あゆみくりかまきのメンバーがリスペクトするアーティストを招いて行われるイベント「あゆみくりかまき presents 尊敬という名のGIG Vol. 4」が12月8日（火）、渋谷 clubasiaで開催された。これまでにFRUITPOCHETTE、DJダイノジ、Charisma.comという多彩なアーティストが参加してきた同イベントだが、今回のゲストはSuck a Stew Dry。ロックバンドとアイドルが気持ちよくぶつかり合う、熱気あふれるステージが展開された。

　イベントはあゆみくりかまきのDJ TIMEからスタート。WANIMAの「TRACE」、キュウソネコカミの「MEGA SHAKE IT !」、LiSAの「Rising Hope」などをつなぎながら、約30分ノンストップでブチ上がりまくる。振付、煽り方のバリエーションも多彩になり、3頭のパフォーマンスはさらに進化していた。いつも感じるのだが「絶対に盛り上げてみせる」という彼女たちの気合いは本当にすごい。

　続いてはSuck a Stew Dry。ドラマティックなメロディとシリアスな歌詞の世界、3本のギターと骨太のリズム・セクションが絡み合うアンサンブルがこのバンドの魅力だが、おそらく彼らのライブを初めて観るであろうマタギたち（←あゆみくりかまきのファンのことです、念のため）は1曲目から腕を振り上げ、ガッツリ盛り上がる。もっとも強いインパクトを放っていたのは、あゆみくりかまきのDJ TIMEの定番曲でもある「ウェイクミーアップ」。エモーショナルなサウンドと「だけど自分を生きていけるのは／きっとまぎれもなく自分だけだ」というラインが響き渡り、フロアのテンションは一気に最高潮へ向かった。

　最後はもちろん、あゆみくりかまきのライブ。「いけるところまでいくぞ！」（まき）というシャウトからラウドロックチューン「ナキムシヒーロー」が炸裂。ヘビィなサウンドと前向きなリリックを全身全霊で表現する3頭、そして「オイ！オイ！オイ！」と叫びながら拳を突き上げるマタギがぶつかり合い、凄まじい熱気が立ち上がる。さらに11月28日(土)公開映画『劇場版 びったれ!!!』の主題歌に抜擢された「森森森」、ダンサブルなロックナンバー「ジェットクマスター」、メロコア系のサウンドに乗ってマタギがタオルを回しまくったメジャーデビューシングル「鮭鮭鮭」を続けて披露。3頭のステージングもさらに激しさを増していき（本当に一瞬も止まっていない）、歌詞のなかに込められたメッセージもしっかりと伝わってくる。身体と心を激しく揺さぶるパフォーマンスこそがこのグループの魅力なのだと、改めて実感することができた。

「みなさん、楽しんでますか！　今日は尊敬するSuck a Stew Dryさんとの２マンです！」（まき）
「この間のワンマンでもSuckさんの『ウェイクミーアップ』をかけさせてもらったり、本当に今日はめっちゃ楽しみにしてたんですよ！」（くりか）
「DJプレイで『ウェイクミーアップ』を歌いたいと思ったんですよね。2マンできたことを嬉しく思います！」（あゆみ）

　というリスペクトに満ちたMC、そして「ステージだったら何かを伝えられると3頭とも信じています。今日しか出来ないライブを全国のマタギに伝えたくて、USTREAM配信をやってもらってます。もっともっと熱くならんとあかんで！」（まき）というコメントのあとは、メジャー2ndシングル「蜜蜜蜜」。ポップなメロディと「誰よりもキミが好きでたまらない」という歌詞がひとつになったこの曲は、あゆみくりかまきのキュートな表情を伝える曲としてすっかり定着したようだ。続いては彼女たちの楽曲のなかでも最も激しいナンバーのひとつ「KILLLA TUNE」。このギャップもまた、3頭の魅力だろう。

　そしてライブは早くもクライマックスへ突入。「アンコールはないです！　ラスト2曲、盛り上がっていけますか？」（まき）というコールから最新シングル「心友フォーエヴァー」へ。曲が始まって10数秒でくりかがDJブースに移動、トラックをストップするとまきが「みんなの全力をぶつけてほしいんですよ！　もっと飛べるよな！」と煽り、マタギの興奮をさらに引き出す。ラストは彼女たちのテーマソングとも言える「自分革命」。「自分らしさを手放したくない／行けるとこまでこのままで」という強い決意を改めて示し、イベントはエンディングを迎えた。

　2016年1月後半に東名阪のワンマンツアー、3月7日（月）には「尊敬という名のGIG Vol.5」を渋谷TSUTAYA O-WESTで開催。さらに来春には待望の１stアルバムのリリースが決定するなど、活動のスケールを確実に上げているあゆみくりかまき。2016年は彼女たちにとって、まさに勝負の年になりそうだ。

【取材・文：森朋之】