愛にまつわる5編の物語 Violent is Savannaが「愛」をテーマにしたミニアルバムを発表
Violent is Savanna | 2011.11.02
Violent is Savannaの最新ミニアルバム『LOVE CATCHER』が完成した。
彼らの音楽性にも通ずる事だが、例えば、「ポップでパンキッシュ、それでいて切ないメロディやサウンド。そこに乗るキュートでガ―リ―な女性ボーカルのロック・バンドと言えば?」と問えば、多くの人がJUDY AND MARY(以下:JAM)の名を挙げることだろう。そのJAMの解散から10年。今だ彼らのフォロワーは後を絶たない。元JAMのボーカルYUKIと同郷北海道出身にして、女性ボーカルを擁したポップ・ロック・バンド、Violent is Savannaもそんなバンドの一つと言えるかもしれない。しかし、彼らが目指しているものは、ただのフォロワーではない。ロックバンドでありながらチャートでも成功し、多大なポピュラリティーを獲得した、あのスタンスだったりする。
そんな彼らが「愛」をテーマに5曲入りのミニアルバムをリリースした。
5曲中、2曲のプロデューサーは佐久間正英。先のJAMを始め、BOOWYやエレファントカシマシ等、数多くのロック・アーティストのブレイク作を手がけてきた人物である。彼のプロデュース曲2曲を加えた今回の5曲は、愛にまつわる様々なシチュエーションや物語を、色々なタッチのサウンドで伝えた1枚。ノリ良くポップなロックサウンドを中心に、歌謡曲っぽさのある曲やロッカバラード等も交え、JAMの名バラードの「LOVER SOUL」のカバーも収録したバラエティに富んだ作品となっている。
そんな今作について、作詞とボーカル担当の星花と、ベースと作曲担当の川合が答えてくれた。
- EMTG : 今回は「愛」をテーマにした全5曲入りの作品ですが。これは最初からそのようなコンセプトを持って制作を?
- 星花 : 元々私たちの曲って愛にまつわるものが多いんです。とは言え、それを自分たちでは、これまでそれほど自覚してなくて。周りのスタッフから言われて改めて気づいたんです。そこから、「じゃあ、次の作品は、あえて自分たちの特徴とも言える愛を掲げる作品にしよう」と。そんな軽い感じで始めたものの、愛って目には見えないし、不安定なものじゃないですか。逆に改めて深く考えるきっかけにもなりましたね。それが故の様々なタイプになったと思うし。
- EMTG : 5曲5種に渡り、色々なタイプの愛が表れてますもんね。
- 星花 : 自然体のまま、作りやすいものを作ったって感じかな。結果、悲しい曲もあれば、ハッピーな曲もあったり。歌詞はメロディを聞いて、それに呼ばれたってパターンが多いかな。
- 川合 : アレンジにしても、メロディはもとより、歌詞をキチンと理解した上でみんなでアレンジしていきましたからね。 そんな中でも「好きな人の好きな人。」は、歌詞が先に出来たんですよ。なので、この曲に関しては、歌詞から世界観が伝わってきたので、逆にすっと出来ました。今回は札幌時代から演ってた曲で、ようやく陽の目を見た曲もあるし。
- 星花 : 1曲目の「It’s Power of LOVE」がそれなんです。この曲に関しては、不思議と今まで一度も収録曲の候補に上がってこなかったですからね。
- EMTG : それは意外な。ある意味、Savannaのイメージを捉えている曲のような…。
- 星花 : ですよね。かなり突き抜けた、明るくポップな曲なので、逆に今の自分たちの心理状態にはぴったりな曲で。けっこう今、キラキラしたものも演りたい心境だったんですよね。そんな中、今回プロデューサーの佐久間(正英)さんと再びやるにあたり、"一緒にやるなら、やっぱこの曲しかないでしょ!"と。あの頃から経験も積み重さなり、自分たちなりに、より昇華できたと思うし。このタイミングまで取って置いたと今では思えるんです(笑)。
- 川合 : それこそまさに運命ですよ(笑)。今回、一緒に制作することで、この曲も微妙なところが変わったし。それを経たことで、更に映えたところも多々あったし。
- 星花 : ホント、曲の持つポップさや軽快さがより出て、原曲からかなりブラッシュアップされて、よりキラキラ光った曲に生まれ変わりましたからね。
- EMTG : 今回はけっこうアレンジもシンプルで音数も必要最小限、全体的に凄く生音感がありますね。
- 星花 : 今までは自分たち以外の音も満載でしたからね(笑)。それも一つの在り方で、楽しかったんですが、今回に関しては、あえて自分たちの持っている武器を最大限に活用して挑んでみたんです。各人あえて自分たちのプレイに徹しているし。愛って、余計なことはいらず、ストレートで素直に伝えた方が、より伝わるじゃないですか。それをサウンドや歌にも表わしてみたんです。
- 川合 : それもあり、”自分をどれだけ引き出せるか?”や、伝え方については、改めて色々と考えましたね。そんな中、最も伝わるアレンジに行きついたと思います。
- EMTG : 中でも「好きな人の好きな人。」は、ポップなんだけど、なんだか切ない不思議な曲ですよね。
- 星花 : むっちゃ切ないですよね (笑)?この曲はライヴでも既に人気が高くて。私たちの北海道時代の当初によく称されていた「切なポップ系」ってキャッチフレーズを久々に想い出しましたよ。
- EMTG : 「切なポップ」?
