Goodbye holiday、1stアルバム『with YOU』を引っ提げ行った全国ツアー東京公演をレポート!
Goodbye holiday | 2016.04.13
誰もが一聴して口ずさめるようなポップなナンバーを幅広い世代に届けることをモットーに活動する4人組バンドGoodbye holiday。たとえるならflumpoolやback numberのような正統派ポップ/ロックバンドの系譜をいく彼らが、今年リリースしたアルバム『with YOU』を引っさげた全国ツアーの東京公演をEX THEATER ROPPONGIで開催した。フロアに客席を置いた状態で約1,000人を収容するハコはバンドにとって最大規模となる。横に広いステージ、高い天井、奥行きのある2階席。デビュー1年未満のバンドが立つには、相当の覚悟がいる大きな会場だが、良質でバラエティ豊かなグッホリの音楽は、まるでその場所で鳴らされることを待ちわびていたかのように、その空間に馴染んでいた。
アルバムの1曲目に収録したインスト曲「LAIKA」をSEにメンバーがステージに現れた。映画のオープニングを飾るような楽曲が、これから始まる感動を予感させるように昂揚感を掻き立てる。山崎晃平(Dr)のスティックカウントを合図に疾走感溢れるバンドサウンドにのせた「最終回は終わらない」では、《今この瞬間を生きたい/絶対に負けない》と、児玉一真(Vo・G)が歌う、ポジティヴなメッセージが力強く響いた。ストリングカルテットとコラボした「溢れるもの」、エキゾチックな雰囲気で聴かせた「アコーディオン弾きのワルツ」と、大森皓(G)の繊細なアコースティックギターの音色と共に届けた「世界が終わる朝は」。多面的なアプローチで完成させた『with YOU』というアルバムの色彩を、丁寧に切り取り歌いこなす、児玉のしなやかなボーカルはとても表情豊かだ。
アルバムが「with YOU」ということで、メンバーがそれぞれ大切な人を紹介した中盤のMC。大森と児玉はそれぞれ自分の小さい時の写真を見せて兄弟をあげたが、山崎はプロ雀士の二階堂亜樹について熱く語り、福山匠(B)はチンパンジーの写真を父だと言い張る不思議キャラで笑いを誘った。そして、「大切な人のことを想いながら聴いてください」と言って披露した、陽だまりのようなミディアムナンバー「any time」が素晴らしかった。誰かを想うことで人は優しくなれる。あなたがいて、わたしがいる。それはGoodbye holidayが、その物語の始まりを告げる大切な1stアルバム『with YOU』に込めたメッセージだ。
会場が一体となるタオル回しを起こした「サイダー」では、児玉が「うちのギターのソロを見たいか!?」と問いかければ、大森の鮮やかなギターソロが炸裂。「少年シンドローム」では、福山もステージ前方で衝動的なプレイを見せた。終盤にかけてアップテンポなナンバーを畳みかけたグッホリは、バラードなどで見せる優しげな印象とは一味違うロックで熱いバンドへと豹変した。そして、およそ1時間半のライブのフィナーレを飾った「スプートニク2号」。スクリーンには大切な人の名前を書いた紙を持つお客さんの姿が次々に映し出された。家族、恋人、部活の仲間、親友――どんなに孤独な人でも、たとえ会えなくても、きっとひとりは大切な人がいる。あなたは決してひとりじゃないというバンドからのメッセージ。ウォーウォーとシンガロングと響きわたる中、お客さんが掲げた無数のスマホの光で作り出した幻想的な風景は、あまりにも美しくて感動的だった。
鳴りやまないアンコールに応えて、児玉、福山、山崎の3人がステージに戻ってきた。が、「もりし(大森)は号泣して出て来れない」という。涙で盛大に濡らした顔を、タオルで一生懸命に拭いながら登場した大森は「キレイだった……マジで(泣)」と、一言。メンバーには思いっきりイジられていたが、4人が作り出したものがそれほど素晴しい景色だったということ。最後は、バンドの出世作でもあるワンピースの主題歌「リベレーター」と、バンド初期から大切にしている「deco」を披露。4人がしっかりと目を合わせながら楽しげに演奏するアウトロのフレーズが終わると、会場は大きな歓声と拍手で包まれた。
この日、Goodbye holidayは新曲がNHK『みんなのうた』にラインナップされることを発表。「念願の『みんなのうた』です。嬉しい!」と、児玉は満面の笑顔を浮かべていた。「お茶の間で愛されるバンドになりたい」というのが、Goodbye holidayの大きな夢だ。『みんなのうた』も、この日のライブの成功も、バンドにとって夢への確かな足がかりになるはずだ。
【取材・文:秦 理絵】
【撮影:山川哲矢】
リリース情報
with YOU【CD+DVD】
2016年02月10日
avex trax
1.LAIKA
2.最終回は終わらない
3.リベレーター[ALBUM Ver]
4.旅立ちの花
5.クロワッサン
6.any time
7.アコーデオン弾きのワルツ
8.彼女が愛した朝食
9.ツバメの巣
10.革命アカツキ
11.溢れるもの
12.スプートニク2号
[DVD]
革命アカツキMUSIC VIDEO
リベレーターMUSIC VIDEO
溢れるものMUSIC VIDEO
旅立ちの花MUSIC VIDEO
スプートニク26号 SHIBUYA O-WEST Digest Movie
M1.Flag M2.スパイダー M3.ポップコーン M4.等価な世界 M5.サイダー M6.deco
※初回封入特典:旅立ちの花楽譜
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セットリスト
"with YOU" tour
~みんなひっつきもっつきじゃ~
2016.4.2@EX THEATER ROPPONGI
- 最終回は終わらない
- 溢れるもの
- クロワッサン
- アコーデオン弾きのワルツ
- 世界が終わる朝は
- any time
- 彼女が愛した朝食
- ツバメの巣
- サイダー
- 革命アカツキ
- 旅立ちの花
- 蛍
- 少年シンドローム
- スプートニク2号
- リベレーター
- deco
お知らせ
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2016/06/27(月)愛知・名古屋 池下CLUB UPSET
2016/06/28(火)大阪・アメリカ村DROP
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。