スガ シカオ、2014年を締めくくるワンマンライブツアーファイナル!
スガ シカオ | 2014.12.22
「独立して最初はやりづらかったけど、去年の半ごろからオッシャ!ってなってきた。もう大丈夫。来年には新しいアルバムにも着手します」
ライブの中盤でスガ シカオは清々しい表情でそう私たちに伝えてくれた。この夏には全国3ヵ所で「FUNK FIRE 2014」を開催したことも記憶に新しいなか、この半年間で2本目のツアーとなった今回の「Next Round Tour 2014」と題したツアー。全国6ヵ所を終えて、帰ってきたTOKYO DOME CITY HALLは、スガ シカオのファンク&ポップス両面を魅力を余すところなく堪能できる贅沢なファイナルだった。
カーテンが左右に開くとギターを持ったスガがひとりステージに立つ。打ち込みのトラックに歌とギターをのせたファンクナンバー「バクダン・ジュース」からライブはスタートした。続く、「Re:you」のラストでサポートメンバーが加わり、「19才」へ。今回のメンバーはバンマス坂本竜太(B)、岸田容男(Dr)、林田"pochi"裕一(Key)、田中義人(G)という夏ツアーの面々に大滝裕子(Cho)を加えた5人で構成。序盤から、ファンク、歌ものを縦横無尽に行き来するスガの楽曲にタフな演奏で応える。一気に6曲を終えて、「長いツアーのファイナルです。友達と別れていくように、ずっと練習してきた曲に“ありがとう、ありがとう”って気持ちで演奏します」と、スガ。特別な一夜が幕を開ける。
序盤のヒートアップした会場の雰囲気をガラリと変えたのは、「ぬれた靴」と「グッド・バイ」という、じっとりとした初期のナンバーだった。アコースティックギターを弾きながら歌うスガの掠れた声が、会場を独特のムードで包み込んでいく。そこから「LIFE」や「アストライド」というポジティブに広がる独立後のナンバーへ。ギターは弾かず、右手にマイク、左手にマイクスタンドを握り、そこに体重かけるように歌に専念するスガ。ひとりのシンガー・ソングライターの過去と現在がきれいに交差する流れだった。
「アイタイ」では曲をはじめる前にスガからスラム奏法というギターのテクニックについて説明があった。アコースティックギターのボディを叩きながら、弦を弾く。するとまるでバスドラのように低いズンッズンッというリズムが鳴るのだけど、実はそれは全てスガがひとりで演奏している、という種明かしだ。弾き語りにループマシンのコーラスを加えた「AFFAIR」も含めて、ひとりでも十二分に曲を伝える、スガの豊かな演奏力を感じる2曲だった。
「ここまでJ-POPの名曲の数々をお届けしてきましたが(笑)、ここからはファンクをみんなで楽しんでいこうじゃありませんかー!」という煽りから、終盤ブロックは怒涛の勢いで駆け抜ける。なかでも10月に配信されたばかりの最新曲「モノラルセカイ」は抒情的なメロディとファンク中毒者=スガ シカオのエッセンスが絶妙に混じり合う極上パーティチューン。これには客席もクラップで湧いた。ギター田中やベース坂本も一歩前に出てジャンプジャンプの「奇跡」や、スガがお立ち台から激しく言葉を投げかけた「したくてたまらない」など、スガはその飄々とした佇まいとは裏腹にがむしゃらな煽りで会場をひとつにしていく。ラストはステージ上の6人が渾身の濃厚ファンクセッションを繰り広げた「Thank you」のあと、今度はJ-POP部門の締めくくりとばかりに「午後のパレード」。客席まで明るく照らすライティングのなか、みんなで歌って踊る最高のエンディングだった。
アンコールは、コーラス大滝との美しいハーモニーを聴かせた「アシメントリー」を皮切りに、トランペット、トロンボーンとサックスからなる3人のホーン隊Fire Hornsを呼び込んで、「イジメテミタイ」で2014年ワンマンライブの締めくくりとして“大忘年会ファンク”へと突入。スガが自分のギターをお客さんの頭上に転がすと、ぐちゃぐちゃな音色が会場中に鳴り響いて、もはやお祭り騒ぎだ。立て続けに「コノユビトマレ」まで終えると、大きな歓声を受けて延長戦のWアンコール。「じゃあもういっちょいくかー!」と、ホーン隊を交えた「情熱と人生の間」で明るくポップな雰囲気で終わる……と思いきや、さらにスガがバンドメンバーに耳打ちをして、「俺たちファンクファイアー」を追加。やっぱり最後はファンクがなくちゃ、これがスガ シカオらしい終わり方だ。「みんな急にやったのにのよく覚えてる!」と、スガ自身も賞讃した最強のグルーヴで2014年最後のワンマンライブは幕を閉じた。
“次のラウンド”に進んだスガ シカオ。次に会う時もきっと最高にかっこいい新曲をたっぷりと聴けるアルバムツアーになるはずだ。
【取材・文:秦理絵】
【撮影:中河原 理英】
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Hitori sugar TOUR 2015
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2015/01/21(水) 北海道 札幌 PENNY LANE24
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2015/01/25(日) 石川 金沢 EIGHT HALL
2015/01/29(木) 岩手 盛岡 CLUB CHANGE WAVE
2015/01/31(土) 秋田 秋田 Club SWINDLE
2015/02/01(日)宮城 石巻 BLUE RESISTANCE(東北ライブハウス大作戦)
2015/02/11(水・祝)島根 松江 AZTIC CANOVA
2015/02/13(金)宮崎 宮崎 WEATHER KING
2015/02/15(日)大分 大分 DRUM Be-0
2015/02/22(日)岐阜 岐阜 club G
2015/02/23(月)大阪 umeda AKASO
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