デビューから10年 元ちとせが初のベストアルバムをリリース!!

元ちとせ | 2012.10.19

デビュー10周年を期に初のベスト盤『ベストアルバム 語り継ぐこと』をリリースする、元ちとせ。「ワダツミの木」での鮮烈なメジャー・デビュー以降、生まれ育った奄美大島の島唄で培った歌声と、日本語の美しさにこだわった楽曲で、多くの人を魅了し続けてきた。今作は「君ヲ想フ」、「語り継ぐこと」、「蛍星」などシングル曲を中心に、日本の春夏秋冬を意識しながら構成された1枚となった。聴いているだけで歌そのものに包み込まれるような、そんな強さと大らかさを持つ歌の力は、やっぱり唯一無二。 
この10年の歩みを振り返ってもらいながら、島唄と深く関係する、自身の歌へのスタンスを語ってもらった。

EMTG:今回、『ベストアルバム 語り継ぐこと』がリリースされるわけですが、デビューから10年のこの節目を、どのような想いで迎えられましたか?
元ちとせ:なんかあんまり、よくわかってなかったというか。ずっと<私の10年なんて>って思ってたんです。だけど、こうしてベストアルバムが出来て、1曲1曲、聴き直していったら作った時の想いが鮮明に蘇って。”やっぱり10年って、とても深いものだったんだな”って、あらためて自分の自信に繋がった気がします。もっと前向きに自分の10年を受け止めて歩いて行きたいなと思いました。
EMTG:では、このベスト盤が、ご自身にとって大事な振り返るきっかけになったと。
元ちとせ:そうですね。ここまで歩けた重みと、”この曲たちを持って、またきちんと歩かなきゃ”と思いました。歌に教えられたことは、自分にとって大きな宝物なので、一人でも多くの人にこの宝物を受け取ってもらえるように努力しないとな、と。
EMTG:1曲目にデビュー曲の「ワダツミの木」が収録されていますが、やっぱりこの10年のキャリアを重ねていく上で重要な1曲ですよね。
元ちとせ:そうですね。私が色んな場所で歌を歌えるきっかけになった曲ですから。これ以前にもインディーズでリリースはしていますが、この曲で私の歌の旅が始まった感じがしたので、1曲目にどうしても入れたかったんです。
EMTG:オリコンチャート1位の大ヒットとなった、いわゆる流行歌とも違うタイプのこの歌が、皆さんに受け入れられたことを今振り返ってどのように感じてらっしゃいますか。
元ちとせ:当時はレコード会社と事務所がどう違うのかもわからなかったくらいでしたから、オリコン1位を獲ったらどうなるのかも知らなかった。だからチームでもらった賞という風にしか受け止めてなかったんですけど。やっぱりこの歌が珍しかったんだろうなっていうのはありますね。自分の歌い方も、演歌でもなくポップスでもない、何というジャンルにはめていいのかなっていうのは、みなさんも引っかかったでしょうし。
EMTG:そうした珍しさもありつつ、ご自身が歌に込めた想いは本当に多くの人に届いたと思うんですが。この10年間、色んな場所で「ワダツミの木」を歌いながら、どんな風に人々に受け止められているなと実感しました?
元ちとせ:うーん、あんまりそんなことを考えた事が無いですね。〈ワダツミの木〉を始め、どの歌にも正解も不正解もないと思っていたので。私は曲をきっかけに、聴いた人が自分の心に気がつく、そんな役割が果たせたらいいなと思ってきました。島唄を歌っていてもそうでしたけど、歌を聴いてて泣いている人がいても、それが悲しいのか、何かに気づけたことで湧き出てきたのか、色んな答えがあると思っていて。だからステージから、泣いている人や聴き入ってくれている人が見えた時に、”この物語の中の、何に自分が感動してるのかを知りたい”と思って受け取ってくれてるんじゃないかなという風に、私の願いも込めて歌ってきたのは確かにあります。でも、”こんな風に聴いてもらいたいな”とか、”こんな風に思われたいな”とかは決めずにシンプルに歌を届けてきました。
EMTG:“私の想いを聴いて!!”、ではなく、”聴いた人がその人の心に気づいてくれたらいい”と。最初からそういうスタンスで歌ってこられたのは、デビュー前から島唄を歌ってこられたことと繋がっているのかなと思うんですが。島唄から学んだこと、デビュー後に活かせたことは何かありますか。
元ちとせ:島唄は周りの大人たちが教えてくれた本当の物語であり、実際に起こったことや、誰かの命のことを歌っているので、いい加減には歌えないってことはすごく教えられてきました。しかも私の歌を作ってもらうということは、その人のエネルギーを貰うわけじゃないですか。その息吹を貰って私が歌に変える。何万枚売れたからとかじゃなくて、その歌を送り込むまでにどれだけの愛情を込められるかだと思うので。人の物語と人の想いが入ってる歌を歌わせてもらってるという感覚は、たぶん島唄をやってきたからだと思うんです。だから自分で曲を書こうと全然思わないのもそこなんですよ。
EMTG:なるほどね。今回のベスト盤には松任谷由実さんが作詞・作曲された「春のかたみ」や、秦 基博さんとカバーした「なごり雪」なども入っていて、シングルを中心にバラエティ豊かな楽曲たちが並んでいますね。
元ちとせ:「春のかたみ」はユーミンさんがピアノを弾きながらラララで歌っている曲が届いて。「キー合わせをしがてらスタジオに来て」って言われて、「歌詞が無いと難しいかしら?」なんて言いながらサラッと4曲分の歌詞を同じメロディに書いくれたんです。「この中から選んで」って言われて、”この人はすごい!!”と思いました。その中でもこの「春のかたみ」が儚い命の尊さみたいなものを感じたので、悩みもせずこれを選びましたけど。「私だったらこの歌詞を歌うわ」とユーミンさんが言われた別の歌詞もあったんですよ。
EMTG:へえ、面白い制作ですね。
元ちとせ:そして「なごり雪」で秦くんと歌ったこともすごく刺激になりました。私の中でカバー曲を歌うこと自体が、島唄じゃない歌と向き合う大きなポイントだったので、今回のアルバムに収録しました。このベスト盤は私の声色と、寄せ合ってくれた音色のひとつひとつを私の細胞が覚えている、本当に色んな人に感謝すべき1枚だと思いますし、色んな才能の宝石箱としてみなさんに受け取ってもらえたらと思います。
EMTG:既にこれから何十年と歌い続けていけるような曲をたくさんリリースして来られましたが、この先、こういう歌に挑戦したいというのはありますか。
元ちとせ:〈目に見えないものが見えそう〉とか言われがちな自分のイメージを取っ払えるような曲が欲しいなとは思っています(笑)。例えばライヴで盛り上がる曲とかも、もっともっと欲しいし。これからも歌い手として、もっと自分を磨いていきたい、それを望まれる人であり続けたいと思います。

