前へ

次へ

妄想キャリブレーション 『ULTRA MOSO ∞ PARTY!!!!!! 』全国ツアーファイナル

妄想キャリブレーション | 2017.01.11

 10月に渋谷WWW Xからスタートし、メンバー双葉苗の出身地である山梨や雨宮伊織、水城夢子の地元富山など11か所を回った妄想キャリブレーションの全国ツアー『ULTRA MOSO ∞ PARTY!!!!!! 』が12月25日に新木場STUDIO COASTでファイナルを迎えた。

 2016年の妄キャリは、1月に行われたZepp TokyoワンマンでSony Musicへの所属を発表して以降、EDMサウンドやアイドルフォーマットにとらわれないパフォーマンスなどを取り入れ、昔からのファンはもちろん初めて見るお客さんでも盛り上がれるようにと自由度の高いライブを自覚的に行って来た。次のステップへ上がるためにグループが提示したこの変革に対して、これまで彼女達と共に数々の試練を乗り越えて来たファンの中には正直戸惑った人もいたようだが、この日のツアーファイナル公演はそんな人達のもやもやとした気持ちを吹き飛ばす笑顔と熱気であふれるパーティが繰り広げられ、2017年に向けてメンバーとファンが改めてしっかりと手を取り合ったように感じられたライブだった。

 開演時間を少し過ぎ会場が暗転すると12月25日ということでクリスマスカラーのサプライズ衣装を着たメンバーが登場し、妄キャリ初のクリスマスソング「Fun!Fun!Christmas Party Night」からライブはスタート。「魔法のジュース」に続いて「ちちんぷいぷい♪」の強烈なEDMサウンドが日本屈指のクラブスペースでもあるスタジオコーストに響き渡るとフロアーは早くも汗だくのパーティタイムに突入した。

 本編のハイライトは「ここからは本気で妄キャリとみんなとの闘いなんですけど、まだまだついて来れるかー!」という星野にぁの気合入れMCから始まったメドレーパート。「心遊ばせ、目配せあそばせ」「何故なら私、妄想少女ですの」「たとえもう一人の私を見ても・・・」「妄想プロミネンス」「はじまりがはじまる」「おもてなでしこ伝承中」と6曲立て続けのステージングは、パフォーマンスで魅せて引き込み観客の心を楽しさで束ね爆発させるという妄キャリライブの本領が詰め込まれたパートで、この後の「忘れられないクロニクル」「悲しみキャリブレーション」というセットリスト的に最も盛り上がる流れへとつながる導火線の役割も果たしていて圧巻だった。

 後半はツアーの中でストーリーが続いていた寸劇“妄想ストーリー”コーナーから日本テレビ系音楽番組『バズリズム』の収録(1月27日放送予定)で、お笑い芸人ヴィンテージの武井を招いて「PERFECT WOMAN」をサプライズパフォーマンス。“妄キャリがRADIO FISHをジャック?!”というコンセプトで「PERFECT HUMAN」をサンプリングしたMVが公開されていたこの楽曲が始まると、中田敦彦パートを担当した胡桃沢まひるに向けて「MA・HI・RU MAHIRU M・A・H・I・R・U」の大合唱が起こり、ツアーファイナルらしいパーティ感あふれる演出に会場は笑顔で包まれた。そこから「Bang Bang No.1」「アンバランスアンブレラ」とシングル曲で再びフロアーを持ち上げると、ラストは多幸感満載の「人生はいじわるなの…かな?」が投下され会場中がタオルを振りまわす、大興奮状態のまま本編は終了した。

 衣装をツアーTシャツに着替えてのアンコールでは、「大好きな曲が出来ましたー!みなさん耳を澄まして良く聴いてみて下さーい!」という桜野羽咲の絶叫から3月8日発売予定のグループ初となるアニメタイアップ(「タイムボカン24」新エンディングテーマ)曲「激ヤバ∞ボッカーン!!」を初披露。メンバー全員がお気に入りだというドラムンベース的アプローチのデジタルロックな最新型妄キャリで再び会場の熱が上昇すると、続く初期からの人気曲「初めてだよこんな気持ちにさせてくれたのは恋。」でフロアーを埋め尽くしたファン一斉のサンダースネークが発動し、大歓声とコールの嵐がスタジオコーストを包み込んだ。アンコールラスト「手をつないで(Long Ver)」では、「確かな答えなんてわからないけれど未来はまだ希望の数だけ光るから」と歌うメンバーのバックに今回のツアーでの写真が映し出され、楽しかったツアーの余韻を残してメンバーはステージを後にした。

