ONIGAWARA、恵比寿リキッドルームに大集合したガワラーとオニリンピックを開催!
ONIGAWARA | 2018.07.09
スポーツ観戦とライブ鑑賞は似ている。しかしこれはフィジカルさ、躍動感、生といったアクティヴィティな面に限ったことではない。この両者は他にも、想いを重ねたり、感情移入したり、観終わった後に大きな感動を与えたり、爽快感や不思議な達成感を観る者、参加する者に寄与してくれたりする。
そういった意味では、このONIGAWARAのワンマンGIG『~恵比寿にガワラー大集合!第一回オニリンピック~』には、スポーツばりに観終わった後にバイタリティや何かを成し遂げたかのような達成感や大団円感を残してくれるものがあった。
6月23日は“オリンピックデー”だと言う。それにかこつけて同日、ONIGAWARAによる『ワンマンGIG「恵比寿にガワラー大集合!第一回オニリンピック」』が開催された。「ダンス」「ラップ」「アコースティック」「バンド」の4種目に別れ、しかもメインステージ/サブステージの2ステージを起用するさまはまさに音楽のオリンピック。バンドをバックに従えたステージも久々なことも手伝い、会場の恵比寿リキッドルームへと赴いた。
ライブ開始予定定刻。開会のファンファーレが鳴り響き、まずはオープニング映像がステージ後方のスクリーンに映し出される。鬼瓦所縁の愛知県高浜市を起点に、この日の恵比寿リキッドルームをゴールに、コミカルさを交えた24時間マラソン風の映像が流され場内を和ませる。ステージにはキッズダンサー「オニーズJr.」のメンバーがテープを張り、ゴールの瞬間を待っている。そんな中、満身創痍(演技)でテープを切る2人。と同時に場内からはペンライトでの祝福が。「サライ」の大合唱が起こり、それをバックに抱き合う2人。その後、オニリンピックの開会宣言が成され、聖火点灯の代わりにフロアからは無数のペンライトや携帯ライトがステージへとかざされる。う、美しい…。
1曲目は「We are 鬼!」であった。レーザーが飛び交う中、オニ―ズJr.と共に歌い踊る斉藤伸也(Vo/GAYA/Programming)と竹内サティフォ(Vo/G/Programming)。会場もクラップで応戦し、いきなりの一体感が生まれ出す。ここでウォーミングアップ代わりにラジオ体操がインサート。今後続々登場するであろう楽曲のフリを“準備運動”とばかりに織り込んでいく。2曲目は、「エビバディOK?」。80’sアイドルソング的な世界観が広がっていく。オニーズJr.を交えて振り付きで歌う2人。歌詞の一部を《♪リキッド愛してるよ~》 と交えて歌う。そして、“うちのワンちゃんがナンバー1”との自家愛犬ソング「ナンバーワンちゃん」では、前ノリのビートに乗せてラップも冴える。
続いて種目別。まずは「ダンス」だ。
おいおい、大丈夫かよ…なんて気持ちで臨むも、終始微笑ましく。観るというよりかは眺めるといった趣きの光景が繰り広げられる。
「GATTEN承知之助~We can do it!!~」でミッドとローの効いた前のめりなビートの上、彼ら独特のメロディアスでキャッチーで親しみやすいフレーズやメロディが場内に広がっていけば、「僕、君、彼女」では、《♪あなたを照らす光になりたい》 と歌われ、オニーズJr.もボンボンを持ってラインダンス。最後はそのボンボンたちでLOVEの文字を華麗に型取った。そして「Orange & Blue」に於いては、斉藤、サティフォ双者、左右にシンメトリーでシンクロ。ダンスバトル&お互いを讃え、斉藤もガツンとラップをかます。
ステージ向かって下手側に用意されたサブステージに移動すると、不穏なビートの上、種目は次の「ラップ」へと移る。
立会人に沢田チャレンジ(ザ・チャレンジ)を招き行われた「ONIGAWARA SUPER STAR」で見せたのは斉藤、サティフォによるディベート・ラップ合戦。お互い闘志満々の中、DJ ONIの繰り出すリアルタイムでドラムパッドを叩き、打ち出すビートの上、双方、相手に向けてのディスりが始まる。とは言えご安心を。ディベートしつつもしっかりと互いを讃える様は、まさにからならでは。和みも交えた、微笑ましいバトルが展開された。また「YOU×3」では、MC RACHELとMC MAMIKOの女性2人組ヒップホップユニットchelmico(チェルミコ)を交え、狭いステージに4人+DJスタイルを展開。そして再び2人になりカマしたメローなラップの「夏フェスなんて大嫌い!!なんちゃって」では、ちょっと切ない胸キュンな気持ちが場内いっぱいに広がっていった。
加えてサブステージでは、「#gawararadio」の弾き語りも披露。サティフォのアコギの上、斉藤とデュオでラジオへの愛情が歌われる。
