THE BEAT GARDEN 主催イベント『KOKOROZASHI ALIVE vol.2』
THE BEAT GARDEN | 2018.10.11
あの日、はっきりと触れることができた彼らの熱き“志”は、そこで途切れてしまうことなく今日という日へと繋がった。“志”、すなわちTHE BEAT GARDENが主宰するイベント『KOKOROZASI ALIVE』だ。今年5月の第1回開催から約5ヵ月にして早くも第2回となる『KOKOROZASHI ALIVE vol.2』が9月30日、東京・渋谷WWWにて敢行された。音楽という場において互いに共鳴し合い、リスペクトし合える、文字通り“同じ志”を持った同志をゲストに招いて一緒にステージを作り上げていくというコンセプトも大きな魅力のひとつであるこのイベント、今回THE BEAT GARDENがタッグを組む相手に選んだのは、なんと同年同日にデビューを果たした、まさしく同志と呼ぶにふさわしき5人組ボーカルユニット・UNIONE。場内は見事なまでに満員御礼、無事にイベントが行われることを喜び合うかのような晴れやかな熱気で満たされているのがとても印象的だった。
登場アーティストを告げるジングルがイベントスタートの合図。最初に姿を現わしたのはUNIONEの5人だ。5人5様の個性が声となって混ざり合い、たちまち無二の世界を押し広げてゆく鮮やかさは、メンバー全員がメインボーカリストと謳う彼らの紛うことなき本領だろう。ミディアムなテンポ感が心地好い「Summertime」の曲中ではSAMとYUUKIがアドリブでにゃんこスターのあの動きをしてみせるなど、観る者をもれなく笑顔にするようなユーモアも随所に散りばめるなど、ぐいぐいとフロアの視線を惹きつけていく。MCでYUTAが明かしたところによれば、実はUNIONE、かなりの人見知りであるらしく、デビュー日が同じTHE BEAT GARDENと打ち解けるまでにもそれなりの時間を要したという。それでも「いろんなところで共演するうちに仲良くなって、一緒にご飯に行ったりして“いつか一緒にライブをやりたいね”って話をするように」なったそう。一足飛びではなく、少しずつ親しみと信頼を重ねてきたからこその、この“vol.2”だと思えばいっそう今日が愛しく感じられるではないか。「天気を忘れるぐらい楽しい思い出にしていきたい」(JIN)、「今日をBeemerのみなさんとUNIONEファンにとって最高の1日にできるように一生懸命、歌を届けていきたい」(ISSY)と口々に意気込むや、遠距離恋愛をテーマに切なさとかけがえのなさをしっとりと歌い上げた「ロンディ」、アッパーな歌声に乗ってフロアいっぱいにタオルが回った「Higher」とラストまで全力で駆け抜け、UNIONEというユニットが持つ幅と実力を存分に発揮、オーディエンスをとことん魅了した。
UNIONEの残した温かな余韻を消すことなく、むしろ自身の放つ体温と融合させていっそう熱く掻き立てる。それができるのが今のTHE BEAT GARDENの強さであり、そうして生まれる一体感こそが“KOKOROZASHI ALIVE”が目指す空気に違いない。1+1が2にも3にも4にもなって、この場の全員をハッピーにするのだ。後攻として登場した彼らのステージはそうしたオーガナイザーとしての意志と矜持をはっきりと感じさせるものだった。
「“KOKOROZASHI ALIVE”へようこそ!」
Uの明るいシャウトからなだれ込んだ1曲目「WELCOME TO THE NEW WORLD」のなんと目映いことだろう。むき出しの生命力とでも言おうか、ここに立てることが嬉しくて仕方がないとばかりに体を、歌を、心をはずませては奔放自在にステージを行き交うU、REI、MASATO。フロント3人の後方に控えるDJ SATORUも負けじと全身で躍動する。そんな彼らを目で追いかけているだけで昂揚は瞬く間にピークに達する勢いだ。
「ついに始まったね、KOKOROZASHI! 一緒に楽しんでいきましょう」
鳴り渡る「answer」のイントロでREIがそう呼びかけると、鈴のような歓声が一斉にフロアに渦巻く。“♪ウォーオーオー”とオーディエンスも一緒になってのスキャットと、それに合わせて交互に上下するフロント3人の両手、統制の取れたアクションはいつ観ても気持ちいいが、この日はいつにも増して一挙手一投足に磨きがかかって美しい。
「“KOKOROZASHI ALIVE”へお越しのみなさま、今日はご来場いただき本当にありがとうございます! そして出ることを決めてくれたUNIONEとUNIONEスタッフのみなさん、ありがとう! 今日は9人とこのWWWにいるみなさんで最高の1日にしましょう!」(MASATO)
