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Little Glee Monsterが初のツアー、東京ファイナルをレポート

Little Glee Monster | 2015.05.01

 昨年10月にシングル「放課後ハイファイブ」でメジャーデビューし、「リトグリ」の愛称で親しまれている現役中高生6人組ボーカルユニット、Little Glee Monsterが初のツアー「リトグリ1stライブツアー~東名阪でハイ、ピース!!~」のファイナル公演を4月19日、東京・TSUTAYA O-EASTで行った。今回のツアーは、昨年11月に東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEで開催された初めてのワンマンライブ「Let’s ハイファイブ!~楽しみたい人この指とまれ!!~」でアナウンスされていたもの。当日は、デビュー時から彼女たちを応援してこの日を楽しみにしていたガオラー(ファンの愛称)に、最近メキメキと注目度を上げている彼女たちを一目見ようというライブ初参加組も加わり、2階席までぎっしりの超満員。メンバーと同世代の中高生から、彼女たちの高いボーカルスキルに興味津々という中高年まで、幅広い年齢層の約1000人が駆けつけた。

 EDM風のBGMに乗せて、これまでのレッスン風景やプライベート映像を織り交ぜたオープニングVTRが流れたあと、6人が観客の手拍子に乗って登場。ステージに向かって左から、かれん、MAYU、芹奈、manaka、麻珠、アサヒの順に横一列に並び、全員が肩幅に足を開いてスッと立つと、フロアから大きな歓声が沸き上がる。ライブは、今年3月にリリースした最新両A面シングル「Girls be Free!」からスタート。ピンスポットを浴びた麻珠の独唱で幕を開け、そこに残る5人がアカペラでハーモニーを重ねると、その美しさに観客から感嘆の声があがる。そこにドラム、キーボード、ギター、ベースという編成のバンド演奏が加わり、以後は伸びやかなソロパートとソウルフルなコーラスパートを代わる代わる繰り出して魅了。次の「SAY!!!」では観客とコール&レスポンスを交わし、サビでは観客と一緒に拳を突き上げ、早くも場内に一体感が生まれていく。

 ギターカッティングがグルーヴィーなオリジナルソング「Brand New Me」を披露したあとは水分補給を兼ねたMCへ。トークは基本、芹奈とmanakaの掛け合いで進めていくスタイルだ。manakaが「みなさん盛り上がっていけますか! 本気で音楽楽しめますか!」と煽って6人で自己紹介しあとは、芹奈が「今日は全員で楽しみましょう。本当に奥まで見えてますからね、サボってたらダメ。お金の無駄ですよ」と笑わせ、manakaも「端も前も真ん中も盛り上がる準備できてますか! もっともっと声出せるようにみんなもたくさん水飲んでください!」と笑いの輪を広げる。

 その後は、ロカビリー調のオリジナル曲「NO!NO!!NO!!!」を披露し、彼女たちが得意とするカバーパートへ。まずは、かれん、芹奈、manaka、麻珠の4人でクリスティーナ・アギレラ、リル・キム、マイヤ、ピンクが歌ったラベルの「Lady Marmalade」をパワフル且つソウルフルにカバー。続いては、6人編成に戻って、さかいゆうのコラボアルバム『さかいゆうといっしょ』に収録されたリトグリ参加曲「薔薇とローズ」、そして彼女たちの十八番であるジャクソンファイブのカバー「I Want You Back」と続けていく。

 その「I Want You Back」の途中では、度を超して観客を盛り上げようとするアサヒとmanakaが芹奈に怒られることをキッカケに舞台上でメンバーの仲間割れ(というテーマの寸劇)が勃発。アサヒ・manaka・MAYUという年下チームと、芹奈・麻珠・かれんという年上チームに分かれ、「ウエスト・サイド物語」よろしく、歌での対決が始まる。そこでは年上チームを先攻に「紅蓮の弓矢」(Linked Horizon)、「fragile」(Every Little Thing)、そして「羽虫と自販機」(KANA-BOON)という、幅広いジャンルのカバーを短く歌唱。最後は再び6人で「I Want You Back」を歌って仲直りするのだが、カバー曲の歌詞の内容がケンカから仲直りまでのストーリーにも当てはまるという高度なミュージカル風演出で楽しませた。

 沸きに沸く観客に6人は「どうでした、寸劇は? ライブ中にケンカを始めたらどうなるんやろうってことでやってみたんですけど」と、寸劇の成功を無邪気に喜びながらMCへ。自分たちの演技を自画自賛してフロアの笑いを取りつつ、「面白いからシリーズ化したい」(芹奈)なんて発言も飛び出した。

 その後は、テレビ東京系アニメ「ポケットモンスター XY」のエンディングテーマに決定した新曲「ガオガオ・オールスター」を披露し、manakaの「ここからは私たちのハーモニーをたくさん聴いてください」というコメントからリトグリのハーモニー/コーラスに焦点を当てたパートへ。コンピ盤『私とドリカム2』に収録されているDREAMS COME TRUE「朝がまた来る」のカバーや、オリジナル曲の「So Long Good Bye」、さらには6人のオリジナリティあふれるアカペラコーラスでビートルズのクラシック「Yesterday」を歌唱。美しい響きで観客を酔わせ、場内がしっとりした空気につつまれていく。

