名古屋が生んだ6人組アイドル。幕張メッセイベントホールでの2DAYS公演「幕張HOLLYWOOD」を直前にひかえた、チームしゃちほこ のメンバーの中から秋本帆華、安藤ゆず、大黒柚姫の3名を迎えてスペシャルインタビューをお届け。

EMTG：最近のチームしゃちほこはグローバルな活動が目立ちますね。まず、先日行われた中国・大連でのライブはいかがでしたか？

大黒：楽しかったぁ~！日本に近い国だからアジアなイメージがあったんですけど、洋風な建物が多くてかわいかったです。

EMTG：現地のお客さんはどうでしたか？

安藤：温かかったですよ！目が合ったらニコッとしてくれたり、「イエイ！」ってやったら「イエイ！」って返してくれたり、言葉なしでも通じるものがあって楽しかったです。

秋本：回を重ねる毎に慣れてきて、最後には手拍子してくれる人もいたし、手を振ってくれる人もいたし。あとは小さい子がすごい喜んでくれて、それが嬉しかったです。

EMTG：日本のファンもたくさん来てくれたみたいですね。

大黒：ありがたいよねぇ！

秋本：ねぇ！はるばる来てくれて。

安藤：ハプニングがあって１日２回のうち１回ライブが出来なかったんですよ。だけど、「お客さんにありがとうの気持ちだけは伝えたいよね」っていう話になって。それで、会場からの帰りに、バスツアーで観に来てくれたファンの方が乗ってるバスの横を通り過ぎる時に、私たちが乗ってるバスの窓に一人ずつ「あ」「り」「が」「と」「う」「?」って６枚の紙を貼って感謝の気持ちを伝えたんですよ。そうしたらみんなすごい喜んでくれて…。あの時はよかった！声も届かないのに、バスの中でみんなで「ありがとう！」って叫んでたんですよ。

EMTG：それはいい話ですね。今回はアジアでしたけど、世界って広いですよね。

秋本：３月にBasement Jaxxさんのライブでコラボした時もすごいびっくりしました。

EMTG：バックヤードでもメンバーとすごい仲良さそうにしてましたよね。あれは、Basement Jaxxのメンバーの性格がっていうよりも、皆さんの空気感がそうさせたのかなって思ったんですけど。

全員：いやいやいやいや！

秋本：もう、あちらの方が優しすぎて！

大黒：しゃちほこは基本的に優しいオトナの人が好きなんですけど、すごい良い人達だったからそこに乗っかって意気投合しました。

安藤：英語を全然喋れないからノリだけでしたけどね。

EMTG：では、今回の新曲「天才バカボン」についてお聞きします。映画「天才バカヴォン」のオープニングテーマということですが、バカボンは皆さんご存知でしたか？

全員：知ってます！

安藤：知ってて当たり前ぐらい！

EMTG：じゃあ、この曲をカバーするって分かった時は…。

秋本：すごい喜びました！

大黒：「え！なんで！？」みたいな。

安藤：有名なアニメだから、「汚しちゃいけないぞ！」って。

EMTG：でも、実際に曲を聴いてみると、かなりしゃちほこらしい仕上がりで。

秋本：アレンジがいい感じで。

EMTG：これは褒め言葉ですけど、めちゃめちゃ狂ってるなと。

全員：あはは！

EMTG：歌ってみてどうでしたか？

大黒：これは「楽しんだもん勝ち！」って感じがしたので、レコーディングもいつもみたいに硬くならずに、気軽に歌えたので楽しかったです。

秋本：「ええか それでええのんか」とか、ガヤを録るのが楽しかったです！

安藤：私、わりとガヤプロなんですけど…。

大黒：何、ガヤプロって（笑）。

安藤：ガヤプロなんですよ！なので、スタッフさんからの要求がけっこう難しくて。大ざっぱに「じゃあ次、かわいい感じでー。もっといける…もっとぶりっ子…もっとぶりっ子！」って。

大黒：あはは！

安藤：歌い方も変わってて、コブシが回ってるところもあったり面白いと思います。初めて聴いた人は「ええ！？」ってなるはず。

EMTG：曲の作りはAメロ→サビ→Aメロ→サビというシンプルな形なのに、ツインギターとガバっぽい要素を押し出したアレンジの効果で徐々に壮大になっていくという、かなり面白いアプローチですよね。前回のシングル「シャンプーハット」が正統派アイドルソングだったので、通常営業に戻った感じがします。