「あとはもうみなさんと作り上げていくだけです。準備はいいですか!」(REI)
「今日のためにたくさん準備してきました。楽しんでいってください!」(SATORU)
「UNIONEファンのみなさん、元気ですか! Beemer(THE BEAT GARDENファンの呼称)、元気ですか! 全員で今日は楽しんでいきましょう」(U)
ひとり一人が今日に懸ける想いを口にするたびに起こる凄まじい歓声に「すごいね、200万人ぐらいいるんじゃない?」とおどけては目を丸くするMASATO。UNIONEのライブをずっと見てたというREIが「ISSYが“THE BEAT GARDENは僕のことイジってくれるから大好き!”って言ってたんだけど……」と切り出すと、「ドMってことやんな? でも、そういうこと言われるとイジりたくなくなるんだよな~」とUがドS発言。その流れでSATORUがUNIONEの「ロンディ」を熱唱し、やんやの喝采を浴びるという一幕も(ちなみにSATORUにとってはこれがステージで歌う初めての曲らしく、「なんで初めてがUNIONE!?」と即座にUに突っ込まれていたのが面白かった)。この一連のやり取りだけで彼らとUNIONEの親密ぶりが十二分にわかる。
音楽も人柄も大好きで、アーティストとしても尊敬できるUNIONEに出会えたこと、そんな彼らと彼らのファン、いつも応援してくれるBeemerとこの空間を共有できるのがとても嬉しい、とMASATOが代表して改めて喜びを語り、「この特別な空間が幸せで満ちていくように」と久々に披露された「Promise you」。さらには今日という日が実現したのは「今日、ここに来てくれたみなさんはもちろん、来たかったけど来れなかったみんながUNIONEと僕たちを応援してきてくれたからこその奇跡」だとUが明言し、「こんな素敵な1日をくれて本当にありがとう」と感謝の気持ちをめいっぱいに込めて歌われた「あのね」。ステージを重ねるごとに素のまま、ありのままになっていく彼らの息遣いそのものと言っていい歌はこの上なくやさしく、同時に凄みをも感じさせる。勢いや雰囲気に依ることなく、その歌の本質のところをストンストンと聴き手の腑に落としていくような、さりげない凄み。今、THE BEAT GARDENは次なる覚醒のフェイズを迎えつつあるのかもしれない、と特に「あのね」の極めてアコースティックな肌触りに思う。
ずっと温めてきた楽曲「そんな日々が続いていくこと」が11月28日にシングルリリースされること、それに伴って全国でリリースイベントが行なわれること、そして約1年5ヵ月ぶりのワンマンライブが2月10日、東京・恵比寿LIQUIDROOMで開催決定! という待望のニュースも告知され、最高潮の興奮とともにTHE BEAT GARDENのターンを締めくくったのはやはり彼らのデビュー曲「Never End」。“♪この道は続いていく”、最後のこのフレーズが過去いちばんの説得力をもって心に響いた。
“Never End(終わらない)”なのは“KOKOROZASHI ALIVE vol.2”も然り。いや、ここからが真骨頂だろう。第1回開催でも大好評を博したゲーム対決コーナーは今回、秋といえば運動会だろうと玉入れでガチンコ一本勝負。SATORUを審判に、U、MASATO、YUTA、SAMの“一緒にご飯に行ったチーム”、REI、YUUKI、JIN、ISSYの“ハブられたチーム(笑)”に分かれて勝敗を競う。結果、罰ゲームの巨大ゴムパッチンを喰らったのは“ハブられたチーム(笑)”(なぜかゴムが5本用意されていたため、審判のはずのSATORUも巻き添えに)。普段はなかなか観られない無邪気な素顔にオーディエンスは大喜びだ。ゲームコーナーのあとは、ガラリと雰囲気を変えてスペシャルコラボレーションタイムに突入。MASATOがアコースティックギター、YUUKIがキーボードを演奏するという画期的なスタイルで、THE BEAT GARDENの「Just Before Dawn」をREI、JIN、ISSYが、UNIONEの「Friendship」をU、SAM、YUTAが歌う。今日ならではのハーモニー、互いの絆を大切にしてこれからも成長していこうという行間から滲み出す決意が実に愛しく響いた。なお、THE BEAT GARDENがステージでアコースティックギターを持つのは今回が初。さまざまな試みができるのも“KOKOROZASHI ALIVE”の醍醐味だ。
