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ハルカミライ、逆風に負けず全力でぶっ飛ばした「ツアーオブバンドスター」初日を観た!

ハルカミライ | 2020.09.16

 新木場STUDIO COAST手前にある千石橋を渡る際、いつも強い風が容赦なく吹きつけてくる。この感覚も久しぶりだなあと余韻に浸りながら、会場に入った。すると、1階にはソーシャルディスタンスを保つために椅子が設置されているではないか。新木場STUDIO COAST=スタンディングという景色しか観たことがないため、ちょっと驚きを隠せなかった。

 入口付近には「座席の移動はお控えください」、「咳エチケットにご協力ください」、「声援は控えめにお願い致します」、「公演中の発声はご遠慮ください 拍手での応援をお願いします」と注意事項の書かれた貼り紙をいくつも見かけた。そんな中でステージ背後に設置された「HARUKAMIRAI IS ALWAYS AT THE LIVE HOUSE」と書かれたフラッグを見て、熱い気持ちが込み上げてきた。日々刻々と変わる日常において、フラッグに込めたバンドの意志は絶対に変わらない。いくら音楽シーンに逆風が吹き荒れようとも、ライブハウス・カルチャーを守り抜くんだ。そんなバンド側の気迫が、ここに集まった人たちの心根まで焚き付けるパフォーマンスを展開した。

 ハルカミライの2ndフルアルバム『THE BAND STAR』リリースツアー「ツアーオブバンドスター」初日公演が新木場STUDIO COASTで開催。今日は冒頭でも記した通り、新型コロナウイルスの影響により、各地ライブハウスのガイドラインに沿う形を取り、有観客ライブで決行。開演前の場内は通常とは違う静けさが漂っており、もしかすると、今年初ライブがハルカミライという観客も多かったのではないかと推測する。

 開演19時少し前に客電が付いた状態で関大地(Gt/Cho)、須藤俊(Ba/Cho)、小松謙太(Dr/Cho)がステージ前方に集い、「久しぶり!」と親しい友人に呼びかけるように橋本学(Vo)が最後に登場。序盤から切れ味鋭い演奏を叩き付け、ボーカルとコーラス・ワークはクリアな響きを伴って迫ってくる。観客は早くも拳を振り上げてノッており、熱い一体感が生まれていた。

 「気のせいかな、歌声、めっちゃ聴こえるんだけど」と橋本が発言。これは2階席から観ていた者としても同意見だ。観客はマスク全員必須で、声援や発声は極力控えるように言われているため、おそらく誰も大声なんて出していない。ただ、ハルカミライの楽曲はシンガロング・パートが多く、以前ならば観客を巻き込んで耳をつんざく大合唱が起きていた。フロアの歓声がなくても、あるように聴こえるのはなぜだろう。特に過去の楽曲はライブで何度も聴いているので、歓声も織り込み済みで受け取ってしまうのか。いや、そうじゃない。新作の楽曲においても、より一層歓声が聴こえてくるような錯覚に襲われてしまった。

 激しくうねりを上げるベース・ラインが印象的な「夏のまほろ」は真夏の高揚感とセンチメンタルな哀愁が背中合わせとなり、聴き手の心を激しく揺さぶってくる。「今年最初で最後の夏だぜ!」と曲中に叫んでいたが、熱さも切なさも超えた芯の太い歌メロは強力なエネルギーを放出。また、「100億年先のずっと先まで」もライブで聴くのを楽しみにしていた楽曲の一つで、これがまた予想以上に素晴しかった。音源と比べると演奏は荒々しく、同時に繊細な部分も垣間見え、何より“永遠”の二文字が頭を過る壮大なスケールでこちらを包み込んでくる。加えて、アウトロのロマンチックなギターフレーズまで神経を張り巡らせた曲展開も見事だった。<100億年先のずっと先まで 運命の命が繋ぎ合えばいいな>の歌詞などもはっきりと耳で聴き取れ、これはハルカミライ流の光(希望)の歌なのだと解釈した。

 そして、再び「みんな歌ってないよね?」と橋本が声をかけると、「歌ってません!」と一人の男性客がすかさず答える。そんなやり取りを経て、過去に新木場STUDIO COASTで行われたオールナイト・イベントに出演した際、いきなりカップリング曲をプレイし、フロアは水を打ったように静まり返ったそうだ。苦い思い出を振り返りつつ、「俺たちはイチからかっこ良くなれる!」と須藤は堂々宣言。そこには現在のコロナ禍という状況にも屈しない彼らのタフな生きざまを感じた。

