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超特急、“テーマパーク”から笑顔を届けたオンラインライブ

超特急 | 2021.01.12

 数々のエンターテイメントをやむを得ず諦めることとなった、2020年。お花見も花火大会も行われることなく、数え切れないほどのフェスやライブが中止となった。そればかりか、“楽しむ”という気持ちさえ制限されているように感じた人も多いのではないだろうか。頑張っている人がいるから、苦しんでいる人がいるから、楽しんではいけない。そんな無言の圧力が蔓延していた1年のように思う。
 だからこそ、超特急が開催した『BULLET TRAIN ONLINE SPECIAL LIVE 2020 「Superstar」』12月25日公演のコンセプトが“テーマパーク”だったのは、救いのように感じた。テーマパークは“楽しむこと”を目的として作られており、なおかつ夢のように楽しい世界で現実を生きるパワーを蓄える場所だ。超特急が作り出した一夜も、そういったエネルギーに溢れていたのである。

 本編は華やかなテーマパークのムービーからスタートする。誘われたさきで待っているのは、遊園地の支配人に扮した超特急のメンバー。さあ、パーティータイムの幕開けだ。
 1曲目の「走れ!!!!超特急」からパフォーマンスはすでに全力投球で、彼らにはウォーミングアップなんていう概念は必要ないのだということを感じさせる。久しぶりのライブへの嬉しさからいつも以上にユーキの動きが大きくなると、その姿にカイがつられ笑い。<一緒に行こうよ>とワンナイト限りのテーマパークへ、手を引っ張っていった。「Winter Show」が奏でられるころには、オーディエンスの頬は自然とほころんでいたことだろう。クルクル変わる表情に実力があるからこそできるコミカルな振り付けは、一瞬ごとに観る者の心を鷲づかみにしていく。ポップ&キュートな「Pretty Girl」、サイケデリックかつキャッチーな「超えてアバンチュール」と、飽きる間を与えぬステージングが展開された。

 クラップで始まる「What’s up!?」は、応援団のような振り付けが印象的なナンバー。目まぐるしく変わる表情とメリハリのあるダンスを従えて、<明日はきっと笑えるから>なんて言われたら、全部のことが上手くいきそうな気だってしてくる。ホッと緩んだ心を掴むと、全15曲の「超特急スペシャルメドレー」へと突入した。EDMチューンの「Drive on week」で封切り、新旧問わぬ楽曲たちと共にテーマパーク内をエスコート。「up to you」ではリョウガとユーキがイチャイチャした会話を繰り広げ、「One Life」ではカイとタクヤが彼氏感を演出、「Whiteout」ではタカシが持ち前の美声を余すことなく披露した。バラードもポップもお笑いも内包したメドレーは、さながら超特急の美味しいところ全部詰めだ。惚れさせ、笑わせ、ちょっぴり泣かせる。この9年間で彼らが培ってきたものが、いかに多いのかということを想像させるには十分すぎる時間だった。

 MCでは、この日の衣装や10年目でやりたいことをテーマにトークを進めていく。衣装のプロデュースを担当したカイは「めちゃくちゃ似合っていてかっこいいな、好き」と満足そうな表情を浮かべた。
 絆を感じられる「キズナアルゴリズム」で終盤戦を封切り、緩急をつけながらライブは走っていく。品のある大人の色気で魅せたのは、「サヨナラは雪のあとで」だ。1番はタカシのソロで惹きつけ、2番はダンサー4人のパフォーマンスで魅了。コミカルでハッピーなメンバーを見ていると忘れそうになるが、超特急は歌もダンスも実力のあるユニットだ。だからこそ、かっこつけたときには最強にかっこよく、ふざけたときにはちゃんと笑わせてくれる。能ある鷹が爪を隠すように、デキる超特急も変に驕らず。変顔だってパロディ感満載の振り付けだって、全部本気でやりきっていく。だから、超特急はブレることなくかっこいい。「Asayake」で力強く“僕はここで踊るよ”と宣言すると、「Revival Love」「My Buddy」とラストスパートをかけていった。

 タカシの「僕たちの原点です」という紹介により、1stシングルの「No More Cry」へ。原点であるナンバーを踊る5人の表情は穏やかで、すべてを物語っているよう。しっかりと男性らしくなった体格、クオリティのあがったパフォーマンス、超特急と8号車を結ぶ強い絆。なんとなくやり過ごすわけでなく、着実に9年を積み重ねてきたのだと、あの場の空気は物語っていた。
 クリスマス感満載の「Sweet Bell」で幸福感を増し、繋がれたのは「Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~」だ。ノリのいいEDM調のトラックは華やかで、笑顔で締めくくる超特急らしい。「これからも10周年に向けて、超特急らしく頑張っていきたいと思います!」とリョウガが告げ、オンラインライブ1日目を結んだのだった。

 ただただ「楽しい」と思えるパフォーマンスを巻き起こし、多くの人にハッピーを届けた超特急。難しいことを難しく表現せず、だからといってファンに媚びることもせず。楽しむ気持ちと明日を生きる希望を与えてくれた彼らは、2020年の名誉サンタクロースだったのかもしれない。まだまだ先の見えない日々は続いていくが、超特急のようなエンターテイナーがいれば超えていけそうな気がしてくるもの。10周年に向けて躍進していく5人から、引き続き目が離せない。

【取材・文:坂井彩花】

tag一覧 J-POP 配信ライブ 男性ボーカル 超特急

リリース情報

Asayake

Asayake

2020年12月16日

SDR

01.Asayake
02.Fantasista
03.キズナアルゴリズム
04.What’s up!?

セットリスト

BULLET TRAIN ONLINE SPECIAL LIVE
「Superstar」
2020.12.25

  1. 01.走れ!!!!超特急
  2. 02.Winter Show
  3. 03.Pretty Girl
  4. 04.越えてアバンチュール
  5. 05.What’s up!?
  6. 06.Drive on week
  7.   超越マイウェイ
  8.   COMP!!COMP!!COMP!!
  9.   HOPE STEP JUMP
  10.   浮つきWEVES
  11.   up to you
  12.   One Life
  13.   Whiteout
  14.   Jesus
  15.   Bloody Night
  16.   Believe×Believe
  17.   Dear My グッバイ
  18.   Drawイッパツ!
  19.   PAPAPAPA JUMPERS
  20.   Don’t Stop 恋
  21. 07.キズナアルゴリズム
  22. 08.サヨナラは雪のあとで
  23. 09.Asayake
  24. 10.Revival Love
  25. 11.My Buddy
  26. 12.No More Cry
  27. 13.Sweet Bell
  28. 14.Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~

お知らせ

■ライブ情報

BULLET TRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING「Hoopla!」
06/04(金)神奈川 ぴあアリーナMM
06/05(土)神奈川 ぴあアリーナMM
06/06(日)神奈川 ぴあアリーナMM
06/10(木)兵庫 神戸ワールド記念ホール
06/12(土)兵庫 神戸ワールド記念ホール
06/13(日)兵庫 神戸ワールド記念ホール

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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