好天に恵まれ、歩くと汗ばむくらいに暖かかった11月20日の「音×AiR JOL原宿でLove Me Do♪」。1か月ぶりのJOL原宿はステージの下も上もマイナーチェンジ。立ち見エリアがまた広くなり、ドラムセットの代わりにサンプリングパッド、ギターもいつものアコースティックではなくエレキが置かれていた。

　「こんにちはー！　音×AiRでーす」と元気に3人が登場、短めのオープニングトーク。新キャンペーン「JOL原宿で友達の輪」（立ち見エリアに友達を連れてきてくれたらグッズをプレゼント）の効果もむなしく、当然のように立ち見客はゼロ。めげずに楓が声をかけると、さっそく3～4人の子が入ってきてくれた。フロアの雰囲気がやわらかく、なんとなくいい予感がある。新衣装は黒地にメンバーカラーの英文をあしらったスーツ。先月まではひとり違う服装をしていたサポートの將も今回は揃えている。

　1曲目に「叱ってサディスティック」をやったのは僕が見たなかでは初めて。楓に派手な振りが当てられた曲で、緊張しがちな彼がまず体を動かしてリラックスしようという作戦か。「愛を唄おう」で遠巻きに見ている子たちを「こっちおいでえや」と誘うもフラれていたが、立ち見エリアの人数が徐々に増えてきた。大笑いしたり「Love Me Do」の振りにふざけながら合わせたりと、遠巻きに反応してくれる子も15人くらいいる。

　ジャガーズがステージに上がると大歓声が起こり、立ち見エリアにどっと人がなだれ込む。持ち芸のジャニーズものまねは絶品のひとこと。「40歳のおじさんですからね」と何度も言っていたが、ジャニーズっぽい衣装を着て八乙女くんや亀梨くんを演じることで黄色い声援を集め（応援うちわを持った人もいる）、僕の目にもキラキラ輝いて見えてくる。フロアの空気を温めるどころか熱くして、音×AiRに再びバトンを渡してくれた。

　2ndステージは先月からやり始めた観客巻き込み型の新曲「King Of しりとり」から。お客さんノリノリ、笑顔が弾ける。「抱きしめたいハグトゥナイ」もコール＆レスポンス絶好調。楓が「次の曲で最後です」と言うと「えーっ!?」のお約束が。「Love Me Do」でジャガーズが再登場して一緒に踊り出すと「キャーッ」と悲鳴が上がり、昨年5月にイベントが始まって以来、最高潮の盛り上がりを見せる。立ち見エリアには最終的に30人くらいの人が集まり、初めてこれを設けた甲斐を感じた。

　ジャガーズのふたりは「とっても楽しかったです。お客さんも楽しそうに踊ってて、つい一緒に踊っちゃったんですけど、ふと冷静に戻って“あ、俺40歳だ”って（笑）」（ちーやん）、「明るくて楽しい曲が多いし、ノリもよくて一気に好きになりました。外国の方が僕らに向かってキャーッて言ってて、あれが日本のイケメンかって勘違いされるのが唯一の心配です（笑）」（ジャガーともひろ）とナイスコメント。サポートの將は「バンド形式で初めてやりましたけど、アコースティックよりいいかも。今日はJOL全体が賑やかでしたし、ジャガーズさんの人気もあって、すべてがうまくいきすぎた感じですけど、これを12月のワンマンにつなげていければいいですね」と手ごたえを感じていた。

楓「今日はジャガーズさまさまでしたね。オープニング前の呼びかけはしつこくせんとこな、って言ってたんですけど、ちょっと言っただけで何人か来てくれて“今日はいい日かもしれん”とは思ってました。前回同様、まず自分らが思いっきり楽しんで、立ち見エリアは楽しそうだって座ってる人たちに思ってもらおうと。興味を持ってくれた人がけっこういて、めちゃめちゃうまくいきましたね」

MASAYA「今日はよかったです。ジャガーズ効果もあって、キャーキャー言われすぎてフワーッてなりましたけど（笑）、めちゃめちゃうれしかったです。やりやすかったし、楓もテンション上がっていい感じでした。この波に乗って倍、倍でいきたいです！」

竜之介「不思議な感じでした。ジャガーズさんのパワーがすごかったし、ラッキーがいろいろ重なった結果ではあるんですけど、めちゃめちゃ気持ちよかったですね。これが続いていけばラッキーじゃなくて、自分たちの何かしらが変わったってことやし、そう言えるように続けていきたいです。気を緩めんように」

【取材・文：高岡洋詞】
【撮影：Sinpu Tokyo.】