でんぱ組.inc史上最大規模ワンマン!色の妖精たちを救出しにファンタジーの世界へ
でんぱ組.inc | 2015.02.27
でんぱ組.inc史上、最大規模の会場で行われた2 DAYSワンマンライブの1日目。コスプレをした女性、親子連れもたくさんいる客席内はとてもにぎやかであった。幅広い層のファンを獲得していることを、改めて強く実感させられる。そして、迎えた開演時間。スクリーンにオープニング映像が流れ、ステージ上に立った古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、最上もが、藤咲彩音を、待ちわびた人々の歓声と6色のサイリウムの光が出迎える。1曲目は「でんぱーりーナイトへようこそ」。おなじみのナンバー「Dear☆Stageへようこそ♡」の歌詞を、このライブのためにアレンジしたフレーズの数々が楽しい。6人はそれぞれ個性豊かな歌声を響かせ、目まぐるしくフォーメーションを変化させながら全力でダンス。ファンタジーの世界に引き込まれたような感覚になる幕開きであった。
「なんてったってシャングリラ」も披露した後、メンバーたちは自己紹介。そして、「早くぱーりー(パーティー)を始めようよ!」ということになったのだが、「どうやって始めるの?」と首を傾げる。すると、背景のスクリーン上にTVゲームのスタートボタン風のアイコンを発見した古川。彼女がこのボタンを押してみたところ、「でんぱーりーナイト」が始まった。しかし、盛り上がりかかったところで突然轟いた雷鳴。この世界の“色”を司る妖精たちが何者かの手によってさらわれてしまったことが、アニメーションによって告げられた。でんぱ組.incは、妖精たちを救うことができるのか? ……という設定の下、ここからは寸劇も挟みつつ、ミュージカル風に曲が届けられていった。冒険の旅へと踏み出し、挫折しながらも勇気を取り戻す様を表現した「ブランニューワールド」と「W.W.D II」。そして、ついに救出された妖精たち。観客が掲げたカラフルなサイリウムの光に祝福されながら歌われたのは、先程中断した「でんぱーりーナイト」。二手に分かれてゴンドラに乗りこんだメンバーたちは、歌いながらアリーナ席の真ん中にあるセンターステージへと向かった。
センターステージでまず披露されたのは「強い気持ち・強い愛」。温かいメロディが、観客の大合唱と手拍子を誘う。続いて、古川=赤、相沢=白、夢眠=緑、成瀬=黄色、最上=紫、藤咲=青、それぞれのテーマカラーのリボンを手にしたメンバーたち。どの曲が始まろうとしているのか、ファンは瞬時に理解する。スタートしたのはもちろん「でんでんぱっしょん」。スピード感あふれる展開、リズミカルに揺れるリボンの動きが、観客の興奮を果てしなくエスカレートさせていく。そして、「ダンス ダンス ダンス」を歌いながら再びゴンドラに乗り込んだ6人。メインステージに戻った彼女たちを出迎えたのは『でんでんバンド』。パワフルな生バンドの演奏を味方につけて届けられた「Future Diver」や「NEO JAPONISM」が猛烈にカッコよかった。メンバーたちのテンションも最高潮となったのだが……「キラキラチューン」の途中で1人だけマラカスを手にして、ノリノリで踊り始めた成瀬。ダンスのアンサンブルを乱すパフォーマンスに耐え切れなくなり、「すみません! ごめんなさい!」と、古川がバンドの演奏をストップした。「なんで楽器持ってるの?」(古川) 「みんなを楽しませなきゃ」(成瀬) 「フォーメーションが違うよね? 聞いてるの?」(古川)……言い争いの小芝居が始まり、観客は大喜び。しかし、最終的には「人もぱーりーもいろいろあっていいじゃない?」という結論に落ち着いて仲直り。「ちゃんとやりますので、よろしくお願いします!」とメンバーたちが頭を下げると、バンドの演奏が再開されたのであった。
高速BPMと爆音が観客のダンスと情熱的なコールを誘った「Sabotage」、「でんぱれーどJAPAN」。会場内に漂った熱気を甘酸っぱく塗り替えた「くちづけキボンヌ」の後、迎えたインターバル。「すごい幸せな気持ちなので終わるのがいやだ」(最上)。「みんなと離れたくない」(成瀬)。「帰りたくないよ~」(藤咲)。「でも、明日もあるし。もう終電なので」(夢眠)。「あと1曲やりませんか?」(古川)。「やろう~!」(相沢)……6人それぞれの言葉が観客を沸かせる。そして本編を締め括ったのは「サクラあっぱれーしょん」。サイリウムを一斉にピンク色に切り替えた観客。花びらのように降り注ぐ紙吹雪に包まれた彼女たちは、とても嬉しそうな表情を浮かべながら歌っていた。
アンコールを求める手拍子が響き渡った会場内。すると、でんぱ組.incのレギュラーTV番組『でんぱジャック - World Wide Akihabara -』に出演しているレックス・ジョーンズが登場した。「世界に届け~!」、彼の紹介によってまず披露された「バリ3共和国」。この曲の後、レックスは「なぜここにやって来たんだって? 会場のみんなに早めのバレンタインプレゼントを用意してきたんだよ。これだぜ~!」と、メンバーたちとバーチャルデートができるVTRも流してくれた。キメ顔がアップになる度、照れながら悲鳴をあげるメンバーたち。レックスが去った後、「あれは一体何だったんだ!?」「どっと疲れた~」と彼女たちはざわめいていた。
