2015年5月にスタートし、2年続いた「音×AiR JOL原宿でLove Me Do♪」がとうとう最終回を迎えた。初回以来、超久々のお笑いゲストなしで、ステージに立つのはメンバー3人＋サポートギタリスト將の4人だけ。前回はまさかの絶不調で不安にさせたが、直後のワンマンは過去最高の出来。最後はJOLでもきっちりリベンジして有終の美を飾りたいところだ。

　立ち見エリアにすでに20人以上のお客さんが入ったフロアにSEの「叱ってサディスティック」が流れ、「ごきげんいかが？　音×AiRです！」と4人が登場。ショーは「愛を唄おう」で始まった。演奏と歌は好調そう。ブレイクのところで楓がフロアに降りてパーテーションに手をかけ、立ち見エリアを広げて5～6人を招き入れる。將がいつもと違うソロを弾くと、楓は「おおっ、いいね～！　テンション上がってきた！」と興奮していた。間髪入れずに続けた「叱ってサディスティック」では竜之介がダンスに参加してドラムがお留守に。「Love Me Do」では、サビの振りを立ち見エリア内の人みんな完コピしているし、楓がマイクを向ければ元気に歌うし、手拍子も快調で驚いたけれど、最後に常連さんが揃ったと思えば納得。

　1stステージ3曲→お笑いコーナー→2ndステージ3曲の構成はゲストがいなくても変わらない。將がはけて3人がステージに残り、まずは竜之介が新しいグッズを発表。「おみくジーザスのジーザスみくじ」を紹介するときは楓が「トイレ行ってくるわ」とステージから消えて、入れ替わりに長いヒゲを生やしたおみくジーザス（なぜか楓にそっくり）が登場、おみくじの歌を披露した。最後には6月10日新宿ハーモニックホールでのワンマンライブ（チケットは500円！）を発表。

　再び將が加わって、2ndステージは「ダントツ☆YOU」でスタート。竜之介が「JOL原宿のテーマソングを作らせてもらいました。夢についての歌なんですけど……」と話し始め、「Catch Your Dream」かなと思ったら「僕の夢はPearl Ladyのクレープを毎日食べること。聴いてください、「Catch Your Crepe」！」とMASAYA、將とともに演奏開始。楓が「止めろ、おい！　できるか！」と困りまくり、脂汗ダラダラで♪赤い看板、ふわり風船～パールレディ～と適当な即席歌を歌わされたところで、ドッキリが明かされた。仕込み、前フリも含めた一部始終が近くYouTubeで公開されるそうなのでお楽しみに。

　「俺が知ってる曲に戻っていい？」と気を取り直して「Catch Your Dream」、「楽しかった2年間！　最後はイベントのタイトルにもなってる曲をやってお別れします」と再び「Love Me Do」。♪目の前の俺をLookin’！もハツラツさ3割増のアツいパフォーマンスをかます。「2年間愛してくれてありがとうございました！」。気がつけば立ち見エリア内には50人近いお客さんが入っていた。

　土地は東京・原宿、場所はフードコート、お客さんは十代の女の子がほとんどと、大阪のライブハウスとは勝手が違いすぎる環境に最初は戸惑いつつ、音×AiRはよく頑張ったし、間違いなく成長したと思う。いろんなことがあった。僕も見ながら感慨深かったが、湿っぽさゼロなのは音×AiRらしい。楽しんで、楽しませて、Catch Your Dream！

將「全編通してやりたいことができたんじゃないかと思います。僕も最後なんで何かしたいなと思って「愛を唄おう」のソロを変えたりして。お客さんも温かくて、ドッキリのとき一緒に引っかけたみたいに反応してくれたのがよかったですね。新宿はまた環境が変わりますけど、今日の感じならいけると思います。僕は呼んでくれればいつでも駆けつけます！」

MASAYA「今日は今までの集大成って感じで見てもらえたんじゃないかなと思います。けっこうお客さんも来てくれて、前（立ち見エリア）も初めてパンパンやったし、2年続けてきた甲斐があったんじゃないかと。これからも僕らのことを知らない人も楽しませていけるように、ここでやったことを思い出しながら頑張ります」

竜之介「今日は楽しかったです！　ドッキリは穫れ高あるかなって思ってましたけど、楓のリアクションがよかったですね。僕ら目当てで来てるわけじゃない人たちにどうやったら広がるか、どうやったらフィットするかを考え続けた2年間でした。その経験は宝物です。最初のころは“うわ～、どうしよ”みたいな感じでしたけど、そこから始まってちゃんと考えてやれるようになったかなと」

楓「最高でした！　よかった理由ですか？　しっかり準備したんと、僕の調子がよかったんと、人がいっぱいいたんと……初めてその三つが揃ったし、あとドッキリとか將くんのソロがいつもと違ったんとかでテンションが上がったのもよかったと思います。この2年間、ほんまにJOLで成長させてもらったと思ってます。この勢いを次のハーモニックホールにつなげていきたいですね」

【取材・文：高岡洋詞】
【撮影：東京神父】