渋谷公会堂が巨大なカラオケ部屋に大変身!!チームしゃちほこのライブをレポート
チームしゃちほこ | 2014.12.23
11月より始まった「チームしゃちほこ2014 僕らのカラオケワンダーランド」。そのファイナル公演が、12月14日に渋谷公会堂にて行われた。この日は、12月10日に発売された最新シングル『シャンプーハット』の発売週。前日には代々木公園野外ステージを舞台に、訪れた約3000人の観客たちを勢い良く吹き出す泡で泡まみれにした、バブルパーティを実施。6人はその勢いを継続する形で、この日のステージにも望んでいた。
今宵の冒頭を飾ったのが、チームしゃちほこにとっても初??の恋愛ソングとなった『シャンプーハット』。何時ものパワフルに弾けた曲調とは異なる、大人なムードを携えたメロウでセンチメンタルな楽曲という理由もあり、メンバーらも、ちょっと"おしゃま"な雰囲気で優しく歌いかけていた。その姿が、まずは嬉しい意外性として見えてきた。
一転、『colors』からは、楽曲を重ねるごとに熱狂導く流れを作り出した。序盤の見どころだったのが、『いいくらし』『首都移転計画』『愛の地球祭』3曲の終わりと始まりをメドレー風に繋ぎ合わせ、ノンストップで届けてきたこと。歌が進むにつれ、次第にダンサブルなビートが勢いを増し、最後には場内中をパーティムードへと導き、満員の観客たちを思いきりはしゃがせていた。ただ騒げる曲を並べるのではなく、心地好い流れを描きながら、訪れた人たちの気持ちへナチュラルに熱を注ぎ込んでゆく。さりげなく感情を高ぶらせてゆく演出に、このチームの冴えたセンスを感じさせられた。
サングラス姿の坂本遥奈が『サマラバ』に乗せ観客たちを煽れば、ピザコールが炸裂した『ピザです!』や、ホイッスルの音も華やかな祭ナンバー『ごぶれい!しゃちほこでらックス』を歌い踊る頃には、観客たちの騒ぎ発汗するパワーにより、着ていた上着を脱ぐほどの熱気が場内中に満ちていた。
この日は、中盤にアコースティック・コーナーを設置。ここでは、メンバーのボイスパーカッション入りで歌った『赤味噌Blood(Acoustic Vers.)』と、ピアノの演奏を背景にした『エンジョイ人生(Acoustic Vers.)』を披露。2曲とも、メンバーが歌をリレーしながら歌唱。6人の歌の力で楽曲を引っ張ってゆくこともあり、改めて個々の声質の魅力や、重なりあった6人の歌声の持つ包み込むような温かさへ、素直に心が引き込まれていた。それは、アンコールの『明け星』で美しいハーモニーを響かせたときも、同じ。チームしゃちほこと言えば明るく弾けた印象が強いが、個性的な楽曲に華やかさや惹きつけるインパクトを与えているのは、6人の色を持った歌声の持つ力や存在感であることを改めて実感させられた。
今回のツアーの目玉企画だったのが、その日に歌う楽曲を、メンバー一人一人がルーレットを回し6曲選び出し、当てた順番通りに歌うコーナー。この日並んだのが『IT’S NEW 世界』『乙女受験戦争』『トリプルセブン』『いただきっニッポン!?おみそれしましたなごやめし(ドレンクセット)』『そこそこプレミアム』『アイドンケア』と、まさに「騒がずにいれますか」な楽曲ばかり。もちろん、場内中の人たちがお祭騒ぎに興じていたのは言うまでもあるまい。
この日のツアー・タイトルは「僕らのカラオケワンダーランド」。2時間制??のライブも終盤を迎えていたことからか?、いきなり電話の音が…。安藤ゆずが受話器を取ると、「お時間10分前ですけど、いかが致しますか??」の声。この演出も見事だが、ゆずが、会話中に電話を一方的に切ったり、ふたたびかかってきた電話に対し、受話器越しに日本エレキテル連合風に「いいじゃないのぉ」「だめよぉ、だめだめ」と、電話の向こうの相手とやり取りしてゆく様など、冴えた遊び心にも一本取られた気分。
この日は、30分延長のもと、最後の『抱きしめてアンセム』まで、会場中一つになって大騒ぎ。ラストナンバーで、感動のあまり咲良菜緒が泣き崩れ、伊藤千由李がフォローする場面も。それくらいメンバー観客ともに、本気で熱狂を求めあったライブだった。きっとこの興奮は、1月3日に愛知県体育館で行われるワンマンライブ「チームしゃちほこ 鯱詣2015」へ引き継がれていくことだろう。
最後に、メンバーが届けたメッセージを簡潔な形ながら記しておこう。
「このツアーの初日と2日目は足を怪我しちゃって、車椅子でライブをやって。そして3回目からは歌って踊れて自由に動けたんですけど。今回は、心の底からすごく楽しいって思えたツアーでした。怪我したからこそ気付いたことや学べたこともあったので、それをプラスに考えてやれたなと思います」(坂本遥奈)
「ライブって、私たちとみなさんがどれだけ次のステップにいけるようなものを作れるかが大事だから、これからもみなさんと一緒にライブを通して盛り上がっていきましょう」(咲良菜緒)
「みんなもつらいことや悲しいことってあるじゃないですか。そういうのを持ってるのが生きてる証拠。これからも私たち、お客ささんを頼ってもいいですか??。これからも通じ合っていきましょう」(伊藤千由李)
「みんな楽しんだ自信はあるかー!!。今日一番楽しんだの、ゆずだから。これからも楽しいことが大事だから。これからも楽しいことのセンターを、みんなで取りあいながら楽しむから!」(安藤ゆず)
「柚姫、今回のツアーで一番口数が多かった気がするの。柚姫はよくトークで滑るじゃん。だから2015年もしゃべる柚姫を見てもらいたいので、滑りつつ頑張りたいと思います」(大黒柚姫)
「しゃちほこってメンバーが踊って、それをお客さんも一緒になって踊る。この習慣っていうか、文化っていうか、『抱きしめてアンセム』のキレッキレな振りとかさ、ここまでやってる人らって他にいないでしょ。その方向性いいと思います。これが、動画を通して全国に広がったらどう思いますか??見たいよね、これからも、元気で、盛り上がって、汗かいて帰れる現場を目指していきたいと思います」(秋本帆華)
【取材・文:長澤智典】
リリース情報
お知らせ
鯱詣2015
2015/01/03(土)愛知県体育館
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。