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シクラメン、ゼロを経て1からまた一緒に歩もう。始まりの場所からリスタート!

シクラメン | 2016.02.15

 この日、シクラメンは自身が初めてワンマンライヴを行った大田区民ホール・アプリコ 小ホールのステージに、実に7年ぶりに立った。それは、更に大きくなっていく為にも、今一度立ち戻らなくてはならない場所であった。色々なことがあった2015年を経て、再び気づいた大切な気持ちをキチンと歌として伝え、まずはこの地で発表したかった。そんな気持ちが溢れ出た、まさに凱旋であり、リスタートと呼べるライヴでもあった。

 「シクライブ0(ゼロ)」と題された、シクラメンのワンマンライヴが彼らの地元、東京・大田区蒲田にあるアプリコ 小ホールにて行われた。この会場は7年前に彼らが初めてワンマンを行った場所。「~僕たちは、2009年2月アプリコから始まった。~」との副題からも察せられるとおり、その後、重ねるライヴと共にファンを増やし続け、多くの人との絆を深め合ってきた、その快進撃の始まりの場所とも言える大切な会場だ。

 この日のオープニングナンバーは、もちろん「kamataッ子」。1曲目からノリと一体感が会場を一つにしていく。地元レペゼンソングな同曲をまさか実際に彼らの地元で聴けるとは。そこはかとない嬉しさが身体を包む。

 「帰ってきたぞ~! 蒲田~!!」DEppaが曲終わりで会場に向かって叫ぶ。続いて入った「はな」では、会場の大合唱がステージの3人と共に一緒に楽曲を作り上げていく。”今は小さい種だけど、いつか大輪の花を咲かせるから…”。何年か前の彼らはまさにこの曲のような想いを胸に、同曲を歌っていたにちがいない。まさにこの日は、あの時に蒔いた種が立派な大輪の花を咲かせ、咲き誇っている光景が広がっていた。

 続いては軽快でポップな「毎日頑張る貴方へ」。同曲には毎度、一日の疲れが癒される。”明日もまた頑張ろう!!”そんな気持ちが身体中に漲ってくる。  前半は突っ走りナンバーを連発した彼ら。歌い終え、ちょっと息も荒いDEppaが、「あの頃より体力は落ちているかもしれない」と苦笑いをしながら話す。

 「出会い、繋がり、支えがあったからこそ僕たちは、ここまで来れた。そして、その感謝の気持ちを今日は歌に乗せて返します」との言葉のあと入った「ありがとう」では、周りの人への愛と感謝の気持ちが、優しい伝え方と柔らかい歌声と共に会場いっぱいに広がっていく。また、7年前もこの会場で歌われた楽曲「Celebration」は、友人のウェディング祝福用に、彼らが初めて作ったのだという。彼らとここまで一緒に歩んできたファンとの、これまで、そしてこれからに夢を馳せた瞬間だった。

 中盤では、ステージに彼らの年表が書かれたホワイトボードが登場。現在までのエポックな出来事が挙げられ、3人が振り返る。個人的に笑ったのは、初めて仙台に遠征に行った際に勃発した「牛タン事件」。いわゆる、仙台名物「牛タン」を食べたい肉だんごと、仙台ならではのラーメンを食べたい桃紅茶の食べ物を巡る言い争いのことで、あの温和な肉だんごが本気で桃紅茶に激怒したと言う。”よっぽど食べたかったんだろうな、牛タン...”、思い返しても微笑ましくなる。

 後半に向かって、ノリのいい曲たちが会場を熱くさせていく。サンバ調の「らいふ☆カーニバル」では、周りの人と手を繋いだり、ジャンプしたりと、オールスタンディングのライヴハウスと変わらぬ一体感を見せ、ソカのビートに乗せた自己紹介ソング「ブンブン」では、会場中のタオルが大旋回した。そして、季節を夏にグイッと引き戻すかのような「ホイホイホイ~それでも地球は回ってる~」では、第4のメンバーでトラックメイカーの電球も飛び入り。フロアを走り回る。

 後半では大団円ソング「MUSIC」も登場。歌われるところの愛、平和、音楽が成す最上級の幸せに会場中が温かい気持ちになっていく。

 ライヴのラストは、3月4日に配信にてリリースされる新曲「こころ」が、まさに真心を込めて歌われた。「みんなへ伝えたい思いがあり、一曲捧げたくて、この曲を作りました。生きていく中で色々とツライことがあるだろうけど、この曲はきっとみなさんの力になってくれるし、シクラメンを好きで良かったと思ってもらえる曲です」と、DEppaによるイントロデュースから歌に入った。2015年末にメンバーが個々で活動をする中で感じられたお互いの絆と大切さ、かけがえのなさ、それが心から溢れるような言葉で綴られ、会場いっぱいに満ちていく。♪歩いていくよ ずっと 大切な人と♪のフレーズはもちろん、これまで支えてくれて、これからも一緒に歩んでいくであろうファンとメンバーたちのことだ。ある種の決意表明のようにも響いた同曲。それをあえて、今日この場所で歌うことの意義や必然性に目頭が熱くなった。

 ゼロを経て1から始める。そして、また一緒に歩もう。そんな温かい、熱い気持ちに溢れたライヴであった。会場を出、再び激寒にさらされても、しばらくは温かい気持ちでい続けられたのは、きっと彼らの真心と情熱に、気持ちが感化されたからに他ならない。

【取材・文:池田スカオ和宏】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル シクラメン

リリース情報

こころ(配信限定)

こころ(配信限定)

2016年03月04日

トイズファクトリー

1. こころ

セットリスト

シクライブ0(ゼロ) ~僕たちは、2009年2月アプリコから始まった。~
2016.2.4@大田区民ホール・アプリコ 小ホール

  1. kamataッ子
  2. はな
  3. 毎日頑張る貴方へ
  4. ありがとう
  5. Celebration
  6. らいふ☆カーニバル
  7. ブンブン
  8. ホイホイホイ~それでも地球は回ってる~
  9. MUSIC
  10. こころ

お知らせ

■ライブ情報

シクラツアー2016春~こころのカタチ~
2016/03/11(金) yokohama 7th AVENUE
2016/03/18(金)仙台 darwin
2016/03/21(月・祝)大阪アメリカ村 BIGCAT
2016/03/23(水)福岡 DRUM Be-1
2016/03/25(金)名古屋 Electric Lady Land
2016/03/27(日)代官山 UNIT

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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