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LUI FRONTiC 赤羽JAPANへの改名を発表した渋谷クアトロをレポート!

LUI FRONTiC 赤羽 JAPAN | 2015.01.31

 チケットがソールドアウトしなければ活動休止――そう告知されていたLUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN、渋谷クアトロワンマン。たった3ヵ月で見事チケットを完売させた会場には、今日は何かが起こりそう、という大きな期待が渦巻いていた。そして予想どおり、この日のアンコールでLF松は3月にユニバーサルJからメジャーデビューすること。さらにバンド名を“LUI FRONTiC 赤羽JAPAN”に改名することを発表。プールイ(Vo)は「もっと大きいバンドになる!」と力強く言い放ち、この日、LF松はインディーズ時代の総決算となる熱いライブを繰り広げた。

 インディーズ時代からの和笛と和太鼓のSEが鳴るなか、テンペスト竹中(G)と小原just begun(ジャスト ビガン/B)、さらにサポートの楠瀬タクヤ(Dr)が登場。パワフルでキレのある演奏とともに、プールイを出迎えた。ハンドマイクでアグレッシブに客席を煽る「サイ子」からライブはスタート。「Drizzle」では縦に構えたギターでタッピング奏法を見せるテンペストを下手に、上手ではビガンが腰を落として激しいプレイを見せる。「バイバイ」では、耳に両手をあてて歓声を受け止めるプールイの姿がキュートだ。

 ガツンとアッパーな楽曲を立て続けに披露したところで、へヴィな低音にガンガン頭を振りながらフロアを煽った「bells」のあと、間髪入れずに「PROBLEMS」と続けると、「tarite」に繋がるドラムのリズム打ちからメンバー紹介コーナーへ。プールイが、メンバーの名前にa.k.a.をつけて、「顔でドラムを叩く男!」(=タクヤ)「ギャグが天才的に面白い男!」(=ビガン)、「髪の毛がサイヤ人みたいな男!」(=テンペスト)といった具合に、笑いをとりながら紹介すると、3人はそれぞれ自慢のテクニックを披露。プールイ自身は「顔が肉まんみたいに丸い女の子!」と自己紹介をして、「肉まんでもかわいい!」とお客さんにイジられていた。

 ジュリアナ扇子を手にミニスカートっぽくアレンジした着物を羽織って、同じ衣装のダンサーと踊り歌った「浮世絵芸者に気をつけて!」では、ソレソレソレソレ~のお囃子が楽しい。続く「エビマヨ詐欺」では、赤い全身タイツにダンボールでエビを象った衣装を身に着けたスタッフもステージに現れて大爆笑だ。ちなみに「浮世絵~」はビガン作曲、「エビマヨ~」はテンペスト作曲だが、どちらも一度聴いたらクセになる中毒性抜群のナンバー。“エビ”の衣装がプールイ、小原just begun、マネージャーの手作りだというのはプールイが明かした裏話だ。

 このクアトロ単独が発表されたとき、同時にプールイは喉の手術を行なった。すでに手術は無事に終えて、イベントでも数多く歌っているので復活は疑いようもないが、2時間ぶっ通しのワンマンは大丈夫だろうか。それが杞憂だと確信したのがバラード曲「どうして」だった。少しハスキーな歌声が会場に隅々までよく通っている。失ったものへの想いをうっとりと歌い上げるプールイは完全に歌の世界に入り込んでいた。
 そういえば以前、EMTG MUSICのぽわん・ヨシヤマモエの連載でプールイが対談をしたとき、ヨシヤマは、プールイについて、「ステージに立ったとき、人を惹きつける力が半端ない」と言っていた。その意味がよくわかる。その佇まいや些細な仕草、一挙手一投足から目が離せないボーカリスト。プールイとは実に華のあるボーカリストだ。

 MCでは「いろいろあった2014年」を振り返ったプールイはオプティマス松隈の脱退について触れた。それが前向きな決断であり、クアトロの前に発表したのはケジメだった、と言う。そして、「松隈さんが7月に渋谷GARRETワンマンで“ここにいるみんなでプールイを武道館に連れて行きましょう”って言ってくれて。今度はわたしたちが松隈さんの曲を武道館に連れて行くぞー!」と叫ぶと、その松隈が手がけた最高にポップなナンバー「スターライト」へ。ウォーウォーとコール&レスポンスが響くなか、「松隈さーん!」と絶叫するプールイの姿が印象的だった。

 「今日はこんなにたくさんの人の前で歌えて本当に幸せです」と、もう何度も繰り返した「ありがとう」をさらに重ねるプールイ。その声は少し涙ぐんでいた。そして、「魂を込めて歌います。みんなの心に届きますように」と願いを込めた「瑠璃色の名前抱いて」へ。ラスト1曲に全ての力を注ぎ込む渾身の演奏だった。

 アンコールでは冒頭で書いたメジャー進出と改名の発表をスクリーン映像で行うと、LUI FRONTiC 赤羽JAPANとしての1曲目は「プールイ24」。♪赤羽 誰がつけたの?と突っ込むLFAJ ver.に歌詞を変えて盛り上げると、「名前がダサいのはわかってる!でもがんばって愛しましょうよ(笑)」と、プールイ。続けてメジャーデビュー曲「リプミー」を初披露した。テレビ東京系アニメ『マジンボーン』のために、テンペスト作曲・プールイ作詞で書き下ろしたキャッチーなナンバーだが、少し切なさも感じるメロディがプールイの声とよく合っていた。ライブの終わりに向けて、これ以上ないぐらい「ありがとう」を繰り返すプールイが、「ここにいるみんなで武道館に行くよね。約束だよ!」と言うと、ラストは「Dear」。サイリウムがカラフルに客席を彩るなか、ステージではテンペスト、ビガン、プールイの3人がギュッと寄り添って楽しげな表情を見せて、約2時間のライブは幕を閉じた。

【取材・文:秦理絵】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル LUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN LUI FRONTiC 赤羽 JAPAN

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リリース情報

リプミー(初回生産限定盤 B)[CD+DVD]

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2015年03月25日

ユニバーサル ミュージック

[CD]
1.リプミー
2.不安なんだよ

[DVD]
☆ライヴ映像収録
2015年1月11日に渋谷クラブクアトロで行われたインディーズラストライヴの模様を収録(※収録楽曲未定)

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リリース情報

JAPONiCA!!2

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2014年08月20日

TSUBASA RECORDS

1. サイ子
2. Dear
3. I’m with you~シーソーゲーム~
4. ASCENDING
5. Drizzle

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セットリスト

インディーズラストワンマンライブ
「ジャポニカ最終ライブ~この支配からの卒業~」
2015.1.11@渋谷CLUB QUATTRO

  1. サイ子
  2. Drizzle
  3. バイバイ

  4. bells
  5. PROBLEMS
  6. tarite
  7. 浮世絵芸者に気をつけて!
  8. エビマヨ詐欺

  9. どうして
  10. マイセルフ

  11. スターライト
  12. ASCENDING
  13. I’m with you ~シーソーゲーム~
  14. 瑠璃色の名前抱いて

  15. Encore
    1. プールイ24(LFAJ ver.)
    2. リプミー
    3. 感じたいよ ソバにいたいよ 新しい風と切り裂く光を

    4. Dear

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