【取材・文:上野三樹】

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ビデオコメント

リリース情報

語り継ぐこと(初回盤)

語り継ぐこと(初回盤)

2012年10月24日

アリオラジャパン

1. ワダツミの木
2. いつか風になる日
3. 君ヲ想フ
4. この街
5. 千の夜と千の昼
6. ひかる・かいがら
7. 蛍星
8. 青のレクイエム
9. 六花譚
10. なごり雪
11. 春のかたみ
12. 雫
13. 恵みの雨
14. 語り継ぐこと
15. あなたがここにいてほしい

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お知らせ

■マイ検索ワード

武井 壮
色々なところで最近お名前を聞くので、調べたところ、調べれば、調べるほど、魅力が深まっていき、クセになりますので、みなさんも是非、 検索して、チェックしてみて下さい。あと、その前に是非、元ちとせの方も検索、チェックしてくださいね(笑)。

■ライブ情報

Setting Sun Sound Festival Vol.3
×Office Augusta 20th Anniversary
Augusta Camp 2012 in AMAMI

2012/10/21(日)奄美市・大浜海浜公園野外ステージ

元ちとせ ワンマンライブ
〜霜ふる月のハイヌミカゼ〜

2012/11/02(金)Billboard Live OSAKA
2012/11/09(金)NAGOYA Blue Note
2012/11/15(木)Billboard Live TOKYO

ガンガラーの谷presents
「魂の音楽祭 マブイオト vol.4」
produce by coba

2012/11/23(金)-24(土)ガンガラーの谷 ケイブカフェ(沖縄県南城市)

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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