レイヴ/テクノサウンドの上、色とりどりのレーザービームが飛び交った転換のショータイムを挟み、後半戦はバンドスタイル。メンバーのマシータ(Dr)、KO-ney(MPC)、コイチ(Key/ Sawagi)、佐藤亮(G)、カシムラトモヤ(B)がバックを務めた。生バンドならではのファンキーさや躍動感、臨場感が味わえた、このゾーン。ここからは怒涛のラストスパートへと突入していく。
80年代フュージョン・チューン「Masahiro」ではサティフォもギターソロをキメ、「僕の恋人」ではサティフォもハンドマイクでグルーヴィーに歌う。一方、斉藤も負けてはいない。「ホップステップLOVE」では、斉藤もギターを手にトリプルギター体制で臨みライブに弾みをつけ、中でも斉藤/サティフォによるツインリードにはグッとくるものがあった。
巨大なミラーボールが回る中歌われた「ヒットチャートをねらえ!」を挟み、斉藤による深いエコーのかかったMCでの「今からお前たちの全てを抱きしめる!」を機に、斉藤が再び手にギターを持ちトリプルギター体制にて盛り上げ曲のオンパレードに突入していく。
真夏が似合うキラキラとしたチューン「抱きしめたい」が弾ければ、「シャッターチャンス’93」では間にボサノバも交え、後半はお待ちかねのお約束の撮影会が。そこで各々の携帯で写された名ポーズは、SNSを通じ多くの人へと拡散されていった。本編最後はファンキーなディスコチューン「タンクトップは似合わない」が、ペンライトが作り出すワイパーの中、バックメンバーも合わせてステージ全員によるタンクトップ姿で贈られた。気づけばいつの間にか2人の胸には金メダルが…。最後はサティフォがギターソロもポーズもバシッと決める。
「お前たちのおかげで優勝できました!」「これからも良い音楽を作っていきます!」「これにてオニリンピック閉幕!」と、「結果、何が優勝だったのか?」の疑問はさておき(笑)、閉幕宣言が告げられた。
アンコールは例えるとエクストラランであった。「収集がつかないライブですみません…。頭の中のやりたいことを全てやってしまった感じだったので…」とは、各競技を終え、この日の健闘を振り返った際のサティフォの言葉だ。その後、この8月下旬には今年も夏の恒例企画「鬼ヶ島リゾート2マンツアー」を行うことを発表。場内を驚喜させた。そして“瞳キラキラ輝かしていこうぜ!”の気持ちが込められ、一重(ひとえ)讃歌「MEGA☆DEATH」が。同曲は、バンドの生演奏によるグルーヴも手伝い、作品以上のファンキーさと躍動感で放たれ、集まった人たち全ての人生を肯定し応援した。紆余曲折、色々と辿ってきたが、まさに最後は大団円。感動的なゴールシーンに辿り着くことが出来た。
ぶっちゃけ実際には何かが達成されたり、成し遂げられたわけではない。はずなのだが、観終わった後には、どこか彼ら独特の達成感や充足感を、この日も味わうことが出来た。会場を後にする際には、なんだかバイタリティが湧き、前向きで明るい気持ちになっている自分と出会え、そこはかとない充足感が足元から身体中を包んでいった。“次のオニリンピックは4年後かな…?”。その際には今度は一体どんな種目で我々を楽しませ、感情移入させ、気持ちを重ねさせてくれるのだろう。気が早いが次のオニリンピックでの彼らの各種目での勇姿を想像している自分が居た。
【取材・文:池田スカオ和宏】
【撮影:木場ヨシヒト】
リリース情報
GAWARA!
2018年06月13日
ラストラム・ミュージックエンタテインメント
2.MEGA☆DEATH
3.ナンバーワンちゃん
4.夏フェスなんて大嫌い!!なんちゃって
5.Masahiro
6.ホップステップLOVE
7.僕、君、彼女
8.We are 鬼!
セットリスト
ワンマンGIG ~恵比寿にガワラー大集合!第一回オニリンピック~
2018.6.23@恵比寿LIQUIDROOM
- 1.We are 鬼!
- 2.エビバディOK?
- 3.ナンバーワンちゃん
- 4.GATTEN承知之助~We can do it!!~
- 5.僕、君、彼女
- 6.Orange & Blue
- 7.ONIGAWARA SUPER STAR
- 8.YOU×3 feat. chelmico
- 9.夏フェスなんて大嫌い!!なんちゃって
- 10.#gawararadio
- 11.Masahiro
- 12.僕の恋人
- 13.ホップステップLOVE
- 14.ヒットチャートをねらえ!
- 15.抱きしめたい
- 16.シャッターチャンス’93
- 17.タンクトップは似合わない 【ENCORE】
- En-1.MEGA☆DEATH
お知らせ
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