初の全国流通アルバム『ハートフルレボリューション』の発売を2月8日に控え、いっそう気合が入る2017年一発目の「音×AiR JOL原宿でLove Me Do♪」。3人とサポートギタリストの將がステージに登場した時点で、パーテーションで仕切ったステージ前の立ち見エリアに10人ちょっと集まっていた。昨年8月に卒業した大地が見にきていたけれど、心強いのか、やりにくいのか、どっちなんだろう？

　ミディアムテンポの「愛を唄おう」でスタート。MASAYAの動きと笑顔のくっきりした風情が印象的だ。遠巻きに見ている子や座ったまま手拍子をしている子に楓がロックオン、まずは手招き。（その調子だ、もっとやれ）と思っていたら、最終的には手をつかんで前に引っ張ってきた。その姿勢やよし。続いては元気に「抱きしめたいハグトゥナイ」。楓は勢いに乗って客いじりしていくが、隅々まで目配りしつつ注意散漫にはなっていない感じ。声の調子もよさそうだし、集中できているようだ。MCでアルバムのリリースと3月12日渋谷O-crestでのワンマンライヴ開催を告知して、1stステージのラストは「叱ってサディスティック」。楓がお客さんと目線を合わせながらセリフを言うのがよかった。

　お笑いゲストの三拍子は2015年6月、第2回の当イベントに初めてのお笑いゲストとして出演して以来1年7カ月ぶりの再登場。音×AiRにとっては頼れる兄貴的な彼らがしっかり温めてくれたステージに音×AiRが再び上り、2ndステージはJOL原宿のテーマ曲「Catch Your Dream」でスタート。音楽と漫才ではテンポが違うのでちょっと立ち見客が硬くなってしまった感があるが、楓はむしろ積極的に遠くから見ている人を招き入れる。「King Of しりとり」では楓と竜之介が「あー！　サビの歌詞考えてくんの忘れた！」「あかんやないかー！　サビは絶対に必要や！」「そしたらしりとりやって最後の言葉でサビ歌お！」と茶番を繰り広げていっそう盛り上げた。最後は「Love Me Do」。振付と♪Hey baby Hey baby Love me do～のサビ唱和で頑張って巻き込みまくり、最終的には20人くらいのお客さんが立ち見エリアに入ってきてくれていた。

　今回はお客さんへの働きかけがいつも以上に積極的で、結果としてステージの上と下の距離が縮まり、いい出来だったと思う。ゲストの三拍子も「ファンの方が増えててビックリしました」（高倉）、「前に出たときもうまいなって思いましたけど、もう一段階上がった感じですね」（久保）、「これだけは言っときたいんですけど、売れても僕らのことは忘れないでもらいたいですね」（高倉）、「哀しいよ！」（久保）と絶賛。將は「お客さんのノリもよくて、終始いい雰囲気が持続したなって思います。ただライヴハウスのクォリティにはまだ達していないと思うので、負けないくらいのところまで持っていきたいですね」。遊びに来ていた大地は「全体によくなってると思います。ただ、苦言を呈するなら、MASAYAのベースが上手になってない（笑）。もっと練習してほしいですね！」とOBならではのコメントを残してくれた。アルバムリリースとワンマンライヴに向けて、起こせハートフルレボリューション！

竜之介「今日は比較的いい感じやったんちゃうかなと思います。初めましての人も立ち見のとこに入ってくれたし。今、しりとりに続く新しいネタ曲を考えてるんで、JOLでも試したいですね」

楓「今日はお客さんの反応もよかったし、開演前にチラシを配ったときにつかまえた子も来てくれてうれしかったです。わりと狙い通りにやれたと思います。最近は無駄にキョロキョロするのを意識的にやめてるんです。パーテーションの中にわりと視線を固定してて。だからどんどん入ってきてほしいです！」

MASAYA「けっこう前に来てくれる人が多くて、だいぶやりやすかったです。僕らの輪にどれだけ引き込めるか、どれだけ広げていけるか。この後は週1ぐらいのペースであるんで、ワンマンまで頑張ります」

【取材・文：高岡洋詞】
【撮影：Sinpu Tokyo.】