「壁を壊す」を合い言葉に、SiMの地元・神奈川にライブバンドが集結! SiM PRESENTS 『DEAD POP FESTiVAL 2017』 1日目をレポート!
SiM | 2017.07.20
「壁を壊す」をテーマに掲げ、SiMの地元・神奈川県の川崎市東扇島東公園に場を移し、今年(野外では)3回目を迎える「DEAD POP FESTiVAL 2017」。例年通りに2DAYS開催され、出演アーティストもライブに特化したアーティストを中心に、ジャンルを跨いだラインナップを揃えているところが本フェスの醍醐味である。ここでは初日・7月1日の模様をレポートしたい。
おい、そこの道あけろ、HEY-SMITH、岡崎体育、SHANK、四星球、PUFFYと続き、初登場のSUPER BEAVERがCHAOS STAGEにお目見え。小雨がパラパラと降り注ぐ中、いきなり「ポップ・ミュージックをやらせてもらいます!」と渋谷龍太(Vo)は堂々宣言。「証明」で火蓋を切ると、「青い春」へと繋げ、聴き手の懐にダイレクトに飛び込む演奏を叩き付ける。すると、観客も拳を上げてそれに応える。曲を知る知らないに関わらず、観た者の心を瞬時にこじ開ける熱さは半端じゃない。そして、雨脚が強くなる中、当たり前のことに感謝する気持ちを綴った「ありがとう」を披露。照れ臭くて、普段はなかなか口にできない感情を歌詞に乗せ、エモーショナルに歌い上げていく。泥臭い人間味を振り撒き、全力で伝えようとする熱量の高さにただただ圧倒。
CAVE STAGEに目を移すと、2年前に出演した氣志團が再びこの舞台に帰って来た。この日もエンターテイメント性に長けたステージで、こちらを笑わせ、和ませ、魅惑の氣志團ワールドに引き込んでいく。3曲目を終えた後、「雨降って、ちょっと滅入ってるんだろ? 俺たち、まだ付き合いたてのカップルみたいだな。ちぐはぐだけど、オレに委ねて?」と綾小路翔(Vo・Gt)が言い、グッと距離を縮めると、「愛羅武勇」をプレイ。演奏中に「行こうぜ、ピリオドの向こう側へ!」と呼びかけ、一体感を煽る手腕も冴えている。それからアンセム曲「One Night Carnival」が始まると、パラパラ風の振り付けを観客も追随する形で大盛り上がり。後半は歌詞を大合唱する光景も見られ、抜群の楽曲浸透度を誇示していた。「今年氣志團、20周年・・・こんなに歌ってくれてサイコーです!」とMCすると、まさかのマキシマム ザ ホルモンの「恋のメガラバ」をカバー。会場にヘドバンの嵐を吹かせ、最後はメンバーがホルモンのメタルポーズをもマネるという念の入れよう(笑)。前回出演した際はSiMの「KiLLiNG ME」をド頭から2曲連続披露したが、今度は主催者以外のバンドをイジルとは・・・氣志團にしかできない見事な離れ業だった。
そして、本フェスも佳境に突入だ。次は来年2月に日本武道館公演を見据え、今年結成10周年を迎えたcoldrain。SiMとは良き仲間であり、良きライバルという関係性ゆえ、彼らも気合いが入っていたに違いない。「Final Destination」から猛ダッシュをかけ、灼熱のラウド・ロックを野外に解き放つ。さらに鋼鉄リフと勇壮コーラスで引き付ける「FIRE IN THE SKY」に移ると、より一層美しいメロディと激しい演奏のギャップが際立ち、coldrainの本性が剥き出しになっていた。その音像に背筋がゾクゾクするような興奮を覚えながら、個人的にも大好きな「No Escape」に入ると、我を忘れて音に没入する自分がいた。「08年、山嵐のツアーでめちゃくちゃかっこいいバンドに出会った。そのSiMと出会った08年に出した曲」とMasato(Vo)が言うと、デビューシングル表題曲「Fiction」へ。ライヴでもずっとやり続けている代表曲だが、この日は特段エモーショナルに響いてきた。
それからトリ前にはSiMの地元・湘南の先輩である山嵐がCHAOS STAGEに登場。「同じ湘南のSiMにタスキを渡す!カオスにしようぜ!」とSATOSHI(Vo)が言うと、地を這う超ド級のヘヴィネス・ナンバー「山嶺(いただき)」で観客を狂乱させる。さらにROTTENGRAFFTYのN∀OKI(Vo)がゲスト参加し、「ミクスチャー・イズ・ノット・デッド!」と叫び、「Rock’n Roll Monster」をプレイ。最後はNAOKIに加え、ロットンのNOBUYA(Vo)まで飛び入りし、総勢9人によるレアすぎる「BOXER’S ROAD」まで炸裂した。
さあ、初日ラストはこのバンドを残すのみ。サイレン音のSEが轟く中、MAH(Vo)、SHOW-HATE(Gt)、SIN(Ba)、GODRi(Dr)とSiMのメンバー4人が遂に出揃う。渾身のスクリームをMAHが放つと、「PANDORA」で本編はスタート。続いて早くもキラーチューン「Blah Blah Blah」を繰り出す攻めの選曲に興奮した。しかし、まだまだ足りないとばかりに「ここからが本番でしょ? サークル・ピット!」と煽ると、「T×H×C」では観客が渦状に激しく動き回る光景があちこちで確認できた。「今日は昔の知り合いもいっぱい出てくれてるから、この曲をやる」と前置きすると、「paint sky blue」を披露。レゲエ風味のディープな曲調だったが、野外のひんやりした空気に溶け込んでいた。音楽は娯楽かもしれないけど、ロックは命と改めて説明した後、ライブでは前回のワンマンツアーで初お披露目されている新曲「NO SOLUTiON」を披露。ヘヴィネスとキャッチーの融合感が素晴しく、観客はハンドクラップしながら思い思いに騒いでいた。 「フェスは入口。かっこいいバンドに出会えたら、ライブハウスにもどんどん行ってください。」MCでそう投げかけると、「俺らの本番中はいつも雨が降らないんだよね。でもせっかくだから・・・」と、「in the rain」をプレイ。この日限りのシチュエーションを大事にし、昔の曲を織り込む意外性もSiMの魅力と言っていい。同じ曲でも聴く場所によって響き方は違う。それを痛感した1曲だった。その流れを汲むように「Rum」と続け、本編ラストは「JACK.B」で歓喜の嵐を作り上げた。