 そんな感動的なアンコールから再びステージに登場してのダブルアンコールは彼女達が初めて作詞に参加したナンバー「アンバランスアンブレラ」。2016年の大きな挑戦だったEDMサウンドに6人で作った詞をのせて歌い新たな妄キャリワールドを作り上げたこの曲はグループにとって重要な意味を持つナンバーで、ライブのセットリストを自分達で組み立てている妄キャリがこれをこの日2度目のパフォーマンスに選んだことには常に前を見ている彼女達の強い意志が込められていたように思え、その気持ちはラストで再びパフォーマンスされた新曲「激ヤバ∞ボッカーン!!」での「今年妄キャリ色々あったけど絶対何があっても負けないで一番を取るって願いを込めた一曲です。この曲から革命を起こしましょう!」という雨宮伊織の力強い言葉にも感じられた。

 ファンの事を第一に考え、グループが大きくなることでみんなに気持ちを返したいと試行錯誤を繰り返しここまでの道を歩んできた妄想キャリブレーション。2016年はメンバーそれぞれがこれまでの自分達を見つめ直して積極的な自己改革を行った年だった。3月の「激ヤバ∞ボッカーン!!」リリースや、レコ発ワンマン東名阪ツアー『激ヤバ∞発進!~ダイナモンドを探せ!~』に向けて2017年をスタートする妄キャリの更なる飛躍が楽しみになるような、一年間の有終の美を飾るにふさわしい見ごたえのある楽しいツアーファイナルライブだった。

【取材・文:山村哲也】
【撮影:BOZO】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル 妄想キャリブレーション

リリース情報

Bang Bang No.1

Bang Bang No.1

2016年12月14日

Sony Music Records

01.Bang Bang No.1
02.Fun! Fun! Christmas Party Night
03.Bang Bang No.1 -instrumental-
04.Fun! Fun! Christmas Party Night -instrumental-

このアルバムを購入

セットリスト

『君に魅せたい!妄キャリが贈る今夜かぎりの、、、ULTRA MOSO ∞ PARTY!!!!!!』ツアーファイナル
2016.12.25@新木場STUDIO COAST

  1. 01.Fun!Fun!Christmas Party Night
  2. 02.魔法のジュース
  3. 03.ちちんぷいぷい♪
  4. 04.愛愛アイデンティティー
  5. 05.YOUをちぇっくします!
  6. 06.いつだって世界にファイティングポーズ
  7. 07.妄想が止まらない
  8. 08.心遊ばせ、目配せあそばせ
  9. 09.何故なら私、妄想少女ですの
  10. 10.たとえもう一人の私を見ても・・・
  11. 11.妄想プロミネンス
  12. 12.はじまりがはじまる
  13. 13.おもてなでしこ伝承中
  14. 14.忘れられないクロニクル
  15. 15.悲しみキャリブレーション
  16. 16.irony
  17. 17.PERFECT WOMAN
  18. 18.Bang Bang No.1
  19. 19.アンバランスアンブレラ
  20. 20.人生はいじわるなの…かな?
ENCORE1
  1. 21.激ヤバ∞ボッカーン!!
  2. 22.初めてだよこんな気持ちにさせてくれたのは恋。
  3. 23.手をつないで(Long Ver)
ENCORE2
  1. 24.アンバランスアンブレラ
  2. 25.激ヤバ∞ボッカーン!!

お知らせ

■ライブ情報

Girls×Girls Vol.3
2017/01/18(水) 新宿ReNY

トレンディエンジェルたかしpresents「たかしソニック2017」
2017/01/21(土) よしもと幕張イオンモール劇場

@JAMxTALE in HongKong 2017
2017/02/11(土) Music Zone @ E-Max, Hong Kong
2017/02/12(日) Music Zone @ E-Max, Hong Kong

激ヤバ∞発進!~ダイナモンドを探せ!~
2017/03/04(土) 心斎橋SUNHALL
2017/03/05(日) SPADE BOX

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る