 さらに「俺たちが呼んでいる」に入ると、須藤はベースを地べたに置き、ステージで踊ったり、跳ねたりと無軌道なパフォーマンスで観客を盛り上げていた。通常ハルカミライのライブは観客が大声で歌い、汗と汗とを飛ばし合い、グチャグチャになって暴れている。フロアを代弁するように、メンバー自らステージ上でタガを外して暴れ回る姿に痛快な気分になった。

 「合唱以外で何かできねぇかなって」と橋本が口火を切ると、QUEENの「We Will Rock You」のごとく手拍子と足音を観客に促して、実際に自身の楽曲を演奏したものの、うまく噛み合ずに中止する場面もあった。そうした試行錯誤も、観客の心に少しでも寄り添いたいという姿勢の表れだろう。それはここにいた人たちにも確実に伝わっていたはずだ。事実、プレイされるどの曲においても、天上に向かって熱い拳が伸び、その場で激しくノッている観客ばかりだったから。「アストロビスタ」を演奏中に「ハートで歌ってくれ!」と橋本は発していたけれど、観客は序盤からハルカミライの楽曲をハートで歌っていたに違いない。

 この日も事前にもらったセットリストからは逸脱、脱線する自由奔放っぷりを発揮してくれたが、改めてハルカミライのライブはどんな障害も乗り越えて、人と人のハートを一つにしてくれる歌なんだなと再認識した。

 最後に「いってきまーす!」と元気よく別れを告げる橋本。ちなみに、ツアー初日のこの日はメンバーも気合いが入り過ぎていたのか、関のエフェクター・ボード、須藤のベース、小松のドラムと漏れなく楽器陣3人の機材がライブ終盤に壊れるハプニングが起きたものの、無事に全行程を終了。とにかく今回のツアーを通して、彼らはまた末恐ろしいライブ・モンスターへと成長を遂げるだろう。全力でブッ飛ばしたツアー初日を観て、そう思わずにはいられなかった。

【取材・文:荒金良介】
【撮影:MASANORI FUJIKAWA】

tag一覧 J-POP ライブ 女性ボーカル ハルカミライ

リリース情報

THE BAND STAR

THE BAND STAR

2020年07月08日

ユニバーサルミュージック

01.THE BAND STAR
02.夏のまほろ
03.優しく飛んでゆけ
04.100億年先のずっと先まで
05.ろくでもねぇ
06.フュージョン
07.PEAK’D YELLOW
08.ピンクムーン
09.ブレーメン
10.友達
[DVD]
昨年12月に幕張メッセで開催されたワンマンライブ「A CRATER」をノーカット収録!

お知らせ

■ライブ情報

ツアーオブバンドスター
※終了した公演は割愛
− 2020年 −
09/23(水)福岡BEAT STATION
09/29(火)なんばHatch
10/03(土)松阪M’AXA
10/04(日)生駒RHEB GATE
10/10(土)宇都宮HELLO DOLLY
10/11(日)水戸LIGHT HOUSE
10/15(木)小倉FUSE
10/23(金)酒田MUSIC FACTORY
10/25(日)青森Quarter
10/31(土)福井CHOP
11/02(月)広島CLUB QUATTRO
11/03(火)出雲APOLLO
11/07(土)鹿児島SR HALL
11/08(日)宮崎FLOOR
11/13(金)松本ALECX
11/15(日)甲府KAZOO HALL
11/20(金)徳島club GRINDHOUSE
11/21(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
11/23(月)米子AZTiC laughs
12/03(木)横須賀かぼちゃ屋
12/06(日)金沢vanvan V4
12/11(金)高知X-pt.
12/12(土)松山WstudioRED
12/17(木)KYOTO MUSE
12/22(火)神戸太陽と虎
− 2021年 −
01/05(火)八王子Match Vox
01/09(土)新潟LOTS
01/11(月) F.A.D YOKOHAMA
01/16(土)札幌PENNY LANE 24
01/17(日)札幌PENNY LANE 24
01/23(土)高松DIME
01/24(日)高松DIME
01/30(土)大分T.O.P.S Bitts HALL
02/07(日)周南RISING HALL
02/13(土)桜坂セントラル

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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