「檸檬色」を経て、MCタイム。6人は想いを語った。「こんなに大きな場所で聴いて頂いています。1人ではたいしたことができないけど、みんながいてくれるから素敵なぱーりーを開けました。これからもよろしく」(相沢)。「まだまだ苦手なこと、大変なこともあるけど、みんなのおかげで頑張れてます。みんなが幸せになれますように!」(成瀬)。「規模が大きくなったとしてもみんなのことを考えて笑ったり、泣いたり、すねたり、寂しくなったり……ずっと変わらないので支えてください」(最上)。「でんぱ組.incに入って初めて知ったこと、気づいたこと、感じたことがあって。自分の気持ちを声に出すようになって。人間に少し近づいたかな(笑)。みんなとの思い出は最高の宝もの。これからも“最高”を共有しましょう!」(藤咲)。「バックボーンに頼らなくてもみなさんに感動して、楽しんでもらえるように今日、挑みました。“気持ち、伝わってるかな?”と思いながら歌ってました。どうですか? 最後の最後まで目一杯に楽しみましょう!」(古川)。「武道館で“思い出を更新するぞ!”と言ったから、今日を一番にしたいと思って迎えました。わたしにとっても最高でした。みんな、またライブで会いましょう!」(夢眠)……そして、会場全体がオレンジ色のサイリウムで染まった中、「ORANGE RIUM」が届けられ、メンバーはステージから去っていった。
ダブルアンコールを求めて再び起こった手拍子。すると昨年の武道館公演の翌日に収録されたインタビュー映像が流れた。「ファンに助けてもらいました」「ファンに自分たちの夢を叶えてもらったライブ」「今度はでんぱ組.incがファンに夢を見せられるようなライブにしたいです」という想いが語られ、観客は大きな拍手で応える。そして、ステージに現れたメンバーたち。ラストを飾ったのは「ちゅるりちゅるりら」。ステージ上で迸った火柱、和的情緒を帯びたメロディ、6人の力強いパフォーマンス、観客の歓声が一体となり、華々しくエンディングへと雪崩れ込んでいった。
名残惜しそうに何度も手を振り、お辞儀をしたメンバーたち。観客の拍手がとても熱い。その響きを噛み締めながら笑顔を輝かせた6人の姿は、一回りたくましくなったように見えた。まだまだ見据えている課題はいろいろあるのだろうが、驚異的なスピードで成長を続けているのが、最近のでんぱ組.incだ。2月27日から全国ツアーがスタートするが、そこでもドラマチックな進化を遂げるのだろう。彼女たちからますます目が離せそうにない。
【取材・文:田中大】
リリース情報
セットリスト
でんぱーりーナイト de パーリー
2015.2.10@代々木第一体育館
- Dear☆Stageへようこそ♡
- なんてったってシャングリラ
- でんぱーりーナイト
- ブランニューワールド
- W.W.D II
- でんぱーりーナイト
- 強い気持ち強い愛
- でんでんぱっしょん
- ダンス ダンス ダンス
- Future Diver
- NEO JAPONISM
- キラキラチューン
- Sabotage
- でんぱれーどJAPAN
- くちづけキボンヌ
- サクラあっぱれーしょん
- バリ3共和国
- 檸檬色
- ORANGE RIUM
- ちゅるりちゅるりら
お知らせ
WWD 大冒険 TOUR 2015
~この世界はまだ知らないことばかり~
2015/02/27(金) 桑名市民会館
2015/02/28(土) 桑名市民会館
2015/03/07(土) 千葉県文化会館
2015/03/08(日) 秦野市文化会館
2015/03/21(土) 大阪・オリックス劇場
2015/03/26(木) 静岡市民文化会館 大ホール
2015/03/28(土) 金沢・本多の森ホール
2015/03/29(日) 新潟県民会館
2015/04/04(土) 宇都宮・栃木県総合文化センター
2015/04/05(日) 仙台・東京エレクトロンホール宮城
2015/04/09(木) 大宮ソニックシティ 大ホール
2015/04/11(土) 高松・アルファあなぶきホール 小ホール
2015/04/12(日) 広島・アステールプラザ 大ホール
2015/04/14(火) 神戸国際会館 こくさいホール
2015/04/19(日) 札幌市民ホール
2015/04/23(木) 江戸川区総合文化センター 大ホール
2015/04/25(土) たましんRISURUホール(立川市民会館)
2015/04/26(日) 川越市市民会館
2015/04/29(水) 福岡国際会議場
2015/05/04(月) 名古屋・日本特殊陶業市民会館
2015/05/06(水・祝) TOKYO DOME CITY HALL
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。