School Food Punishmentらしいカッコよさを追求したアルバム 『Prog-Roid』が完成!
School Food Punishment | 2011.07.11
エレクトロニカやプログレッシヴなど様々な音楽ジャンルを消化し、緻密に構築されたハイセンスな音楽、そして内村友美の聴く者の耳を捉える透明感溢れる歌声で、アーティストからの支持も高い4人組バンドSchool Food Punishment。
前アルバム『amp-reflection』から約1年3ヶ月ぶりとなる2ndアルバム『Prog-Roid』をリリース! 制作を通してバンドの在り方を再確認し、完成された今作は、アナログとデジタルを併せ持った“School Food Punishmentらしさ”が凝縮。紅一点・内村友美とドラムの比田井修の2人に話を聞いた。
- EMTG:今作『Prog-Roid』は、前アルバム『amp-reflection』から1年3ヶ月ぶりになりますが、バンドにとってどんな期間でしたか?
- 比田井修:『amp-reflection』をリリースするまでのデビュー1年目は、すごくハイペースで進んでいって、とにかくついていくのに必死だったんですね。だから、そこを一度見直し、立て直さないと大変だなと思って。メンバー同士の話し合い、周りのスタッフ含めての話し合い、そういう時間が多かったです。
- EMTG:例えばどんな話し合いがありましたか?
- 内村友美:『amp-reflection』がすごくいいアルバムだなと思えたので、これを超えるにはどうしよう? って単純に思ったんですよね。そこで考えたのは、“もっと自分たちの力を向上させながら、時間をかけて突き詰めていきたい”っていうことだったんです。
- EMTG:それで実際に、ご自分たちの力でやり始めたわけですか?
- 比田井修:ええ、“自分たちの満足のいくものをやってみよう”って始めたんですけど……出来たものは満足のいくものにはならなくて(苦笑)。話し合いの期間の中で、バンドを客観的に見ることができたんですね。そこで“School Food Punishmentはこうあるべき”とか、“School Food Punishmentのカッコよさはここ”って確認できたんですけど、自分たちで仕上げた曲がそこまで達成しなくて。
- 内村友美:“なんで納得しないのか?”っていうことを考えた時に、“自分たちの力でやりたい”っていうことが大事だったんじゃなくて、“もっとカッコいいものが作りたい”っていうことがやりたかったんだなって気づいたんですよね。
- EMTG:なるほど。そこで具体的に何かコンセプトは持ち上がったんですか?
- 比田井修:コンセプトは特になかったですね。漠然と“カッコいいもの”っていう。
- 内村友美:もともとは、「RPG」っていう曲を出したいっていうところから始まったんです。それが核になるようなフルアルバムを作ろうよっていうのが決まって。それで『Riff-rain』(3rdミニアルバム)から一緒にやっていただいてるプロデューサーの江口(亮)さんに入っていただいて。そこからはスピードアップして完成させていった感じですね。
- EMTG:「RPG」をはじめ、効果音で曲の雰囲気を出していたり、また楽器のアンサンブル、さらに同期モノも含め、サウンドはすごく緻密に構築されている印象を受けました。
- 内村友美:今のSchool Food Punishmentを提示するのに、やっぱり“構築されたサウンド”って大事なところだと思うんですね。それもやっぱり、江口さんとのマッチングによって生まれるものだと思ってますね。
- EMTG:その江口さんとの作業の中で、例えばどんなことを大切にしてますか?
- 比田井修:最近思うのは、信頼ですね。例えば、最初に江口さんから“ドラムはこういうパターンにしてみようか”って提案された時は、“本当に曲に合ってんのかな?”って思ったりするんですよ。でも他のパートが重なってきたり、歌が乗ったりした時に、やっとドラムをそうした意味がわかるというか。信頼してるからこそ、できてるところがありますね。
- 内村友美:あと江口さんって、楽器の全部が歌うんですよね。また、楽器で歌わせるのも上手な方で。だからSchool Food Punishmentの曲ってすごくドラマチックに聴こえていると思うし、それがウチの大きな要素になってると思うんですよね。楽器全部が歌ってる音楽っていう。
- EMTG:聴いてるうちに自然に乗ってましたね(笑)。今回、歌詞を書く上でも変化はありましたか?
- 内村友美:今までの歌詞は、自分がわかればいいと思ってたんですよね。“自分はこの言葉がカッコいいと思うから”“このニュアンスがいいと思うから”っていう感じで、ストーリーとして人に伝わんなくたってカッコよければいいって。でも去年、リスナーの方から“この歌詞の、この部分にすごく勇気をもらいました”っていう言葉をもらったのがすごくうれしかったんです。もっともっとわかりやすく伝わる歌詞にしたいなって思って。散文詩とか詩じゃなくて、“歌詞”を書きたいっていうふうに思うようになりました。どうやったらもっと人に伝わるんだろうとか、どうやったら音に乗った時にストーリー性が生まれるんだろうとか、時間の流れを感じることができるんだろうとか……“歌詞を書く”っていうことの基礎的なことを学ぼうっていうマインドで書きましたね。
- EMTG:その時々の心象や感情が1曲1曲にリアルに出ていますが、やはり実体験が多いんですか?
- 内村友美:いえ、フィクションで書いてる曲がすごく多いです。
- EMTG:そうなんですか!?
- 内村友美:でも振り返って見直してみると、やっぱり自分の話だったり、その時に思った気持ちがまんま出てるんですよね。
- 比田井修:表現こそ違えど伝えたいことは同じっていう。
- 内村友美:そう! 伝えたいこととか気持ちっていうのは、フィクションで書いても変わらないんだなっていうことも気づきましたね。
- EMTG:改めて完成された『Prog-Roid』はどんな作品になったなと思いますか?
- 比田井修:いろいろなタイプの楽曲が入ってると思うんですけど。“Prog-Roid”というタイトルにもありますが、僕らがテーマにしてる“アナログとデジタル”“生演奏とプログラミング演奏”という相反するものの共存がバランスよく表現された、“School Food Punishmentらしい”作品になったと思いますね。
- EMTG:今後、『Prog-Roid』を引っ提げたツアーも予定されていたりするんですか?
- 内村友美:はい、秋頃にツアーをしようと思ってます。
- 比田井修:『Prog-Roid』ができたことで、ライブの表現もそうですし、いろいろ変わっていくんじゃないかなと思ってますね。
- 内村友美:変化を楽しめるバンドでありたいですよね。これから先の作品とか活動自体、変化しながらも一貫して筋が通っているものになっていくといいなって思います。
【 取材・文:牧野りえ 】
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リリース情報
INFORMATION
■ライブ情報
♪School Food Punishment
TOUR 2011 “Prog-Roid”
◆開始日:2011年9月11日(日)~
※ツアーの詳細はオフィシャルサイトをご確認下さい
♪School Food Punishment
TOUR 2011 “Prog-Roid”
◆開始日:2011年9月11日(日)~
※ツアーの詳細はオフィシャルサイトをご確認下さい