前へ

次へ

レーベルイベント『TALTO ナイト』で東京カランコロン、SAKANAMON、マカロニえんぴつ、が競演!

TALTO | 2017.07.13

 今年から始動したロックレーベル『TALTO』。所属している東京カランコロン、SAKANAMON、マカロニえんぴつ、が集結したイベント『TALTOナイト』が開催された。このイベントは7/4(火)に心斎橋 Music Club JANUSで大阪編を開催したのち、7/6(木)に東京「アコースティック編」を開催。このページでは、イベントのファイナルとなった東京2日目、7/7(金)の「バンド編」shibuyaeggmanの模様をお届けしたい。

【マカロニえんぴつ】
 開演を告げるSEが鳴り響き、見るからにやる気満々の様子で登場した5人――はっとり(Vo・ G)、サティ(Dr・Cho)、高野賢也(B・Cho)、田辺由明(G・Cho)、長谷川大喜(Key・Cho)。「よろしくお願いします!」、元気な挨拶を合図に1曲目「鳴らせ」がスタートするや否や、瑞々しいメロディと軽快なビートが会場の隅々にまで広がった。打ち鳴らされる観客の手拍子が心地よい。2曲目「言い訳ばかりの男」に突入すると、「もっともっと!」という煽りの言葉に応えて、手拍子はさらに高まっていった。

「暑いですね。ヒートアイランド現象ってご存知でしょうか? だから室内のライブハウスとかの方が涼しいんです。でも、僕は気づいてしまった。多分、今日、一番東京でヒートアイランドなのは、ここshibuyaeggmanじゃないないでしょうか?」、最初のインターバルで観客に語りかけたはっとり。そして「8月2日にシングル『夏恋センセイション』を出します。9月にはツアーもあるんで。そんな「夏恋センセイション」をやらせてください。TALTOのお客さんは、初めて聴いた曲でも乗れると聞いているんで、よろしくお願いします!」と言い、新曲「夏恋センセイション」を披露。爽やかなサウンドが観客をますます盛り上げていた。

「零色」と「あこがれ」も演奏した後、再び迎えたMCタイム。「日々の中で終わってしまったものとか、過ぎてしまったことは忘れないといけないんだけど、歌だけはそれを引きずっていていいのかなと。それが自分を後押ししてくれるなら、なくてはならないものだと思うので。だからマカロニえんぴつは、もう終わってしまったものを思い続ける歌が多いです。では、“離れ離れになった2人は、今日も同じように咲いている”という歌を」という言葉を添えて歌い始めた「メイビーネイビー」は、甘酸っぱいメロディが観客をうっとりとさせていた。そして「洗濯機と君とラヂオ」と「ハートロッカー」で、再び熱気に包まれた会場内。「まだ声出してないよね? サビの前で声出せる?」と煽って明るい歌声を誘った「ワンドリンク別」、疾走感にあふれたサウンドで大いに盛り上げた「哀しみロック」……用意していた全曲を演奏し終えると、メンバーたちは笑顔を浮かべて手を振りながらステージを後にした。

【SAKANAMON】
 腕を振り上げて観客の歓声を煽った藤森元生(Vo・G)、森野光晴(B)、木村浩大(Dr)。ステージの後方から3人を見つめるマスコットキャラクター「サカなもん」の人形……シュールなムードを醸し出していた空間から最初に放たれたのは「アイデアル」。どこかやるせない風味のメロディが心地よい。続いて披露された「幼気な少女」は大合唱を巻き起こし、3曲目「CATCHY」は、途中でマカロニえんぴつの「洗濯機と君とラヂオ」の一節を突然挿入。情熱的なサウンドと遊び心にあふれたSAKANAMONの魅力が、序盤から鮮やかに伝わってきた。

 最初のインターバルで、メンバーたちを紹介した藤森。「カレーライスが好きです。ベース、森野光晴くんです! ドラムス、ファミチキ大好き、木村浩大くんです!」、不思議な紹介のされ方をして、森野は「雑だな」と笑い、木村は「ファミチキ、脂が多くて辛くなってきました」と照れくさそうな表情を浮かべる。和やかなムードとなったところで、「今日は七夕。ロマンチックですね。全然ロマンチックじゃないコール&レスポンスをしていいですか?」と観客に問いかけた木村。「僕が“アゲ!”と言ったら、みんなは“アゲ!”と返してください。言葉のドッチボールです!」……「それを言うなら言葉のキャッチーボールでは?」と思った人もいたに違いないが、そんなことを気にする間もなく展開されたコール&レスポンス。「もっと顔を狙えよ! 今のは肩だね」などと煽られて、観客は全力で「アゲ!」と叫び返していた。

 長男の東京カランコロン、次男のSAKANAMON、三男のマカロニえんぴつ――3兄弟が所属するレーベル『TALTO』への想いをメンバーたちが語り合った後、再び演奏へ。「クダラナインサイド」の熱いサウンドが、開放的な盛り上がりを生んでいた。そして、力強いビートがフロアをダンス天国と化していた「UTAGE」。《♪つまんねぇよつまんねぇよ》という言葉を何度も交わし合った「TSUMANNE」……溜め込んだモヤモヤを浄化できるナンバーの連続を経て、彼らのステージを締め括ったのは「テヲフル」。演奏を始める前に藤森は「TALTOというレーベルができまして、我々は1枚出しました。そんな僕らにぴったりな。そして、みなさんの再出発のきっかけになったらいいなという願いをこめて作りました」と想いを語っていたが、柔らかなメロディを通じて、絶大な力を届けてくれる曲だった。


