レビュー
FTISLAND | 2016.08.12
先日、韓国ではヒップホップ全盛の音楽シーンに再びメンバーの自作曲のみを収録した6thフルアルバム『Where’s the truth?』を投げ込み、過激すぎるぐらいロックなMV、サウンドで国内の音楽番組では堂々1位を獲得。ビルボードのワールドアルバムチャートでもTOP5に今作をランクインさせるなど、韓国のロックバンド像というものをメインストリームにいながら、自ら戦い抜いて自らの意思で作り上げていっているFTISLAND。
そんな頼もしいFTが、韓国でのカムバック活動を終えた直後、日本で16thシングル「JUST DO IT」をリリースする。韓国同様、本作も収録曲3曲すべてメンバーが手がけたナンバーをチョイス。
タイトルトラックは韓国のリード曲(「Take Me Now」)同様ホンギ(Vo)作詞/作曲によるもの。
メインストリームにロックバンドがいない韓国では、最近は意識的に熱くハードなロックチューンばかりをタイトル曲に選んでいる彼ら。
だが、様々なジャンルの楽曲がランクインする日本の音楽シーンでは、“どんな曲でもできるバンドになりたい”というバンド結成時から彼らが目指すバンド像を求め、常に新しいFTを模索して進化したサウンドを提示してきた。
そんな彼らが今回挑戦したのは、シンセ音が印象的なアップテンポの熱くグルーヴィーなダンスチューン。
今作で、曲のど真ん中にいて、この楽曲をとびきりかっこいいものに仕立てていく重要な役割を担っているのがジェジン(Bs)のプレイ。
浮遊感あるシンセが広がるエレクトロなイントロはひんやりとしていてどこか都会的。そこに勢いよくスラップベースが響き出したところから、この曲はとたんに熱量を増していく。
1曲の中でジェジンがここまでド派手かつ、攻撃機なスラップを披露したのはこの曲が初。
韓国のタイトル曲でもそうだったが、最近めきめきとプレーヤーとしての実力、カッコよさ、色気まで倍増中のベーシスト・ジェジンを日本のシングルでもフィーチャーしたホンギの勘のよさ、センスはさすが。そんなジェジンの両サイドでは、ジョンフン(Gt)とスンヒョン(Gt)がとことんカッティングマシーンに徹したプレイで、この曲にさらに強靭なグルーブを与えていくところも新しい。
そこで歌われる“情けなさとか皆 抱えて”、それでも“変わる自分に出逢いたい”というリリックはバンドの実像をダイレクトに感じられる部分だろう。
この曲以外には、バンドサウンドでストレートに引っ張っていくジョンフン作詞/作曲の彼らしい爽快なロックチューン「I’ll be there」。さらに、「バラードを歌い上げるホンギ兄さんの歌が好き」といっていたミンファン(Ds)が作詞/作曲を担当し、やさしく温かい空気に包まれるようなやわらかなメロディーに、超せつないロストラブソングをのせたバラード「EMPTINESS」も収録。
FTISLANDはこのシングル発売後、秋には日本で<FTISLAND AUTUMN TOUR 2016-WE JUST DO IT->を開催することも決まっている。
【文:東條祥恵】
リリース情報
JUST DO IT[初回限定盤A](CD+DVD)
発売日: 2016年08月17日
価格: ¥ 2,000(本体)+税
レーベル: ワーナーミュージック・ジャパン
収録曲
DISC1(CD)
M-1 JUST DO IT
M-2 I’ll be there
M-3 EMPTINESS
M-4 YOU DON’T KNOW WHO I AM(Arena Tour 2016 -Law of FTISLAND : N.W.U- Live at 東京体育館 2016.4.30)
DISC2(DVD)
M-1 JUST DO IT 〈Music Video〉
M-2 The Making Of -JUST DO IT-
M-3?7 YOU DON’T KNOW WHO I AM
「Arena Tour 2016 -Law of FTISLAND : N.W.U-」 Live at 東京体育館 Multi Angle
[JONG HOON]
[HONG GI]
[JAE JIN]
[SEUNG HYUN]
[MIN HWAN]