安藤：やっとガヤがいっぱいある曲に戻ってきたっていうか、「ただいま！」って感じですね（笑）。

EMTG：こういうにぎやかな曲の方が落ち着きますか？

大黒：落ち着きますねぇ。

秋本：正統派な曲で勝負できるグループじゃないっていうか、“盛り上がる”っていう武器が必要。

EMTG：じゃあ、「シャンプーハット」みたいな曲だと…。

大黒：荷が重い（笑）。

秋本：「どうしよう…」って（笑）。

安藤：曲に負けないように頑張りました。

EMTG：なるほど（笑）。では、カップリングの「いけいけハリウッド」はいかがですか？

安藤：安定の騒ぎ曲。

秋本：これはたぶん、「幕張HOLLYWOOD」（5/9と5/10に開催される、チームしゃちほこ初のアリーナ公演）用の曲だよね。

安藤：でも、幕張についてまだ何にも言われてないです（笑）。

EMTG：歌詞に名作映画のセリフやタイトルをもじった言葉が散りばめられてますけど、分かります？

秋本：“アイなんちゃらバック”って最初に言ってるのはなに？

大黒：“I’ll be back”。レコーディングの最後に、ハリウッド映画だからって「ターミネーター２」と「E.T.」のセリフを急に言わされたんですよ。

EMTG：他にも、「ニュー・シネマ・パラダイス」とか「摩天楼はバラ色に」とか。

秋本：にゅーしねま…？

安藤：あと、「天使にラブソングを」。

秋本：え、そういう映画があるの？

安藤：教会のシスターが…。シスターって分かる？

大黒：シスターって兄弟？姉妹？

安藤：…もうダメですね。

EMTG：（笑）アレンジにも、アクション、ラブロマンス、カンフー、コメディー、いろんな映画音楽の要素が入ってて、これまたにぎやかな仕上がりですね。

安藤：テレレ~テレレ~みたいな！

秋本：サスペンス映画みたいな！

安藤：あそこすごく好きなんです。

EMTG：映画つながりでお聞きしますけど、みなさんは女優業に興味はないんですか？最近、先輩のももクロとエビ中が映画や舞台で活躍してますけど。

安藤：私は演技できないのでダメです！

EMTG：でも、今作のUSB盤にはラジオドラマが収録されるんですよね？

大黒：ひとりずつテーマがあって、それぞれの性格を物語にしてあるんですよ。例えば、ゆずだったらいちごの話だったり。

安藤：柚姫は「自分会議」っていって、何人もの自分が喋るんです。で、ほーちゃんは？

秋本：「クライマックス」。漫画の主人公みたいになって戦うっていう。

安藤：「バババーン！」とか言うんでしょ？

秋本：「ジャーン！ドーン！」

EMTG：え、効果音も自分で言うんですか？

秋本：そう。半分以上効果音です。

EMTG：安藤さんの「いちご」は？

安藤：「◯◯が◯◯だからいちごなのだ」みたいに哲学的な考えを述べるっていう、深すぎて自分でも分からないぐらい！

大黒：でも、めっちゃ入り込んでた。絶対おもしろいと思います！

EMTG：話はそれましたが、もうひとつのカップリング曲は「Twilight」ですね。これはオンライン対戦のアクションゲームのタイアップ曲だとは思えない、かわいらしいテクノポップです。

秋本：今までのしゃちほこにはない新しい感じで、個人的にはすごい好きです。

EMTG：少しずつ新しい色が増えていきますね。

大黒：できる曲の範囲が広がってきてます。けっこういい感じだよね。

安藤：この曲は若干きゃりーちゃんぽくて、こういうかわいらしい曲もやらせてもらえるようになったんだなぁって。

EMTG：そういうところで自分たちの成長を感じるわけですね。

全員：うーん…。

EMTG：あれ？

秋本：成長っていうか…。

安藤：自分たちでは分からないけど、そうやって新しいことをやらせてもらえるのは嬉しい。

EMTG：成長を自覚することはないんですか？

安藤：たまぁ~にあります（笑）。昔の曲を聴くと「おお~」って。

大黒：振り落としの時間も今は３時間なんですけど、前は一日かかってました。

秋本：一番最初は一週間だったよね！

安藤：一日で覚えられなくて、次の日になったら頭の中が空っぽになっちゃって、また覚え直したり。

大黒：でも、今は１時間半ぐらいで振り落としして、残りの１時間半で完璧にするっていうところまでできるようになりました。

EMTG：それはすごい！

安藤：一人ひとりの成長でもあると思うんですよ。前までは「レッスンでやればいいや」っていうところがあったんですけど、今は自分たちで危機感を持って自主的に行動できるようになりました。

EMTG：では最後に「幕張HOLLYWOOD」に向けて意気込みを聞かせてください。

大黒：ゴールデンウィークの続きみたいな感じで予定のひとつに入れてくれたらいいですね。

秋本：１日だけ来る人も２日間来る人もいると思うけど、２日とも違ったステージを見せたいです。「どっちも楽しかった！」って言われるようにしたいです。

安藤　会場が大きくなるに連れて、お客さんとの物理的な距離が出てくると思うんですよ。だけど、プロとしてしっかり奥の方まで届けられるようにしたいです！

【取材・文：阿刀 “DA” 大志】