NOWEATHER、バンド史上初のワンマンライブを下北沢DaisyBarで開催
NOWEATHER | 2018.10.05
9月22日に下北沢DaisyBarにて、千葉県出身の4ピースバンド・NOWEATHERのワンマンライブが行われた。本公演はNOWEATHERと下北沢DaisyBarによる3ヶ月連続企画「EVERYDAY FIRE WORKS !!!」の最終公演として行われ、バンドとしては初となる単独公演。そんな文句なしの晴れのステージを観るために多くのオーディエンスが集結し、この日は見事ソールドアウトで迎えられた。
そんな期待とワクワク感で満たされた会場にいよいよ大畑カズキ(Vo/G)、伊藤勇太(G)、篠原朴哉(Ba)、篠﨑健利(Dr)の4人が登場すると、フロアからは大きな拍手が沸き起こった。そしてフロアに青い照明が照らされたのを合図に、4人は拍子がドラマチックに変化していく「香水」をプレイ。初っ端からまるでクライマックスの如く会場の感情をグッと惹きつけた彼らは「千葉県から来ました、NOWEATHERです!」と挨拶も早々に、「ドキドキしようぜ!」と放った疾走感溢れるロックチューン「拍動のきらめき」や「僕たちは自分の足で歩いてきた!」と始まったベースラインの躍動が身体を揺らす「靴底と少女」、さらにドラミングが静寂を呼び戻した後にミディアムチューン「ナイフ」などを一気に投下! そんな勢いから、初めてのワンマンライブということで漲る気合いや、自分たちの曲をたっぷり届けられる高揚感をひしと感じた。そんな感慨深いライブであろうに、大畑は「初めてのワンマンライブです……話すことないな。楽しみましょう、それだけです」と言葉短めにまとめ、さぁ次の曲――というタイミングで、なんと機材トラブルが発生! まさかの事態に直面しながらも「そういうところだよなぁ、それでも愛して下さい!」と伝えた彼らからは焦りは垣間見えたものの、それでもワンマンライブらしいアットホームな雰囲気が気まずさを取っ払って和ませていたし、その空気感は回復後に大畑が放った「人は一人じゃ生きていけないね」という言葉通り、バンドとオーディエンスの関係性あったからこそ生まれたものなのだろう。そして「今日は全然やってなかった曲もやるんで、知らなかったら新曲だと思ってください(笑)」と笑わせ、スローテンポな「ロックンローラー」をプレイ。演奏後には不調だったアンプをごっそり取り替え、晴れ舞台中に続いた災難を振り返り、「今日のことは一生忘れないと思います」と率直な想いを伝えながら、心機一転、アレンジを変えて作り直したというバラード「染まる街、変わらない僕」を演奏した。そして不協和音の果てに差し込まれた一筋の光のようなギターの調べが美しい、熱情と冷静のコントラストが映える珠玉のナンバー「8.31」、切なさが胸打つラブソング「冷たい手」と続け、フロアに凛とした空気をもたらした。
未曾有の事態こそあれど、それにも勝る昂ぶりについて「楽しい、っていう感情しかないです。みんなも固くならずに楽しんでほしい」と言葉にし、その高揚感と開放感を体現するようにのびやかな「告白によせて」を届けた。真っ直ぐに伸びるボーカル、躍動的でありながらも重厚感たっぷりにサウンドを支えるドラムとベース、そして楽曲に豊か表情を与えるギターのバランスの良さはアップテンポ/バラードなどのジャンル問わず伝わってくる。それはバンド自身の力であることはもちろんのこと、「2018年は個人的にも色々あって、中途半端にバンドを止めてしまった人や、やりたくてもバンドができなくなってしまった人、はたまた逆に奇跡みたいにもう一回やり始めてくれた人がいて、バンドをやっていくというのは大変だと思った」と語られたような「バンドとしての出会いと別れ」が培った成長が故でもあるのだろう。そして「その人たちに歌います」と「エイトビート」をプレイした彼ら。この曲のサビでは《できるだけ》というフレーズが何度か出てくるが、その言葉からは謙虚な意味合いの方ではなく「自分ができる最大限の力で、全力を費やすこと」という強い気持ちが伝わってくる。自分が出来ることのキャパシティは限られているし、それを越えようとすると必ずどこかに歪みが生じてしまう。長く続ける為に、出会えた人と離れない為に、そのためには「今の自分が放てる最大限の力」で音楽と向き合い、届けることが一番かつ唯一の方法であること――その大切さを、若き彼らはもう既に感じているのだろう。
そして「ここから早い曲しかやらないので!」と、新曲「スニーカー」を皮切りに、後半戦は「スターゲイザー」「赤い青春」「from amp」などパワーチューンを続々と投下! メンバーチェンジの事なども振り返りながら、大畑は「僕らって暗い曲も多いし、直接「頑張れ」とは言いたくないと思っていて。頑張れって、その人が頑張っていないように見える残酷な言葉だと思うんです。でも僕は精一杯やっている人に感化されてきた人間なので、そういう立場になっていきたいと思います」と話し、決意の歌と称して「オーバードライブ」をプレイ。そこからラストスパートをかけるように「僕は今年の夏を忘れない!」と絶叫した「八月のサスティーン」、そして「さよならは言いたくない!また会いましょう!」と「さよなら恋人」を放ち、エネルギッシュに締め括った。
熱望されたアンコールでは「blue」を一曲渾身でプレイし、バンド史上最大の挑戦を完遂した。トラブルに見舞われながらも、オーディエンス全員をきっちり楽しませて笑顔にした4人。とはいえこれからのバンド人生の中で、今日のような困難や葛藤は恐らく尽きることはないだろう。それでも今日、彼らがそれらをしっかりと乗り越えたように、自分の思うことを真っ直ぐに伝え、奏で、唄い、進んでいくことができれば、彼らの活路はさらに大きく広がっていくのだと思う。そんな希望を抱くことができた一夜だった。
【取材・文:峯岸利恵】
リリース情報
タワーレコード限定シングル「さよなら恋人」
2018年01月24日
primitive
2.靴底と少女
3.告白によせて
セットリスト
NOWEATHER × DaisyBar 3か月連続企画
「EVERYDAY FIRE WORKS !!!」
2018.9.22@DaisyBar
- 1.香水
- 2.拍動のきらめき
- 3.靴底と少女
- 4.残像、街灯
- 5.ナイフ
- 6.ロックンローラー
- 7.染まる街、変わらない僕
- 8.8.31
- 9.冷たい手
- 10.告白によせて
- 11.エイトビート
- 12.スニーカー
- 13.スターゲイザー
- 14.赤い青春
- 15.from amp
- 16.オーバードライブ
- 17.誰も風を止めない
- 18.八月のサスティーン
- 19.さよなら恋人 【ENCORE】
- EN-1. blue
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※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。