREEZE -Insttrumental-(DJ KATSUソロ)
  16. BirthDay(TOCソロ)
  17. Lost Love Song
  18. Summer Up feat. HIKAKIN
  19. 射程圏内 feat. SUN SQRITT
  20. RIDERS HIGH
  21. NOISE
  22. トラヴェルマシン
  23. 大丈夫
  24. no one
  25. 鼓動
Encore
  1. MESSAGE BOX
  2. 春夏秋冬
  3. エール

お知らせ

■ライブ情報

Hilcrhyme TOUR 2015「イッタコトナイ。」
2015/01/12 (月・祝) 秋 田・秋田 Club SWINDLE
2015/01/17 (土) 千葉・柏PALOOZA
2015/01/18 (日) 山梨・NAO Studio KAZOO HALL
2015/01/20 (火) 茨城・mito LIGHT HOUSE
2015/01/23 (金) 群馬・高崎clubFLEEZ
2015/01/25 (日) 滋賀・滋賀U☆STONE
2015/01/27(火) 和歌山・和歌山CLUB GATE
2015/01/29 (木) 奈良・奈良NEVER LAND
2015/01/31 (土) 三重・Live Music M’AXA
2015/02/01 (日) 福井・響のホール
2015/03/03 (火) 徳島・club GRINDHOUSE
2015/03/04 (水) 愛媛・松山サロンキティ
2015/03/06 (金) 宮崎・LIVE HOUSE WEATHER KING
2015/03/07 (土) 鹿児島・CAPARVO HALL
2015/03/09 (月) 長崎・長崎DRUM Be-7
2015/03/11 (水) 佐賀・LIVE HOUSE GEILS
2015/03/13 (金) 鳥取・米子 AZTiC laughs
2015/03/15 (日) 島根・松江 AZTiC canova

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

※Hilcrhyme TOUR 2015「イッタコトナイ。」の最速チケット先行実施中。 詳しくはコチラ!!

トップに戻る