YON FES 2016 初日の4月2日(土)をレポート
04 Limited Sazabys | 2016.04.12
04 Limited Sazabysの主催による野外フェス「YON FES 2016」が4月2日、3日の2日間、愛知県の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で開催された。初日には04 Limited Sazabysをはじめ、THE ORAL CIGARETTES、クリープハイプ、WANIMAなど11組のバンドが出演。“名古屋で野外フェスをやりたい”という夢を見事に叶えてみせた。
愛知県最大級の大型公演「愛・地球博記念公園」(モリコロパーク)は名古屋駅から電車で約1時間という好立地。緑に溢れた美しい公園に春らしい日差しが注ぎ、観客からも「気持ちいいねー」という声が聞こえてくる。そして11時、ついに「YON FES 2016」がスタート。まずは04 Limited Sazabysメンバーがステージに登場し、「1年目の“YON FES”が始まります! 続けていきたいので、絶対に成功させたい!」と挨拶すると、観客から大きな歓声が上がる。SKY STAGE(メインステージ)の最初のアクトはBACK LIFT。「フォーリミ、好きですか? 俺らたちも大好きです!」小林‘KICHIKU’辰也(V/B)という言葉とともに高揚感溢れるメロコア・ナンバーを連発、オーディエンスのテンションを一気に引き上げた。
LAND STAGE(サブステージ)のトップを飾ったのは、女性ボーカリストMisaki(V&G)を擁するSpecialThanks。メロディックパンク直系のバンドサウンドと愛らしい歌声が響き渡り、観客も気持ち良さそうに身体を揺らしていた。
「YON FES 2016」の最初のピークを作ったのは、THE ORAL CIGARETTES。「起死回生STORY」「Mr.ファントム」などのアンセムを次々と披露し、フィールド全体に熱気を巻き起こす。山中拓也(V/G)が「あの金髪(フォーリミのGEN)がこんなにデカいことやるなんて、改めて尊敬に値するなと思ってます」とフォーリミへのリスペクトを表明すると、観客から大きな歓声が巻き起こった。
ロックンロール、ラテン、エレポップなど多彩な楽曲を披露したWienners、心地よい風が吹き抜けるモリコロパークに豊かな深みを持ったバンドアンサンブル、歌心のあるメロディラインを響かせ、芳醇な音楽空間を生み出してみせたSPECIAL ORTHERS(「俺らもフォーリミと同世代だから」「ホントは最年長ですけどね」といったトークも楽しい)、さらにサイケデリックからニューウェイブまでを網羅した刺激的なロックミュージックを体現したHAPPY(「R.A.D.I.O.」演奏中に04 Limited SazabysのRYU-TA(G,)、THE ORAL CIGARETTESのあきらかにあきら(B)が登場、楽しそうに踊ってました)が魅力的なステージを繰り広げた後、SKY STAGEにクリープハイプが登場。「イノチミジカシコイセヨオトメ」、「憂、燦々」、そして新曲の「破花」などを披露し、エッジの効きまくった歌と勢いのあるバンドサウンドを放ちまくる。尾崎世界観(V/G)のMCも少なめ。フェスを楽しく盛り上げるというよりも、ロックバンドとしての姿勢を強く打ち出したステージは本当に刺激的だった。最後は「HE IS MINE」。「今日は家族連れの方もいるので、言うなよ」(尾崎)というMCに導かれるように(?)、爽やかな雰囲気の会場に「セックスしよう!」というコールが巻き起こったシーンも強く印象に残った。
エッジ―&メロディアスなロックチューンから切ないラブバラードまで幅広い音楽性を見せつけたBrian the Sun(6月1日にシングル「HEROES」でメジャーデビュー決定!)からフェスは後半へ。まずはWANIMA。昨年リリースした1stアルバム「Are You Coming」のヒットをきっかけにロックシーンのど真ん中に進んだ WANIMAは、メロコア、レゲエ、ラテンなどを融合させた楽曲と徹底的に開放的なステージングによって心地よい熱狂を生み出す。04 Limited Sazabysからリクエストされたという「雨あがり」を演奏、FUJI(Dr)がRYU-TAのモノマネを披露するなど、両バンドの結びつきを感じさせる演出も印象的だった。さらに04 Limited Sazabysの「monolith」をカバーすると、フォーリミのメンバーステージに登場し、超レアな共演が実現! このサプライズに観客の興奮も一気に頂点へ達した。
