3度目の東京ワンマンライブを1週間後に控えた12月11日（日）、2016年最後の「音×AiR JOL原宿でLove Me Do♪」。9月に設けた立ち見エリアが苦戦の末に前回それなりの盛り上がりを見せたのを受けて、さらにテコ入れするべく開演前に3人はせっせとフライヤー配り。結果、開始時点で20人弱が立ち見エリアに入ってきてくれた。

　これも前回からのエレクトリックセット（エレキギター、サンプリングパッド）で、1曲目は「愛を唄おう」。♪自分に素直になれない俺も～、のブレイク部分でさっそく楓がフロアに降りてフライヤーを配りまくる。MCで全力の「こんにちはー！」×2にノーリアクションだったとき「5時すぎですから“こんばんは”との境目が難しいんかな」と返したのには感心した。観客巻き込みソング「King Of しりとり」を続けて、仕掛けが早い。1stステージ最後は振りつきの「Love Me Do」。まずまずの出来だった。

　お笑いゲストAMEMIYAは2月以来2度目の登場。「音×AiRの兄貴分」を自任する彼が大いに盛り上げてくれて、3人と將が再登場。6月に発表したJOL原宿のテーマソングの完成を告げる。6月から入口にノートを置いてお客さんに夢や目標を書いてもらい、その言葉を歌い込んだ曲だ。MySoundのデイリーチャートで2位にランクインした「Catch Your Dream」（http://mysound.jp/song/2999580/）は、夢を追いかける女の子たちを応援する、ハートフルロックバンドらしさ爆発のナンバー。お客さんも聴き入っている。「抱きしめたいハグトゥナイ」途中で楓が遠くから強引に連れてきた2人を含め、なんだかんだで30人近いお客さんが集まった。最後の「Love　Me　Do」フィーチャリングAMEMIYAはコール＆レスポンスも快調で、AMEMIYA兄貴が「いやー楽しかった！　俺、芸名“音MIYA”に変えるよ」と言うほどのアツさだった。

　AMEMIYA兄貴は「ホームページ見てひとり減ってるからビックリしたんですけど、勢いはむしろ増してると思いましたし、2月よりもみんなちょっとだけ大人になってましたね。好きなバンドですよ。可能性あると思います。どんなに売れても俺を無視するなよ！」とエールを送ってくれた。サポートギタリストの將も「お客さんを呼び込む工夫をしていたのがよかったですね。ここんとこずっと一緒にいるんですけど、楽しいし、いい経験させていただいてます。この楽しい感じをもっとフロアに伝えていきたいですね」とメンバーに寄り添う姿勢を見せる。彼らの支えを力に変えて、快進撃せよ音×AiR！

楓「最初のひと声で立ち見エリアに20人近く入ってきてくれて、出だしの流れはよかったと思うんですけど、頭を使いながらやったせいかスロースタート気味で、AMEMIYAさんがやってる間に3人で話し合って修正しました。〈Catch Your Dream〉は初披露でしたけど、歌っててなんか届いてる感がありましたね。手拍子を煽ったりしたんですけど、歌詞が心に届いて手がおろそかになっちゃってる感じがうれしかったです。お客さんへの積極的なアプローチは、今こっちに長期滞在してめちゃめちゃストリートライブやってて、その中でつかんだものです。〈ハグトゥナイ〉のときに後ろから2人を連れてこれたのはよくやったと思います（笑）」

竜之介「全体としてはよかったと思います。演奏から見せ方まで、いろいろ考えてできたかなと。でも、もっともっとつかみたいですね。まだいける気がするんですよ。お客さんに考える間を与えないくらいスムーズにできたらいいなと。前（立ち見エリア）に来てくれてる人たちに向けてライブしているつもりなんですけど、後ろの人も“なになに？”ってなる瞬間をもっと増やしたいなって思いました」

MASAYA「後ろのほうの人を巻き込めなかったのがちょっと悔しいですね。反応はあったんで、もっと押してたらいけたんちゃうかなって。ストリートライブで学んだことが大きいんですけど、やれる曲が4曲ぐらいしかないので、もうこの曲飽きたわ～、とか言いながら（笑）、ひたすらそれをやり続けてます。全部ついてきてくれる子とかもいて、めちゃめちゃうれしいですね」

【取材・文：高岡洋詞】
【撮影：Sinpu Tokyo.】