白眉はお互いの楽曲を交換し、渾身のカバー合戦を繰り広げた楽曲交換コーナーだった。先手はUNIONE、歌うはTHE BEAT GARDENの「Alive」だ。声のパートが5つに増えたことにより、オリジナルに比べてより中性的な艶が宿り、ひときわ垢抜けた印象になるのが興味深い。曲中、「まだまだいけるだろ!」「会場を揺らせ!」とJINが煽れば渾然一体となってフロアもはずむ。狂騒に拍車をかけたのはTHE BEAT GARDENがカバーするUNIONEの「パッサボーラ!」。衣装も振り付けも見事に完コピ、とどめはSATORUが抱えてやってきたお手製のISSYマネキンが刺した。しっかりイジられてISSYもさぞや嬉しかったことだろう。遊ぶところは遊び、しかし肝心の歌はばっちりとキメる、このギャップが楽しい。本気で互いをリスペクトすればこそなせる業に違いない。フィナーレは9人が一堂に会しての「Sky Drive」、THE BEAT GARDENの代表曲をオーディエンスも声を揃えての大合唱で飾った。
「UNIONEはこれからも親友です。今日来てくれたUNIONEファンのみんなとBeemerのみんなも(僕らみたいに)仲良くなってくれたら嬉しい。俺らもみんなの友達だと思ってるし、今日だけにしたくないから、どうか僕たち9人と一緒に歩んでください! 今日は本当にありがとうございました。来れなかったみんなもありがとう! またな!」
最後の最後、マイクを通さずに生声でUが叫んだ言葉が今も耳の奥で温かい。THE BEAT GARDENもUNIONEも共にデビュー3年目を迎え、この先さらに飛躍のときを迎えるのだろう。未来はきっと希望だと力強く教えてくれる、そんなイベントでもあった。“KOKOROZASHI ALIVE”がどう進化していくのか、次回開催も待ち遠しい。今回も主宰を見事に務めあげたTHE BEAT GARDENの進む道、まずは11月のニューシングルを楽しみにしていよう。
【取材・文:本間夕子】
【撮影:Daisuke Sakai】
リリース情報
そんな日々が続いていくこと
2018年11月28日
ユニバーサルシグマ
2. 本当の声で
3. みんなへ
4. そんな日々が続いていくこと (Instrumental)
5. 本当の声で (Instrumental)
6. みんなへ (Instrumental)
セットリスト
KOKOROZASHI ALIVE vol.2
2018.09.30@渋谷WWW
-
■UNIONE
- 1.LOVE OCEAN
- 2.Summertime
- 3.ロンディ
- 4.Dramatic
- 5.Higher
- 6.ダンデライオン
- 1.WELCOM TO THE NEW WORLD
- 2.answer
- 3.Promise you
- 4.あのね
- 5.花火
- 6.Never End
- 1.Just Before Dawn
- 2.Friendship
- 3.Alive
- 4.パッサボーラ!
- 5.Sky Drive
■THE BEAT GARDEN
■コラボ
お知らせ
SHIBUYA SWISH〜autumn edition〜
10/13(土)TSUTAYA O-EAST
KYOTO SWISH〜autumn edition〜
10/21(日)KYOTO MUSE
第51回雨山祭
10/28(日)大阪体育大学 多目的グラウンド
7th single「そんな日々が続いていくこと」発売記念ミニライブ&握手会
11/03(土・祝)アリオ倉敷 屋外イベントステージ
11/04(日)ららぽーと新三郷 1F スカイガーデン
11/10(土)アリオ橋本 1階 グランドガーデン
11/11(日)あまがさきキューズモール 2F緑遊広場
11/17(土)銀座山野楽器 仙台店 1F店頭特設ステージ
11/18(日)イオンモール木曽川 1F ノースコート
11/23(金・祝)ららぽーと柏の葉 本館2F センタープラザ
11/24(土)イオンモール常滑 ワンダーフォレストきゅりお内 ワンダーステージ
11/28(水)阪急西宮ガーデンズ 4階スカイガーデン・木の葉のステージ
12/01(土)ららぽーと立川立飛 2F イベント広場
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11/25(日)岐阜 club-G
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12/08(土)NAGANO CLUB JUNK BOX
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12/15(土)LIVE ROXY
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