【東京カランコロン】
 グッズのタオルを広げてステージに飛び込んできたいちろー(Vo・G)。続いて、せんせい(Vo・Key)おいたん(G・Cho)、かみむー氏(Dr)も現れたのだが、一際目立っていたのはやはりこの男、佐藤全部(B)。緑色の葉っぱがついた謎の木の枝を大事そうに持っているのが目を引く。七夕の笹をイメージして用意した小道具なのだろうか? 笹の葉特有の涼し気な「さらさら~」とはかなりニュアンスが異なる「わさわさ~」という不穏な音色が、フロアにまで届いてくる……そして「楽しむ準備はできてますか?」といちろーが観客に問いかけて、「16のbeat」がスタート。高鳴るサウンドに刺激され、会場内の気温は急上昇。続いて「ビビディバビディ」は、観客の明るい手拍子を誘い、「泣き虫ファイター」は、踊りながら歌うせんせいが実に活き活きしていて楽しそう。東京カランコロンならではの個性的なサウンドが、目一杯にきらめいていた。

「最強のはみ出し者たちが集まる夜、『TALTOナイト』。起こし頂き、ありがとうございます!」、挨拶の言葉を経て披露された「スパイス」は、温かいメロディ&ハーモニーが観客の心を和ませていた。そんな穏やかなひと時を経て迎えたMCタイム。いつもスーパーファミコンを楽屋に持ち込んで遊んでいるのだというSAKANAMON、個性豊かなキャラクターの人物が多いマカロニえんぴつ……両バンドとの交流をメンバーたちが語り合った後、「イーアルサンスー」と「シンクロする」が披露され、会場はさらに1つになった。

「去年、ふと立ち止まって、“自分たちがやりたいことって何だったんだろう?”って、みんなでたくさん話をしたんです。そんな時にTALTOができて、僕らが第1弾としてリリースするという話をもらったので、僕たちはそのチャンスを活かして、たくさんの人たちに伝えたいと思って、今年から心機一転、活動してます。僕たちの音楽を信じたいと思うし、みなさんにも信じてもらえたらなと思ってます。本当に好きだったら、途中でやめたり諦めちゃだめだなと強く思ってます。なのでTALTOと共に大きくなっていきたいです」、いちろーが想いを語ってから演奏した本編ラストの曲「トーキョーダイブ」は、現在の東京カランコロンが抱えている情熱をストレートに伝えてくれた。

 アンコールを求める観客の声に応えてステージに戻ってきたメンバーたちは、嬉しい情報を発表。なんと、1年9ヵ月ぶりにアルバム『東京カランコロン01』をリリースすることが決定! 8月18日には、このアルバムの全曲を演奏するフリーライブも開催するのだという。いちろーは「1stアルバムと勘違いされてもいいくらいのアルバムです」と、最新作に対する手応えを語っていた。アンコールでまず披露したのは、まさしくこのアルバムに収録される「321で」。そしてラストを飾ったのは、ゲストボーカルとしてマカロニえんぴつのはっとり、SAKANAMONの藤森も加わった「少女ジャンプ」。観客も共に大熱唱し、ステージ上の彼らと笑顔を交わし合っていた――こうして終演を迎えた『TALTOナイト東京バンド編 』。アットホームなムードと刺激的なサウンドが混じり合った空間が、このレーベルの魅力を自ずと示していた。

【撮影:中山優司】
【取材・文:田中大】

リリース情報

東京カランコロン「ビビディバビディ」

東京カランコロン「ビビディバビディ」

2017年05月03日

TALTO

1. ビビディバビディ
2. ぽっかりsweet(Acoustic Live@FM802)
3. AWESOME FRIDAYS(Acoustic Live@FM802)
4.トーキョーダイブ(Acoustic Live@FM802)

リリース情報

SAKANAMON『cue』

SAKANAMON『cue』

2017年05月10日

TALTO

1.CATCHY
2.不明確な正解
3.lyrics
4.ヘソマガリアの地底人
5.テヲフル
6.クダラナインサイド (cue MIX)

リリース情報

マカロニえんぴつ「s.i.n」

マカロニえんぴつ「s.i.n」

2017年02月15日

TALTO

1. 洗濯機と君とラヂオ
2. 哀しみロック
3. two much pain
4. まなざし
5. スタンド・バイ・ミー
6. メイビーネイビー
7.夜と朝のあいだ

セットリスト

TALTOナイト・東京公演・バンド編
2017.7.7@shibuya eggman

 マカロニえんぴつ
  1. 鳴らせ
  2. 言い訳ばかりの男
  3. 夏恋センセイション
  4. 零色
  5. あこがれ
  6. メイビーネイビー
  7. 洗濯機と君とラヂオ
  8. ハートロッカー
  9. ワンドリンク別
  10. 哀しみロック
 SAKANAMON
  1. アイデアル
  2. 幼気な少女
  3. CATCHY
  4. クダラナインサイド
  5. UTAGE
  6. TSUMANNE
  7. テヲフル
 東京カランコロン
  1. 16のbeat
  2. ビビディバビディ
  3. 泣き虫ファイター
  4. スパイス
  5. イーアルサンスー
  6. シンクロする
  7. トーキョーダイブ
 Encore
  1. 321で
  2. 少女ジャンプ

トップに戻る