FTISLAND ツアーファイナル 10月12日(水)の日本武道館をレポ
FTISLAND | 2016.10.26
2011年に初めて日本武道館のステージに立った過去と、いま大人になった彼らがシンクロしていった特別な夜だった。彼らとは、韓国出身の5人組のロックバンド、FTISLANDのこと。FTが16枚目のシングル「JUST DO IT」を掲げて9月2日、大阪・オリックス劇場からスタートさせた秋のツアー<FTISLAND AUTUMN TOUR 2016 -WE JUST DO IT->。そのファイナル公演が10月12日(水)日本武道館で開催された。
韓国曲「paparazzi」で幕を開けたこの日のステージ。メンバーたちが秋っぽい装いできめているなか、ミンファン(Dr)だけは1曲目から上半身タンクトップという気合いの入れよう。観客たちが戸惑うほど強烈なEDMサウンドが鳴り響き、それがキラーチューン「BARE-願う-」だと分かってからのオーディエンス一丸の盛り上がり。さらにそこに容赦なく「FREEDOM」投下で、客席はさらにエキサイト。ホンギ(Vo)の“スンちゃん行こうか!”の合図で見せるスンヒョン(Gt)のスクリーム、観客を全員座らせてからのジャンプにタオル投げなど、彼らはオープニングから武道館に見事な一体感を作り上げる。
今回は、昨年行なった<5th Anniversary Autumn Tour 2015 “Where’s my PUPPY?>の武道館公演と同じように、ステージ後方を客席として解放。ジョンフン(Gt)が後方にいるお客さんに向かって「メンバーのお尻を満足するまで見て下さい」と伝えると、すかさずホンギが自分のお尻は綺麗だと自画自賛。スンヒョンが「触っていい?」というと「お前、お尻が好きなのか?」とホンギに聞かれ「ううん。俺は足が好き」と素直に否定(笑)。ジョンフンの優しい気づかいに俺が一番のホンギ、そこにすぐツッコミを入れていじるスンヒョンという3人の絶妙なトークに場内が大爆笑したところで、次は「AQUA」からはロックブロックへ。「アイデンティティー」ではイントロからファイヤーフレーム、白煙の柱が何度も上がり、武道館ならではの演出にオーディエンスのコール&レスポンスがさらにヒートアップ。
この後、ホンギが「この前の東京(公演)とは曲が入れ替わってるから」といって、観客の期待感をあおる。そうして、これまでアンコール曲で演奏していたシングル「JUST DO IT」をいきなり中盤で披露すると、客席からは驚きの悲鳴が上がる。この曲は、シンセの旋律をジョンフンが鍵盤を手弾きして再現していくところと、ジェジン(Bs)の跳ねるファンキベースが見もの。ディスコビートに合わせて、このツアーの前半から生まれた振り付けを楽しそう踊っているお客さんにつられ「踊らない」宣言を最初にしていたホンギも、こっそり踊リだす(微笑)。この曲のグルーヴィーな盛り上がりからの「Shinin’On」、「PUPPY」の流れは、本ツアーの中でも武道館だけのスペシャルな弾け方を場内に作り出していった。
このあとは、ホンギのリクエストでスンヒョンが毎回ライブ前にそばを食べるジョンフンのことを書いたオリジナル曲「そばソング~フニが好きなそば~」をアコギの弾き語り(←本格的)で披露してファンを喜ばせた。
そして、このあとは本ツアーでライブごとに成熟していったアコースティックゾーンへ。インディーズ時代の彼らの始まりの曲「SOYOGI」は、初武道館でも披露した曲だ。いまの彼らは余裕さえ感じさせる大人っぽいアレンジで、とってもしなやかにパフォーマンスしていく。原曲を作ったときはバラードだったといっていたジョンフンのイメージにより近づいた「LIFE」はこの日最高のアクトだった。ホンギとジェジン、2本のボーカルの声質、距離感、込める感情によってその時々のFTISLANDの人生を映し出す鏡のような存在のこの楽曲。この日の「LIFE」は希望ある未来が見えるナンバーとして届いてきた。そして、次も初武道館で披露したインディーズ曲「Primavera」だ。ジョンフンの歌い出しの後、オーディエンスの合唱パートが次々と決まっていくたびに、ホンギは「おぉー!」と驚きの声をあげた。そして、アコースティックセットからメンバーが急いで定位置に移動したと思ったら、いきなり次の曲がスタート。聴こえてきたイントロが韓国曲「Stand By Me」だと分かると、観客は驚愕。日本で初披露されたこの曲のどこまでもブルージーなジョンフンの泣きのギターに、観客は酔いしれた。そうして会場全体が感動しているところに「Stand By Me」はジェジンのストーカーみたいな愛の話(笑)」とホンギがいい、場内の空気を和ませた。