昨年5月からやってきた「音×AiR♪JOL原宿でLove Me Do!」もいよいよ10回目、3月12日のワンマン前ではラストとなる（6日にスペシャル版があるけど）。先月に続いて本番前に竹下通りでフライヤー配りをしたわけだが、なんとお笑いゲストのAMEMIYAが手伝ってくれたのだそうだ。テレビでもおなじみの彼のおかげもあって受け取ってくれる人も多く、何人もの人がJOL原宿に来てくれたという。

　ワンマン前ラストでみなぎる気合はオープニングから全開。楓「JOL原宿のみなさんこんにちはー！」（まばらな反応）→大地「微妙やなー。こんなんじゃ始められへんよ！　もう一回やってみよか！」とテンション高めだ。AMEMIYAはハート型のサングラスをかけて「原宿だからちょっとビビって500円のを買ってきました。音×AiRの大ファンだからさ、俺。昨日急いで動画見たから！」とさっそく笑わせてくれた。

　1stステージは「愛を唄おう」でスタート。4人は表情がリラックスしていて動きもいい。dwango.jpの20円配信キャンペーンで配信された新曲「wanna know」を続け、最後の「Love Me Do」の前には楓がワンマンの告知をして「無謀な挑戦です。名もなくちっちゃい大阪のバンドがでっかいライブをして、みんなにいい思い出を持って帰ってもらうべく突っ走ってる最中です。ぜひ遊びに来てください！」とアツいMCを披露した。

　ゲストコーナーのAMEMIYAはさすが実力者、場数も踏んでいる感じでガンガン笑いを取っていたのだが、ビックリしたのが持ちネタの「音×AiRに捧げる歌」を歌ってくれたこと。素晴らしかったので歌詞をそのまま引用しよう。

♪大阪豊中の兄ちゃん4人が　音楽でひとを笑顔にしたいと　運命的にバンドを結成
　音×AiRはじめました
　偶然にもみんなイケメン　音×AiRはじめました
　よく見たら楓はそうでもないけど　音×AiRはじめました
　それぞれ個性的で素敵なメンバーたち
　ベースのMASAYA　キラースマイル　ただちょっと前の髪型キノコっぽくて　ちょっと卑猥
　ギターの大地　インテリ　ただインテリが過ぎて　写真ぜんぶ真顔
　ヴォーカル楓　バンドの顔　ただシャクレすぎていちばん人気ない
　ドラム龍之介　顔濃すぎ！　石油王かと思いました
　そんな4人で天下を取ってくれ　音×AiR伝説はじまりました♪

　客席から聴いていた楓は思わず「いい曲すぎるでしょ！　泣きそうになったわ！」と叫んだが、これはうれしいわ。頌歌（人を誉め称える歌）の伝統はヨーロッパにもアジアにもアフリカにも世界中に古くからあるが、個性的な声と歌唱力とユーモアに優しさをトッピングし、笑いと幸せを届けるAMEMIYAの芸には感服した。

　その間に明らかに増えたお客さんの前に音×AiRが再登場。「純愛バイセコー」から2ndステージを始めたが、明らかに動きがよくなっている。最初からよかったけれど、もうひと皮剥けたというか、リミッターを外した感じだ。「乙女ビンビン」、そして再び「Love Me Do」と3曲ともノリノリで、お客さんもリラックス度が増して声がよく出るようになっていた。いやはや、優れた笑芸のパワーってすごい！

　終演後、4人は異口同音に「今まででいちばんよかった」と言っていたが、僕も同感。何よりみんなの晴れやかな表情が充実ぶりを物語っていたし、ワンマン前ラスト回が最高の出来だったのは自信にもなったと思う。ただし、フライヤー配りに「捧げる歌」にと力を貸しまくってくれたAMEMIYA兄貴のおかげという部分が大いにあるので、今回みたいなテンションに自分たちだけで上れるようになれば最高だ。

　最後は4人とAMEMIYAのコメントで締めよう。ワンマンに向けて走れ、音×AiR！

MASAYA「AMEMIYAさんパワーで後半はお客さんも増えたし、その流れに楓も乗れて、すごいよかったと思います」

龍之介「やっぱりAMEMIYAさんすごかったっス。歌がアツすぎて泣きそうでした」

楓「かなり自信が湧いてきました。テンションも上がったし、機転も利いたかなと。捧げる歌、実は僕がやろうかな～と思ってたんです。そしたらご本人がやってくださって、光栄でした。“天下を取ってくれ”で泣きそうになりましたよ」

大地「今まででいちばんよかったと思います。ワンマンもいろんな方に助けてもらいながらなんとか辿り着けそうなイメージができてきましたんで、期待しててください！」

AMEMIYA「僕もウルフルズが好きなので、楓くんが“手拍子”じゃなくて“Clap your hands”って言ったりするのを見て伝わるものがありました。音楽性もこれからどんどん深みを増していくと思うので、僕がウルフルズを好きなくらい、みんなが音×AiRを好きになってほしい。専属オープニングアクトとして使ってもらわないとね（笑）」

【取材・文：高岡洋詞】
【撮影：Sinpu Tokyo.】