- 川合 : いわゆる、基本ポップなんだけど、メロディや歌詞は凄く切ないタイプの楽曲のことで。昔の僕たちはそんなタイプの楽曲が多くて、よくそう称されていたんです。
- 星花 : あと、特にこの曲は、歌入れの前日に近いシチュエーションなことがありましたからね…。なので、より感情と気持ちを込めて歌うことが出来ました(笑)。
- EMTG : 「It’s Power of LOVE」もですが、ラストのJAMのバラード「LOVER SOUL」のカバーも佐久間さんと制作されたんですよね。
- 星花 : そうなんです。3年ぶりにお会いしたんですが、いやー、今回も勉強になりました。
- 川合 : それこそ前回はインディーズの頃だったので、えらくガチガチで。まっ、今回はそれよりは少しは慣れたかなと思っていたんですが、まだまだでしたね(笑)。「おっ、前より成長したじゃん」みたいなことを言われるのを楽しみにしていたんですが、まったく出ず(笑)。実は、前回の佐久間さんとのレコーディングの際に、ギターの小野が最初に会話をして。そこでうちのバンドのリーダーが彼に決まりましたからね(笑)。
- 星花 : なので、次は佐久間さんとサシで飲みに行けた人がリーダーかなと(笑)。
- EMTG : その佐久間さんが当時担当したJAMの代表的バラード「LOVER SOUL」を、今回はカバーしていますね。
- 星花 : そうなんです。佐久間さんからも、「よりによってこの曲を?」と一番先に言われました (笑)。
- EMTG : ちなみにどうしてこの曲を?
- 星花 : 今作が愛をテーマにした作品になると決まった時点で、すぐさまこの曲が浮かんだんです。JAMの中でも究極の愛を感じる曲だと思っていたし。だけど、いやー、難しかった(笑)。
- EMTG : とは言え、原曲が持っている、永遠性や星空に抱かれる感は上手く出てますよ。アレンジもあえて原曲に愛着を持ってシンプルに徹しているし。
- 星花 : ありがとうございます。色々と考え、何度もトライアルしたんですが、アレンジもパーフェクト過ぎて、変化のさせようがなかったんですよ。この素晴らしい曲を自分たち流にアレンジすることで台無しにしてしまうなら、いっそこのままシンプルに仕上げてみようと。そのシンプルさや、余計な音を入れないというのは、このアルバムのコンセプトでもありましたからね。
- 川合 : ”これ以上、こんな完璧な曲の世界観を広げることなど我々には出来ない”と途中から悟り、そこからはあえてシンプルで真摯な気持ちや態度で挑みました。
- EMTG : 元々JAMが好きで、佐久間さんプロデュースと言うと、やはりJAMのフォロアー感や、JAMのあの世界観を自分たちも得たいとの想いもあると思うんですが。それにより本家と比べられる怖さは無かったんですか?
- 星花 : それが不思議とありませんでしたね。比べられることが悪いこととは思わないし(笑)。とは言え、「かかってこい!!」的な強い意志もないんですけど(笑)。今回、佐久間さんをプロデューサーさんに迎えたり、JAMの曲をカバーしたのは、それを演ることにより、私たちがどこに向かいたいのかを提示出来るんじゃないかと思ったからなんです。かつてJAMが居たポジションに私たちも昇っていきたい。
- EMTG : そのポジションというのを詳しく。
- 星花 : いわゆるJAMの音楽性というよりは、スタンスの方ですね。凄いことを演っているんだけど、それが決してマニアックに響かない。それこそヒットチャートを賑わしつつ、幅広い人から好かれて。音楽をやっている以上、多くの人に届いて欲しいし。それらを満たしているのがJAMだったと思うんです。今考えても凄いバンドだったんだなとつくづく思います。その辺りはホント、尊敬と憧れです。
- 川合 : 女性ボーカルが居て、バンドの3人は男性というスタイルの究極のバンドですからね、JAMは。やっぱり最高のものがあるんだから、その最高のポジションを狙っていこうと。やっぱりあのバンドは、今だに影響力もフォロアーも、解散してからの各人の活動も凄いじゃないですか。
- 星花 : とは言え、おこがましいですが、超えて行きたい気持ちはありますよ。やっぱりやるからには上を目指ざしていきたいんです。
【 取材・文:池田“スカオ”和宏 】
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●川合
アウディ
排気量が凄くて、パワーもあって、800万円もする車なんで、今は夢のような話なんですが、"いつか手に入れてやる!"と思ってます。まっ、ブレイクしたあかつきには、ご褒美的に自分に買ってやろうかなと(笑)。
●星花
USJ
最近USJに行く機会があったんで、営業時間やアトラクションの種類等を調べました。おばあちゃん家に一泊し、朝から行ったんですが、ちょうどその時がハロウィンフェアの最中で。飾りつけがキレイだったなぁ。平日だった為か、凄く空いていたんで、ほどんどのアトラクションを乗っちゃいました。
■ライブ情報
11/10 (木) 下北沢CLUB251
11/20 (日) 下北沢ReG / 下北沢MOSAiC / 下北沢BASEMENTBAR
12/3 (土) 渋谷O-Crest
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください
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