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OKAMOTO’S、アルバム『OPERA』引っ提げた全国ツアー、最終日をレポート。

OKAMOTO’S | 2016.02.15

 バンドが自らの手で未来を切り拓いていく瞬間を目撃した気がした。とてつもなく楽しいライヴであると同時に、バンドのすさまじいエネルギーと音楽に対する情熱とを強く体感した夜でもあった。昨年11月からスタートしたツアー、『OKAMOTO’S TOUR 2015-2016“LIVE WITH YOU”』22公演のファイナルとなる1月30日のZepp DiverCity TOKYO。最新アルバム『OPERA』リリースを受けてのツアーなのだが、この新作、アルバム1枚を通して、大きなストーリーが展開される“ロックオペラ”になっていた。つまりコンセプチュアルで実験的で画期的な傑作だった。もちろん1曲1曲で楽しむこともできるが、1枚トータルで聴くことで、より深くその世界観を堪能できる作品となっていた。そのアルバム収録曲をライヴでどう展開していくのか。見どころ満載のステージだ。

 新作『OPERA』と同様に、「OVERTURE」のSEで始まり、「Dance With You」へと繋がっていくオープニング。オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)という4人の奏でる音が一体となった瞬間に、強力なOKAMOTO’Sのバンドサウンドが立ち上がっていく。躍動感あふれるグルーヴに観客が飛び跳ねて、会場内が縦に揺れている。バンドがさらに多彩かつ強靱なグルーヴを手にしたことが見えてくるような光景だ。客席のハンドクラップが加わっての「アップサイドダウン」では“ワタシこの曲好き”のフレーズが“ワタシZepp DiverCityが好き”へと変更されていて、『OPERA』の世界観が展開される舞台とDiverCityとがシンクロしていく。マディなブルースのフィーリングとソリッドなミクスチャーのビートとを兼ね備えたような「NOISE 90」ではショウのハープも含めて、4人の表情豊かなプレイを堪能した。ここまで新作と同じ構成。バンドの最新のグルーヴが気持ちいい。

 「TOMMY?」ではアルバム音源で車掌役だったノザキ君(メンバーの友人である野崎浩貴氏)が登場して、生で車掌の声を務めるサプライズがあり、大歓声を浴びていた。ダイナミックかつドラマティックに展開していくこの曲を4人の緩急自在の演奏で見事に表現していく。

 「俺と一緒に踊ってってくれないか?」というショウの言葉で始まったファンキーな「Beek」の間奏から「うまくやれ」へと繋いでいく流れも鮮やかだった。この曲のコール&レスポンスでの見事な観客の反応に対して、「さすがツアー・ファイナル!」とショウ。コウキが初のフルコーラスをとった「ハーフムーン」ではせつなさの漂う繊細な歌声と浮遊感と叙情味を備えた演奏との相性もいい感じだった。中盤では「まじないの唄」「SEXY BODY」「Let’s Go! Hurry Up!」など、新作以外の曲もいくつか交えつつ。会場内が踊りまくって、熱狂していく。

 本編の後半は『OPERA』からのナンバーが続く展開。お馴染みの曲を交えつつも、アルバムのストーリーも浮き彫りになっていく構成が見事だ。「歌え?!」というショウの声で始まったのは「Knock Knock Knock」。レイジが“Knock Knock Knock”と書かれたプラカードとハンドマイクを持って客をアジテートする場面もあった。とてつもないテンションをそのまま音へと変換していくような演奏がすさまじかったのは「L.O.S.E.R」だ。気迫あふれるボーカル、空気を切り裂くようなギター、タフにうねるベース、強靱なリズムを奏でるドラム。ネガティヴな感情をポジティヴな感情へとひっくり返していくような演奏が圧巻だった。本編ラストの前にはショウからこんなMC。

「1曲目にやった曲は俺たちがみんなと踊るために書いた『Dance With You』という曲でした。そして最後にやる曲は俺たちが踊り続けるために書いた曲です」
 そんなショウの言葉で始まった「Dance With Me」では混沌とした世界を突破していくような威力を備えた白熱の演奏にしびれた。自分達の信じる道を突き進んでいくというバンドの決意表明、宣言のようにも響いてきた。アンコールではコウキが一人で全ての楽器演奏に加え、ボーカルやコーラス、ミックスまで担当した楽曲「ヤバコウキ」も披露された。たったひとりでのステージで。文字どおり、ヤバいコウキ全開。さらに「JOY JOY JOY」へ。さらに「みなさんの日々がこれから美しく続きますように祈ってやらせてください」という言葉に続いて、ニューシングル「Beautiful Days」でフィニッシュ。人間味あふれる演奏、温かな歌声とハーモニーが真っ直ぐ届いてきた。

 最新アルバム『OPERA』は“コミュニケーションの不全”がテーマとなっていたが、この夜のバンドと観客との間には“完全なるコミュニケーション”が成立していた。ツアー・タイトルにある“WITH”という言葉の意味、意義が浮き彫りになってくる夜でもあった。強い信念と音楽に対する熱い思いを胸に抱いて、彼らは新たなる地平へと突き進んでいる。「ライヴの1年にする」と宣言した彼らの前には“未来”という名前の広大な大地が広がっている。

【取材・文:長谷川誠】
【撮影:柴田恵理】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル OKAMOTO’S

リリース情報

Beautiful Days

Beautiful Days

2015年11月25日

アリオラジャパン

1. Beautiful Days
2. ヤバコウキ
3. Shall We Dance

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セットリスト

OKAMOTO’S TOUR 2015-2016 "LIVE WITH YOU"
2016.1.30@Zepp DiverCity TOKYO

  1. Dance With You
  2. アップサイドダウン
  3. NOISE 90
  4. TOMMY?
  5. Beek~うまくやれ
  6. ドアを叩けば
  7. ハーフムーン
  8. Kill Dreams
  9. HEADHUNT
  10. まじないの唄
  11. SEXY BODY
  12. Let’s Go! Hurry Up!
  13. Knock Knock Knock
  14. L.O.S.E.R
  15. Dance With Me
Encore
  1. ヤバコウキ
  2. JOY JOY JOY
  3. Beautiful Days

お知らせ

■ライブ情報

Zepp福岡ByeByeバイ
2016/05/08(日)Zepp Fukuoka

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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