先月から設けられた立ち見エリアありでは10月9日に続いて3度目となる「音×AiR JOL原宿でLove Me Do♪」。先月はオープニング前に3人が出てきてお菓子を配ったり、最初にお笑いゲストが顔見せしなかったりと新たな試みをしていたが、今月はフツーに始まった。「どうもー！　こんにちはー！」と元気に登場するも、立ち見エリアはゼロ人。反応も薄く「あれ？　“誰なんおまえたち？”な方が多いよ」と早くも緊張気味だ。ゲストの長州小力を招き入れると、黄色い歓声が上がる。毎回思うことだが、テレビの人気者はやっぱりすごい。

「初めて見たっていう人も前から見てくれてる人も、気になったらぜひ立ち見エリアに来て僕らと一緒に楽しんでください。こっちのほうが絶対楽しいよ！」と、「純愛バイセコー」で1stステージがスタート。サポートの將はハーフパンツだけみんなとお揃いだ。楓がステージを降りて「前においでえや」とお客さんに語りかける。「愛を唄おう」ではフロアを徘徊し、特定のお客さんに歌いかけたり、遠巻きに見ていた人を半ば強引に立ち見エリアに連行するなど、本来シャイな楓の精力的な働きかけに気合を感じた。
　ここで新キャンペーン「JOL原宿で友達の輪」を発表。お友達を連れてきてくれたお客さんにオリジナルグッズをプレゼントするという企画で、どれくらいお客さんが増えるか、来月からが楽しみになった。最後は新体制で作った新曲の第1弾「King Of しりとり」。楓→將→MASAYA→竜之介の順でしりとりをし、その最後の言葉をサビに歌い込むという完全なる観客参加型お楽しみソングだ。3番では徐々に増えてきていた立ち見エリアのお客さんを4人ピックアップして参加してもらった。

　ゲストコーナー、長州小力は見事だった。そもそも長州力を知ってる人が2?3人しかいないフロアの反応を意に介さず、おなじみの「キレてんの？」「キレてないですよ」のやりとりを武器にお客さんをいじりながら、淡々とネタを披露していくステージさばきはさすが。彼がしっかりと空気をほぐしてくれたJOLに再び音×AiRが登場すると、立ち見エリアには20人ほどの人が。明らかに勇気を得た4人は、2ndステージを「波乗りトコナッツ」「抱きしめたいハグトゥナイ」とMCも少なめで元気に突っ走る。ラストの「Love Me Do」では最後のサビで小力に再登場してもらい、一緒に楽しく踊る。最初は硬かったが、小力のおかげもあって、最後はごきげんに終わった18回目だった。

　長州小力は音×AiRを「自分から舞台を降りていったりして、お客さんを楽しませたいという姿勢が素敵だと思います。しっかり届けようとしてるのがわかるから」と絶賛してくれた。將は「今日は手応えがありました。2部で立ち見エリアに人がすごく増えて、人が入れば盛り上がるんだなって。小力さんはやっぱすごいですね。無理においでって言うんじゃなくて、来やすい雰囲気を作るのがさすがで、すごく勉強になりました」と、メンバーと心をひとつにしてくれている感じ。さて3人は？

楓「尻上がりな感じでした。最初、ごはん食べながらちょっと気にしてくれてた感じの子たちに目をつけて、ライヴ中にコミュニケーションとったんですけど、その子らが最後には立ち見エリアに来てくれたりして、やりたいことの第一歩が成功したんちゃうかなと。『愛を唄おう』のときだけ外の人にちょっかいかけに行って、それ以外は完全に立ち見エリアの中だけを楽しませるつもりで、今日はやりました。あそこに行ったらもっと楽しそうだな、って思ってもらうために」

MASAYA「既存のお客さんがけっこう来てくれて、後半はやりやすかったですね。前半はどうしよう、どうしようって感じで、楓もちょっとテンパっていらんMCしたりしてましたけど（笑）。小力さんがめっちゃ盛り上げてくれたんでよかったです。新しく始まった“友達の輪”で、みんなが友達を連れてきてくれたらうれしいな」

竜之介「前半は苦しかったです。立ち見ゼロは前回と同じでしたけど、なぜか今回のほうが苦しみました。今日の反省点はしゃべりですね。物事を端的にストレートにわかりやすく伝えることがもっとうまくならないと、音楽を聴きに来てるわけじゃない人たちを引き込めないんで。『KING OF しりとり』は、新体制になって、もっとやりたいことをやろうと違う方向性で曲を作ったりしてて、その1作目です。他にも楽しい曲を作っているので、楽しみにしててほしいです！」

【取材・文：高岡洋詞】
【撮影：Sinpu Tokyo.】