2ndシーズン第3回、通算第15回の「音×AiR JOL原宿でLove Me Do♪」。7月11日に大地の脱退が発表され、8月7日のワンマンライブがあるとはいえマンスリーライブは彼にとっては最後となる。一抹の不安を抱えて現場に乗り込んだが、雰囲気は至っていつも通りだ。4人が元気にステージに上がり、楓のMCに導かれてゲストのクロちゃん（安田大サーカス）が登場するなり「ワーッ」と上がった歓声は、お決まりの「クロちゃんでーす?」で「キャーッ」の悲鳴に変わった。

　夏休み突入でよく埋まったフロアに、先月初披露のサマーソング「波乗りトコナッツ」をかまして1stステージがスタート。楓の声がえらくよく出てるし、お客さんのノリもいい。素っ頓狂なクロちゃんヴォイスに客席もバンドも温められた？　続く「愛を唄おう」の曲間のブレイクものびのびしているし、十八番の「Love Me Do」も、振りを覚えているリピーターが多いこともあって快調この上なし。サビも元気に歌ってくれた。

　今月は趣向を変えて、第2部はお笑いゲストのネタコーナーではなく、クロちゃんと音×AiRが一緒に借りもの競争をするという初めての試み。楓・クロちゃんチームと竜之介・MASAYAチームに分かれ、司会は大地。「95年生まれの人」「身長150センチの人」などの観客強制参加型が実って、負けた竜之介が罰ゲームとしてやらされた一発芸はドン滑りしたものの（苦笑）、大いに盛り上がった。

　2ndステージ一発目「純愛バイセコー」の後の「みんな、音楽好きー？」のMCに「大好き！」と応じてくれるなど、ノリのいいお客さんに楓は上機嫌。「叱ってサディスティック」ではハンドマイクをポッケに入れて大地のスタンドマイクを奪い、サビの振りを両手を使った全開ヴァージョン（？）で披露した。再びゲストを招き入れ、ラストの「Love Me Do」は音×AiR・フィーチャリング・クロちゃんで。「シロちゃん！」のムチャ振りを「色違い！　真逆ー！」と返して楓を笑わせたあたり、さすがでした。

　クロちゃんは音×AiRを絶賛してくれた。「人を楽しませようとする気持ちがすごいです。安田大サーカスも関西ですけど、関西の人ってみんな二度売れなきゃいけないんですよ。まず大阪、そのあと東京で。楓くんが客席まで降りて行って盛り上げてるのを見て“演歌のディナーショーかな？”って思いましたけど（笑）、そんくらいやって頑張ってるんだなと。最初から東京でやってる人たちとは違う匂いがしました」。さてメンバーは？

楓「新しい風が吹いたじゃないけど、クロちゃんと密にやれて、すごく充実してました。芸人さんともこうすればいいんやなって、ようやく発見したというか（笑）。最初のころはみんな食事に来てるんやからって思って動いてもらうのとかは躊躇してましたけど、今日はそのリミッターも外してみました。反応もよくて、うまくやれたんちゃうかなと」

竜之介「今日はよかったです！　初めて芸人さんと絡んでみて、僕らが新鮮というか楽しめたんですよ。まず自分らが楽しむって大事なことじゃないですか。それができたからお客さんも乗ってくれたと思うし、よかった理由がいっぱいあります。発見がありました」

MASAYA「めちゃめちゃよかったです。久しぶりに楽しかったです。レスポンスも返ってきてびっくりしました。クロちゃんがけっこう気さくな方やったんで、楓も緊張せんで済んで、やりやすかったと思います。これが来月からも続いていけばいいですね」

大地「よかったんじゃないですか。クロちゃんがひとりで来てくれたんで、いつもみたいにネタをやっていただくパターンはできないけど、そのことによってむしろ密接にやれたと思います。いつもの距離感が対バンだとすれば、今回はフィーチャリングみたいな。これからもこんな感じでどんどん……やってもらえるように、3人に伝えときます（笑）」

　最後の大地のコメントにもあるように、彼は今回がラストJOL（25、29日と、8月2、4日にも“追加公演”があるが）。当面は楓、MASAYA、竜之介の3人にサポートメンバーを加えて活動していくそうだ。ファンのみなさんへはワンマンのステージからあらためてご挨拶するとか。8月7日、TSUTAYA O-crest。ますます見逃せないライブになったぞ！

【取材・文：高岡洋詞】
【撮影：Sinpu Tokyo.】