そして、観客の歌について「昔と比べたら最近のみんなは歌が上手くなった」と褒め、「昔はあの曲も、ほら」といって「Music life」を歌い出したのだが、ホンギの歌詞があやふやだったためファンがすぐさま引き継ぎ“いまの私たちはこれだけ歌えます”といわんばかりの大合唱を届けた。そこから「あれ覚えてる?」というようにメンバーとファンが「Brand new days」や「ハルカ」、さらに遡って「ミライジテンシャ」、「Freindship」を次々と即興で大合唱。「ミライ~」以外はどれも初武道館で披露したものばかり。あの頃から全曲自作曲でアルバムが作れるまで成長し、大人になった彼らと、それを見守ってきたファンの見えない絆が感じられた瞬間だった。そんな感動の場面に、スンヒョンが「僕はホンギ兄さんのアレが好き」とこれまた懐かし韓国曲「チョケッソ」の”lonely lonely“のフリをしてホンギにリクエスト。自らギターを弾き、ホンギに歌わせて、お客さんはこれでいっきに狂喜乱舞。
そうしてラストは「Out of Love」からハードチューンを連発。「Lose」、そして武道館はさらにここに「PRAY」を加え、パワフルなパフォーマンスで本編ラストを締めくくった。
アンコールではこの後、FTISLNADとして12月10、11日に千葉・幕張メッセで行われる事務所のフェス<2016 FNC KINGDOM IN JAPAN - CREEPY NIGHTS ->に参加し、ここではKINGDOMならではのステージを披露すること。さらに、ホンギが12月24日にソロでクリスマスイベント<LEE HONG GI CHRISTMAS EVENT 2016 - ホンタクロース is Coming ->を東京・国際フォーラム ホールAで開催することも告げられた。そしてホンギが「今回のツアー、お疲れ様」といって、この夜のみ特別に「アリガト」をプレゼントした彼ら。これで、彼らとファンの絆はさらに深く結ばれた。
当日はツアーのセットリストの曲順を入れ替え、3曲を追加。懐かしい曲の即興プレイ、そしてきわめつけはアンコールの「アリガト」。夏、秋連続して武道館でやったのはFTとしては今回が初。
プレーヤーとしても人間としてもいい意味で“大人”になった彼らが垣間見れた今回の武道館公演。メンバーの思いを反映するように、ツアーのセットリストから曲順も入れ替え、曲数も増やし、ダブルアンコールまで加えて全21曲を披露。
【撮影:田中聖太郎】
【取材・文:東條祥恵】
リリース情報
JUST DO IT[初回限定盤A](CD+DVD)
2016年08月17日
ワーナーミュージック・ジャパン
M-1 JUST DO IT
M-2 I’ll be there
M-3 EMPTINESS
M-4 YOU DON’T KNOW WHO I AM(Arena Tour 2016 -Law of FTISLAND : N.W.U- Live at 東京体育館 2016.4.30)
DISC2(DVD)
M-1 JUST DO IT 〈Music Video〉
M-2 The Making Of -JUST DO IT-
M-3?7 YOU DON’T KNOW WHO I AM
「Arena Tour 2016 -Law of FTISLAND : N.W.U-」 Live at 東京体育館 Multi Angle
[JONG HOON]
[HONG GI]
[JAE JIN]
[SEUNG HYUN]
[MIN HWAN]
セットリスト
FTISLAND AUTUMN TOUR 2016 -WE JUST DO IT-
2016.10.12@日本武道館
- 01 paparazzi
- 02 BARE -願う-
- 03 FREEDOM
- 04 AQUA
- 05 アイデンティティ
- 06 Time To
- 07 YOU DON’T KNOU WHO I AM
- 08 JUST DO IT
- 09 Shinin’On
- 10 PUPPY
- 11 SOYOGI
- 12 LIFE
- 13 Primavera
- 14 Stand By Me
- 15 Out of Love
- 16 Lose
- 17 PRAY
- 18 Take Me Now
- EN01 未体験Future
- EN02 アリガト
- EN03 Orange Days
お知らせ
2016 FNC KINGDOM IN JAPAN
- CREEPY NIGHTS -
2016/12/10(土) 幕張メッセ 国際展示場 9-11Hall
2016/12/11(日) 幕張メッセ 国際展示場 9-11Hall
LEE HONG GI CHRISTMAS EVENT 2016
- ホンタクロース is Coming -
2016/12/24(土) 東京国際フォーラム ホールA
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。