Droog、ファーストミニアルバム発売。本気の狂気が炸裂!
Droog | 2011.07.05
初めてロックバンドを好きになるのなら、できるだけピュアなバンドがいい。むき出しの言葉とグルーヴを持つDroogは、まさにそれにぴったりのバンドだ。
現在の音楽シーンで超大型新人として呼び声の高いバンド“Droog”が、ミニアルバム『LOVE SONGS』でついにメジャー・デビューを果たす。大分県別府市出身の、平均年齢19才の4人組。「全滅ロック」、「いざさらば書を捨てよ」、「からかわないで」。これらは彼らがインディーズ時代にリリースした曲のタイトルだが、これだけでもリスナーの胸と期待を高鳴らせるインパクトが充分にある。カタヤマヒロキ(vo)、荒金祐太朗(g)、多田拓斗(b)、右田智弘(dr)のメンバーの内、ソングライター・チームであるカタヤマと荒金にインタビューしてみた。
- EMTG:『LOVE SONGS』に入っている6曲は、どういう順番で作ったんですか?
- カタヤマ:アルバムの曲順と逆に、6曲目の「狂気の沙汰」から作り始めて、最後にできたのが1曲目の「LOVE SONG」ですね。
- EMTG:えーっ?! 完全に反対の並びなんだ。
- カタヤマ:出来上がって並べた結果そうなったってだけで、たいした意味はないですよ。
- EMTG:いやいや、何かありそうだ(笑)。「狂気の沙汰」はかなりイライラしてる歌詞だよね。
- カタヤマ:そのとき、リアルに思ったことを書いてるだけです。
- EMTG:「あいつは変わった」とか「丸くなったね」とか、まるでメジャー・デビューにあたって周囲から言われそうな悪口を、自分たちで歌ってる(笑)。
- カタヤマ&荒金:あははは、イラついてますか(笑)。
- カタヤマ:俺は今まで発表してきた歌は、すべてラブソングだと思って作ってきたけど、この歌だけはラブソングじゃない。で、この歌があるから、アルバム・タイトルを『LOVE SONGS』にしたんです。♪俺は どうすりゃいいのか♪って、歌ってるとおりですよ。
- EMTG:面白いこと言うヤツだなあ(笑)。じゃあ、1曲目に「LOVE SONG」を置いたのは?
- カタヤマ:今回のアルバム作りの終止符を、最初に聴かせるってことですね。「狂気の沙汰」から始まって、いろんなものを消化しようとしてもがいてたことにバイバイしたかった。だから『LOVE SONGS』は、ドラマチックなアルバムになってると思います。
- 荒金:この曲は最初から、すごく雰囲気があって。それに対して、じゃあこういうギター・リフが合うのかなって考えていった。最近そういう風に、空気感とかイメージから曲を考えるようになったんですけど、俺の中でそのきっかけになったのが、この曲です。
- カタヤマ:じゃあ、次のステップへのスタートの曲か?
- 荒金:でもあるね。
- カタヤマ:俺はいつも最初にイメージがあるけどね。歌いたい匂いだったり、色だったり。むしろそこを重視してるぐらいな感じなんで。
- EMTG:ライブって、そのバンドの匂いとか色を感じに、みんな見に来るわけだから、それっていいことだね。特にフェスとかに行くと、それぞれの色や匂いの違いが分かって面白い。まあ、悪臭漂うバンドもいっぱいいるけど(笑)。
- 一同:ははははは(笑)
- カタヤマ:無味無臭のバンドはつまらないですよね。
- EMTG:「ようやく(荒金くんが)同じレベルに来たな」って感じなの?
- カタヤマ:はははは、いらっしゃい(笑)。
- 荒金:ただいま(笑)。
- EMTG:荒金くん、ちょっと負けてるわ(笑)。
- 荒金:…負けてます。でも、俺が負けようとも、そのカタヤマとバンドを一緒にやってる時点で、俺ら、勝ちなんですよ。
- 一同:あはははは(笑)
- EMTG:ズルイなあ(笑)
- カタヤマ:すいません(笑)
- EMTG:ソングライター・コンビとしては絶妙のバランスだね。Droogにとって、メジャーデビューというのは、出口を目指す事なのか、入口を探す事なのか、どっち?
- カタヤマ:どっちでもないと思います。出口も入口もないよな?
- 荒金:うん。
- カタヤマ:だって俺ら、出口はもう「全滅ロック」を作った時点で壊しちゃったし(笑)。
- 荒金:メジャー・デビューする前と後と、同じ気持ちかと言われたら、絶対違うんですけど、でも、より一層自分の気持ちがわかったつうか。やることは明確なんですよね。メジャー・デビューするにあたって、このバンドでやりたいことが、今までより濃くわかった。
- カタヤマ:俺らの席があいてるしね。今、俺らがイメージしているドンピシャのパンクバンドも、パンク・ギタリストもおらんと思うんですよ。俺らは、ドストレートのパンクバンドだし。 荒金:うん。ドンピシャのパンクバンドが、いねぇんだな。だけん、俺らがイメージしちょるドンピシャを、俺らがただやるだけなんです。
- EMTG:元祖パンクバンドのセックスピストルズにしても、当時は女の子にキャーキャー言われながらやってたわけだけど、“硬派なバンド”を目指すDroogとしては、メジャーでそういう状況になったらどうするの?
- カタヤマ:そういう王道のパンクバンド、ロックバンドはキャーキャー言われて、当然やと思いますが。
- EMTG:揺るがない?
- カタヤマ:はい。そういう状況も含めて、笑っちゃいます。
- 荒金:そもそも、客をあんまり信用してないっすからね。
- EMTG:あちゃー、パンクな台詞だねえ(笑)。もし、昔の自分がライブハウスに今のDroogを見にいったとしたら?
- カタヤマ:フロアの真ん中にはいなくて、1番後ろで見てるでしょうね。端っこで見てると思う。
- EMTG:大分でバンド始めたころの自分が、「Droogがメジャーデビューをする」って噂を聞いたら、どう思うのかな?
- カタヤマ:たぶん、「ああ、あいつら、もうダメだな」って言うと思います。
- 荒金:言うよな。
- EMTG:あはは(笑)。いいねぇ。
- カタヤマ:絶対言ってます。それが俺らの強みやとも思うし。
- EMTG:これからも元気で暴れてください。
- カタヤマ&荒金:はい!
【 取材・文:平山雄一 】
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●カタヤマ
ヴェルベットアンダーグラウンド『ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート』
ヴェルベットはセカンドを聴いたこと無くて検索したんすよ。 中古CD屋でセカンドを買って聴いてみたら、なんか聴いたことある始まり方で。 そしたら、ジャケットだけセカンドで中身はファーストでした(一同大爆笑)。
●荒金
ルースターズ「どうしようもない恋の唄」
ルースターズは好きで聴いていて。この曲も、You Tubeで検索して聴いたんですけど。びっくりしたのは、大江さんのギターが、どクリーンだったこと。すごいクリアでクリーンな音だった。あんなにクリーンだと思ってなくて、もっとこう……逆の印象だったから、驚きましたね。
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