WANIMA、ワンチャン狙った最大規模の全国ツアー、全公演ソールドアウトで完走!
WANIMA | 2016.03.03
昨年(2015年)11月にリリースされたアルバム「Are You Coming?」を引っ提げたWANIMAの全国ツアー「Are You Coming? Tour」、チケットは全32公演すべてソールドアウト。MONNGOL800をゲストに迎えたファイナル、Zepp DiverCity公演も当然のように満員だ(2階の立ち見ゾーンまで完璧にパンパン。ちなみにこの2日前に行われた新木場Studio Coastのライブもソールドアウト)。アルバム『Are You Coming?』のヒットと連動するように、ライブの動員力も大幅にアップしてるようだ。
まずはMONGOL800が登場。上江洌清作(Ba/Vo)「“Are You Coming? Tour”ファイナル、はじめましょー!」が叫ぶと、オーディエンスも「ウォー!」という雄叫びで応える。深みを増したバンドグルーヴ、そして、観客ひとりひとりの心に飛び込んでいくような歌によって、フロアはモッシュ&シンガロングの嵐。2曲目に放たれた代表曲「あなたに」によってライブは早くも最初のピークを迎えた。
「ちゅらかーぎー(沖縄の言葉で“かわいい女の子”)いますか?」(上江洌)という気の置けないトークを挟みつつ、フロアとの距離をグングン縮めていくモンパチ。もっとも大きな盛り上がりを見せたのはやはり大ヒットチューン「小さな恋のうた」だった。10代、20代の若いオーディエンスが全力で歌う姿を見ていると、この曲が普遍的なアンセムとして認知されていることがはっきりと伝わってきた。「11月に俺らのイベント(「What a Wonderful World!! 16」)があるんだけど、WANIMAにでも出てもらいたいです」(上江洌)という言葉からも、WANIMAとモンパチの絆が感じられた。高校時代からモンパチの楽曲をコピーしていたというWANIMAのメンバーにとっても、この対バンはまさに夢の実現だったに違いない。
そしてついにWANIMAのアクトがスタート。スキャットマン・ジョンのSEとともにKENTA(V&Ba)、KO-SHIN(G)、FUJI(Dr)が勢いよく登場した瞬間、会場全体に凄まじい歓声が沸き起こる。「日本でいちばんMONGOL800とお台場が好き! WANIMAです!」というKENTAの第一声を挟んで「ここから」「夏の面影」を放ち、フロアを熱狂の渦へと巻き込んでいく。抜群の疾走感をたたえたリズムセクション、圧倒的なラウド感とシャープな手触りを兼ね備えたギターサウンド、そして、どこまでもエモーショナルなメロディライン。このツアーを通して3人のアンサンブルは確実に進化を遂げていた。
軽妙なトークと芸達者ぶり(?)もこのバンドの魅力。まずはKO-SHINのギターに合わせてFUJIが大塚愛の「さくらんぼ」を楽しそうに歌い……と思ったら、途中から長渕剛のモノマネ(←めちゃくちゃ上手い!)を入れて「あたし桜島~と」オチを付ける。さらにKENTAが「ワンチャン(←女の子をお持ち帰りするチャンス)狙ってます!」という下ネタをブッ込みながら笑いを取り、フロア全体にハッピーなバイブレーションを響かせる。爆笑しながら騒ぎまくるオーディエンスも本気で楽しそう。日常のなかにある不満やストレスを解放するのがロックの機能のひとつだとしたら、WANIMAは既に日本のシーンのトップに立っているのかもしれない。
しかし言うまでもなく、WANIMAは単なるお祭り騒ぎバンドではない。「どれだけ今日のライブを楽しみにしていたか、勝負や!」という煽りとともに披露されたラウドロックチューン「リベンジ」、オーセンティックなレゲエサウンドを取り入れることで濃密なグルーヴを体現していた「SLOW」、ガレージロック的な音像と高速のスカビートが激突する「BIG UP」など極めて多彩な音楽性を備えているのだ。基盤となっているはメロディックパンクなのだが、ヒップホップ、レゲエ、ヘビィロックなどの要素を取り入れることで、際立った独創性へとつなげる。これこそがWANIMAの真骨頂だろう。
そして、その中心にあるのはKENTAの歌だ。「お客さんが2~3人しかいない頃からやってる曲、歌ってもいいんですか?」という言葉に導かれた「THANX」では“さよならが教えてくれた/離れるのは距離だけと”というフレーズが響き、「雨あがり」では“あなたの心が晴れます様に…/明日は晴れ頑張れますように…”と真正面から歌い上げる。どんなに音圧が高くても、どんなに爆音であっても“真っ直ぐに歌を届ける”という軸は1ミリもブレない。そのスタンスもまた、WANIMAがこれだけ熱く支持されている理由なのだ。
ライブ終盤にKENTAは「このツアーのなかでいろんなバンドと対バンさせてもらって。メンバーが忘れかけていたことも、みんなのメッセージとか手紙とかで思い出すことが出来ました。この恩は必ず、音楽で返します!」と語った。3月以降もROTTENGRAFFTY、GOOD4NOTHING、10-FEET、dustbox、MAN WITH A MISSION、SiMといった強者と対バンを行い、全国各地を転戦するWANIMA。2016年のロックシーンにおいて、もっともリアルな勢いを感じさせる彼らの存在はここからさらに大きくなっていく――そのことをはっきりと確信させてくれるライブだったと思う。
【取材・文:森朋之】
リリース情報
セットリスト
Are You Coming? Tour
2016.2.27@Zepp DiverCity TOKYO
- ここから
- 夏の面影
- エル
- リベンジ
- Japanese Pride
- いいから
- Hey Lady
- SLOW
- TRACE
- THANX
- 雨あがり
- BIG UP
- 1106
- また逢える日まで
- HOME
- つづくもの
- 昨日の歌
お知らせ
HAPPY JACK2016
2016/03/20(日)熊本市内ライブハウス5会場
10-FEET TOUR 2016
2016/03/30(水)豊洲PIT
w / 10-FEET
YON FES 2016
2016/04/02(土)モリコロパーク(愛・地球博記念公園)
skyrocket Tour 2016
2016/04/19(火)秋田 Club SWINDLE
w / dustbox
The World’s On Fire TOUR 2016
2016/04/24(日)鹿児島CAPARVOホール
w / MAN WITH A MISSON
THE BEAUTiFUL PEOPLE TOUR 2016
2016/04/28(木)Zepp Fukuoka
2016/04/30(土)宮崎 SR BOX
2016/05/01(日)長崎 Studio Do!
w / SiM
ARABAKI ROCK FEST.16
2016/04/29(金)みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく
WANIMA PRESENTS 1CHANCE NIGHT “2MAN”
2016/05/03(火)キッセイ文化ホール(松本文化会館)・中ホール
w/ 04 Limited Sazabys
2016/05/05(木)クロスランドおやべ
w/ KEYTALK
SAKAI MEETING 2016
2016/05/21(土)堺市海とのふれあい広場特設会場
阿蘇ロックフェスティバル2016
2016/05/28(土)熊本県野外劇場アスペクタ
1+1+1は3じゃないぞ!1+1+1で300だ!!10倍だぞ10倍!ツアー2016
2016/06/18(土)いわきclub SONIC
2016/06/19(日)山形ミュージック昭和SESSION
w / サンボマスター / キュウソネコカミ
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。