LAND STAGEのラストはMy Hair is Bad。エモーショナル全開のバンドサウンド、希望と絶望と嫉妬と憧れを込めまくった椎木知仁(G/V)がひとつになったステージからは、このバンドの現在の勢いがまっすぐに伝わってきた。フォーリミと切磋琢磨を続けてきた、気鋭のバンドのライブが体感できるのも「YON FES」の大きな魅力だろう。
すっかり日が暮れ、美しい夜景が少しずつ広がっていくなか、ついに04 Limited Sazabysステージが始まった。「みんなヤバいライブしてくれたけど、今から俺たちが全部忘れさせます!」(GEN)という堂々とした言葉――“他のバンドには負けない”という強い気持ちも、このフェスの原動力のひとつだったのではないか――に導かれたオープニングナンバーは「swim」。さらに「monolith」、RYU-TAのコール&レスポンスを挟んで「monolith」を放ち、オーディエンスを踊らせまくる。メロコアをルーツに持つカラフルな音楽性とGENが描き出すポップなメロディが美しいフィールド全体に広がっていく光景は、「YON FES」の充実ぶりとしっかりリンクしていた。
「me?」ではWANIMAのKO-SHIN(G)が現れ、RYU-TAの代わりにギターを演奏するシーンも。そしてGENは改めてこのフェスに対する思いを語り始める。バンドを始めた頃はCDを出すのが夢で、その後は音楽だけで生活していくことが目標だったこと。それが叶ったとき「フェスをやりたい」という目標が生まれ、それが今日実現したこと。「YON FES」を立ち上げるまでに、スタッフ、会場の関係者、出演してくれたバンドが親身になって強力してくれたこと、そして、この記念すべき第1回目の「YON FES」に心から感謝していること――。目を潤ませながら言葉を紡ぐGENの姿には、本気で心を揺さぶれてしまった。
この日の最後に演奏されたのは「ガラガラのライブハウスでやった頃からの曲」(GEN)という「Buster call」。性急なビートとドラマティックなメロディがぶつかり合うようなこの曲で1日目のステージは幕を閉じた。
2日目にはキュウソネコカミ、BLUE ENCOUNT、KEYTALK、SUPER BEAVERなどが出演、2日間合わせて約2万人にオーディエンスが記念すべき第1回目の「YON FES」を体感した。バンド同士のつながり、スタッフのリレーションシップ、地元・愛知の食材を使ったメニューも豊富だったフードエリア(知多牛のハンバーガーが美味かったです!)などを含め、「名古屋に本格的な野外フェスを根付かせたい」という意思に溢れた「YON FES」。04 Limited Sazabysにしか実現できない、個性と楽しさに満ちたイベントだった。
【撮影:ヤオタケシ、青木カズロー、Yukihide JON... Takimoto、Viola Kam (V’z Twinkle Photography)】
ライブ フェス 04 Limited Sazabys クリープハイプ Brian the Sun HAPPY SpecialThanks THE ORAL CIGARETTES WANIMA
ビデオコメント
リリース情報
AIM(初回限定盤)[CD+DVD]
2016年06月01日
日本コロムビア
1. climb
2. fog
3. cubic
4. Give me
[DVD]
YON FES 2016ライブ映像、ドキュメント映像など収録予定
お知らせ
04 Limited Sazabys『AIM tour 2016』
2016/06/08(水) Zepp Nagoya
2016/06/11(土) 広島CLUB QUATTRO
2016/06/17(金) 仙台Rensa
2016/06/19(日) 札幌PENNY LANE24
2016/06/24(金) なんばHatch
2016/06/26(日) 高知キャラバンサライ
2016/07/01(金) 福岡DRUM LOGOS
2016/07/09(土) 豊洲PIT ※ワンマン
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。