レビュー

School Food Punishment | 2011.12.07

周りの人たちが異口同音に、「最近のSchool Food Punishmentの女性ヴォーカリストの歌声が艶っぼくなった」と話す。正直、僕も前作シングル「RPG」を一聴した際から、それを強く思った。色気が出たというか、より感情移入に長けてきたと言うか…。同じ声質を擁しながらも、まるで違うヴォーカリストのようだ。先のブランクの間に何かあったのだろうか? とにかく、ヴォーカルの表現力が、かなりのアップを見せている。

そして、そんな彼女の歌声とよりフィットしている楽曲が今回のニューシングル「How to go」だ。というのも、今回のうわもの使用楽器としてメインを飾っているのが、楽曲の上、エレガントに泳ぎ回っている鍵盤。このエレガントさと彼女の艶やかな歌声が、非常にベストマッチを見せているのだ。

基盤となる16ビートの躍動感あふれるリズムと幾何学模様を描くトランスフォームでトランシーなサウンドの上、未来性と刹那感、凪を感じる歌。加え、サビのストレートで伸びやか、開放感全開なところも、その前の緊迫感やスリリングさを経たが故の解き放たれ感を味あわせてくれ、また、ラストに向かうに連れシフトアップしていく疾走感もたまらない。

そして、このシングルの出色的としてM-3のYMOの「君に胸キュン」のカバーを挙げたい。あえて本家の作品『テクノデリック』や『BGM』の頃のテイストを、現在風の音響アンビエントアプローチを通しアレンジ。そのアイデアのレトリックも面白い。アカデミックだなぁ…(笑)。
まだまだ彼らはこれからも進化を続けていく、そんな強い確信をさせる1枚だ。

【 文:池田スカオ和宏 】

tag一覧 シングル 女性ボーカル School Food Punishment

リリース情報

How to go

このアルバムを購入

How to go

発売日: 2011年12月07日

価格: ¥ 1,429(本体)+税

レーベル: ERJ

収録曲

ディスク:1
1. How to go
2. 帰る
3. 君に、胸キュン。-浮気なヴァカンス-
4. How to go -Instrumental-
ディスク:2
1. How to go -music video-

スペシャル RSS

もっと見る

トップに戻る