バンドはアンコールにもきっちり応え、「KiLLiNG ME」、最後はcoldrainのMasatoも飛び入りして、「f.a.i.t.h」でビシッと締め括った。SiMは緩急を付けたライブ構成で、バンド自身がこの場の雰囲気を楽しみながら、最上級のステージングですべての観客を狂喜乱舞させていた。様々なフェスが乱立する中、主催者のカラーを反映したアクの強いメンツが揃った本フェス。来年もアッと驚く出演バンドで、あらゆる“壁”をぶっ壊して欲しい。
【取材・文:荒金 良介】
【CAVE STAGE:半田安政(Showcase)】
【CHAOS STAGE:鈴木公平】
【雑景:本田裕二】
リリース情報
SiM「DEAD MAN WALKiNG -LiVE at YOKOHAMA ARENA-」[DVD]
2017年04月26日
ユニバーサル ミュージック
1. THE KiNG
2. NO FUTURE
3. Abel and Cain
4. T×H×C
5. JACK. B
6. FUCK iT ALL
7. I DUB YOU
8. Life is Beautiful
9. The Problem
10. KiLLiNG ME
11. SUCCUBUS
12. I Hate U (It’s Not A Play On Words) 13. If I Die (Acoustic ver.)
14. Paradox (Acoustic ver.)
15. Misery (Acoustic ver.)
16. GUNSHOTS
17. Dance In The Dark
18. CROWS
19. EXiSTENCE
20. Blah Blah Blah
21. f.a.i.t.h
22. MAKE ME DEAD! (Encore)
LiVE CD収録曲目:
1. THE KiNG
2. Abel and Cain
3. Life is Beautiful
4. If I Die (Acoustic ver.) 5. Dance In The Dark
6. CROWS
7. EXiSTENCE
[Blu-ray] UPXH-27005 ¥4,880+税
[DVD] UPBH-27011 ¥3,880+税
セットリスト
DEAD POP FESTiVAL 2017 DAY-1
2017.7.1@神奈川県川崎市東扇島東公園特設会場
- SE.Bring it on!
- 1.喧嘩上等
- 2.氣志團がやって来たオラ!オラ!オラ!
- 3.俺達には土曜日しかない
- 4.愛 羅 武 勇
- 5.One Night Carnival
- 6.恋のワンナイ
- 1.FINAL DESTINATION
- 2.FIRE IN THE SKY
- 3.DIE TOMORROW
- 4.NO ESCAPE
- 5.AWARE & AWAKE
- 6.FICTION
- 7.THE STORY
- 8.THE REVELATION
- 1.PANDORA
- 2.Blah Blah Blah
- 3.TxHxC
- 4.paint sky blue
- 5.NO SOLUTiON
- 6.in the rain
- 7.Rum
- 8.JACK.B
- En.1 KiLLiNG ME
- En.2 f.a.i.t.h
- 1.証明
- 2.青い春
- 3.秘密
- 4.ありがとう
- 5.ILP
- 1.山嵐
- 2.That’s
- 3.80
- 4.山巓
- 5.HANDS UP
- 6.Rock’n’Roll Monster
- 7.BOXER’S ROAD
お知らせ
OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL 前夜祭 ~ONRF ADDICTS 2017~
07/28(金) 秋田CLUB SWINDLE
WILD BUNCH FEST. 2017
08/19(土) 山口きらら博記念公園
MONSTER baSH 2017
08/20(日) 国営讃岐まんのう公園
SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2017
08/25(金) 山梨県 山中湖交流プラザ きらら
RUSH BALL 2017
08/27(日) 泉大津フェニックス
TREASURE05X 2017 -MARCH OF TIME-
09/03(日) 蒲郡ラグーナビーチ
HEY-SMITH Presents OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL 2017
09/10(日) 泉大津フェニックス
シミズオクト Presents 氣志團万博2017 ~房総与太郎爆音マシマシ、ロックンロールチョモランマ~ Supported by イオン銀行
09/16(土) 袖ケ浦海浜公園
THE EYEWALL NiGHT vol.1
09/17(日) 神戸ワールド記念ホール
サンボマスター 今年は何かとはっちゃけたい!~2017全国ツアー~
10/13(金) 仙台Rensa
NO MATTER LIVE Special
11/04(土) 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。