 芹奈の「次はみなさんが声を出す番です!」という呼びかけからライブはラストスパート。デビュー前から歌っているライブ定番曲「HARMONY」を皮切りに、シングル収録曲「ダイヤモンド」「放課後ハイファイブ」「空は見ている」「青春フォトグラフ」の連続パフォーマンスで畳みかける。特に「空は見ている」や「青春フォトグラフ」では、ジョイフルな6人の歌声に観客が大きな歌声やアクション、手拍子でレスポンス。ライブのボルテージが最高潮に達した。

 アンコールでは、東京 EX THEATER ROPPONGI公演を含む全国13か所ツアー「Little Glee Monster LIVE TOUR 2015 ~リトグリ、秋のガオッとオールJAPAN!!~」を今秋に開催することと、新曲「ガオガオ・オールスター」を含むニューシングルを7月15日にリリースすることを発表。嬉しいニュースに湧くファンと喜びを分かち合ったあと、結成当初から歌ってきたという「SEASONS OF LOVE」を歌唱。爽やかで瑞々しくもどこか艶っぽさも感じさせる豊潤なコーラスワークで魅了する。

 その後のMCでは、東名阪ツアーが間もなく終わろうとしている今の思いをひとりずつ告白。最初は集客できるか不安だったこと、結果どこの会場もたくさんお客さんが集まってくれた喜び、自分たちの歌声でお客さんが笑顔になってくれている充実感、結成当初は数人だった観客が1000人にまで増えた達成感、そして自分たちを励まし支えてくれたガオラー(ファン)への愛と感謝などを語っていく。

 4番目に挨拶した麻珠は「最初は知らない者同士だからとても壁があったりとか、心が通じ合わなかったりとか、素直になれないときがあった。でも、そういう壁を歌う力で一緒になって乗り越えてきたことがすごくうれしいです」と、これまでの辛苦を振り返って思わず涙。最後に挨拶したmanakaも「性格も見た目も声も違う6人だけど、ひとつ共通してるのはみんな歌うことがすごく好きだということ。毎日どんな嫌なことがあっても、どれだけ悲しいことがあっても6人でずっと歌ってきた」と嗚咽。そして、「結成から2年かけて1000人埋めました。これから何年かかってもいいです。みなさんと一緒に私たちの歌を歌えるなら何年かかってもいいので、武道館でリトグリが歌えるように、みなさん付いてきてください!」と涙を拭いて武道館宣言すると、会場に感動の波が広がり、やがてそれは励ましと応援と期待の大きな拍手に変わった。

 そんな彼女たちがラストに歌ったのは「青春フォトグラフ」のバラードヴァージョン。歌い出しのmanakaが涙で声を震わせると隣に立つ麻珠と芹奈がやさしく肩を抱きながら、最後は6人の気持ちをひとつにして強い意思を感じさせる歌声を重ね合わせ、歌い終えた。ステージから降りる際、manakaは晴れやかな笑顔で「絶対この日を忘れないでください!」と挨拶。6人がガオラーと交わした、武道館で《最高の顔でピース》する約束。それが実現する日を願うガオラーの大きな喝采がフロアに渦巻いて、記憶に残るライブは幕を閉じた。

【取材・文:猪又 孝(DO THE MONKEY)】
【撮影:hajime kamiiisaka】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル Little Glee Monster

リリース情報

青春フォトグラフ/Girls be Free!(初回限定盤)[CD+DVD]

青春フォトグラフ/Girls be Free!(初回限定盤)[CD+DVD]

2015年03月04日

ソニー・ミュージックレコーズ

[CD]
1. 青春フォトグラフ
2. Girls be Free!
3. So Long Good Bye
4. SEASONS OF LOVE with K -Live ver.-
5. 青春フォトグラフ-instrumental-

[DVD]
1. 生歌!生音!生Live! ! Girls be Free! Special Music Video in 渋谷

セットリスト

リトグリ1stライブツアー~東名阪でハイ、ピース!!~
2015.4.19@東京 TSUTAYA O-EAST

  1. Girls be Free!
  2. SAY!!!
  3. Brand New Me
  4. NO!NO!NO!!!
  5. レディーマーマレード
  6. 薔薇とローズ
  7. I Want You Back
  8. 進撃の巨人
    ~ fragile?羽虫と自販機~I Want You Back(リプライズ)
  9. ガオガオ・オールスター
  10. 朝がまた来る
  11. So Long Good Bye
  12. Yesterday
  13. HARMONY
  14. ダイヤモンド
  15. 放課後ハイファイブ
  16. 空は見ている
  17. 青春フォトグラフ
Encore
  1. Seasons Of Love
  2. 青春フォトグラフ バラードver.

お知らせ

■ライブ情報

Little Glee Monster LIVE TOUR 2015 ~リトグリ、秋のガオッとオールJAPAN!!~
2015/09/05(土)福岡 DRUM LOGOS
2015/09/06(日)岡山 岡山未来ホール
2015/09/12(土)静岡 サウンドシャワーアーク
2015/09/19(土)愛媛 W studio RED
2015/09/21(月)愛知 ダイヤモンドホール
2015/09/22(火)大阪 森之宮ピロティホール
2015/09/26(土)神奈川 club Lizard
2015/10/03(土)埼玉 HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
2015/10/12(月)千葉 千葉LOOK
2015/10/17(土)山梨 甲府GAZ
2015/10/24(土)宮城 darwin
2015/10/25(日)福島 郡山CLUB#9
2015/11/29(日)東京  EX THEATER ROPPONGI

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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