4月30日にZepp Tokyoで初日を迎えたMAN WITH A MISSIONのライブハウスツアー"Seven Deadly Sins TOUR 2015~七つの対バン~"は、各公演ごとにメンバーが尊敬するバンドがゲストとして招かれ、スペシャルな対バン方式でのライブとなった。全公演が即日完売と、相変わらずチケット入手のハードルが高い彼らだが、さらに豪華ゲストバンドが参戦ということで、プレミアム度が倍増。さっそく初日のライブに足を運んだ。

　最初に登場したBOOM BOOM SATELLITESは、さっそく強力なビートでオーディエンスを踊らせる。しかも、途中でMAN WITH A MISSIONからTOKYO TANAKAとJean-Ken Johnnyが招かれ、最新シングル「Seven Deadly Sins」に収録された「evils fall [remix]」（remixed by BOOM BOOM SATELLITES）」をステージ上で再現。この思わぬプレゼントで、観客のテンションは急上昇。対バンツアーらしいハプニングを楽しんだ。

　さて、このあとはいよいよMAN WITH A MISSIONの出番となる。待ち構えている3000人のファンの思いが、メンバーの登場で一気に爆発。5月30日公開に公開される映画『新宿スワン』の主題歌に決定した新曲の「Dive」はもちろん、ライブのマストチューンが惜しげもなく披露されていく。しかも2015年は、バンドにとっても5周年というアニバーサリーイヤー。Jean-Ken Johnnyも、「我々、2015年5月デ5周年デゴザイマス！　コレモ皆様ノオカゲデス！　ホントにアリガトウゴザイマス！」と感謝のコメント。加えて「モット高ミニ行キタイト思イマス！」と、さらなる進化を宣言した。

　中盤では、MAN WITH A MISSIONのライブにおける名物コーナー、メンバー出演の映像が上映される。毎度のことだが、今回も大爆笑。そして、この映像にはまさかのゲストが……と、隅々まで遊び心がある彼らのエンタメ魂は、プレイ以外でもぬかりない。

　後半戦では、オーディエンスが狂喜するような人気曲が続き、Zepp Tokyoのフロアでは、タオルが振り回されたり、DJ Santa Monicaが観客の中にダイブするなど、フェスのような盛り上がりだ。ラストでボーカルのTokyo Tanakaが満足げにマフラータオルを掲げると、集まったオーディエンスも色とりどりのタオルを掲げて反応。熱い一体感の中で本編が締めくくられた。

　ほどなくアンコールを促す“焼肉コール”が起こったが、この日はメンバーが登場する前にステージ上のビジョンに新たな展開が告知される。それは、今年6月にアメリカのメロコアシーンの重鎮、RISE AGAINSTと共に、MAN WITH A MISSIONが2年ぶりのヨーロッパツアーを行うというもの。さらに、10月16日には、Zebraheadをゲストに迎え、さいたまスーパーアリーナ公演が決定したというアナウンスがなされ、オオカミ対シマウマの競演に、オーディエンスからは歓声が上がった。

　さて、重大発表で驚かせたあとは、もうひと盛り上がり。ベースの長身オオカミ、Kamikaze Boyの煽りにも気合いが入る。大ラスの曲では、メンバーと観客の熱さが激突するような空間となり、初日とは思えないパワーが感じられた。演奏終了後もメンバーには大声援が飛び、ツアー一発目の手応えは、かなりのものだったと確信。最後の最後は小柄なオオカミのドラマー、Spear Ribがセンターに歩み寄り、恒例の“1、2、3……ダーッ！”（もちろん彼は声を発しないが）で、3000人の思いをまとめあげた。やはり彼らのライブは文句なく楽しい！　この爽快感が多くのリピーターを生んでいくのだと思う。対バンという刺激を味わいながら、この先、彼らがどんなパワーを吸収していくのか……。ますます目が離せない。

【取材・文：海江敦士】