The next! Liddell 1974の個性の結晶。ついにリリースされる1stシングル。

The next! Liddell 1974 | 2013.11.06

 精力的なライブ活動とアルバムのリリースを重ねつつ、着実にファン層を拡大しているThe next! Liddell 1974。彼らにとって初のシングル『ライトミュージックワンダーランド!』が、タワーレコード限定で発売される。シンプルなようでいて巧みに練られたリズムアレンジ、ドラマチックなギターフレーズ、イマジネーションを刺激する言語表現が光る「ライトミュージック!」。シャッフルのリズムを躍動させつつ世相を鋭く抉る「ワンダーランド」。オリジナリティ溢れる2曲が収録されている。今作の制作の背景とはどのようなものだったのか? メンバーに語ってもらったが、作品同様、とても個性的な4人であった。

EMTG:「ライトミュージック!(加筆)」は、どういう経緯で生まれた曲なんですか?
コグレ:えーと、この曲に関しては……秘密にしておきたいところがあります(笑)。
EMTG:いきなり「秘密にしておきたい」と言われた取材は初めてですよ(笑)。じゃあ、僕がこの曲について感じたところをまず話しますね。束の間の現実逃避させてくれると同時に、現実に戻った時に逞しくいられるための力も授けてくれる音楽とかエンタテインメントの素晴らしさが描かれている曲として受け止めました。
コグレ:そうですね。基本的にどの曲も現実逃避と日常との対比みたいなものを歌っているんですけど、今回のシングルもそうです。二次元と三次元の間というか、対比を歌っていますね。
クロサワ:僕もアニメとかの二次元のものが好きなので、バッチリ自分のことを当てはめて受け止めました。
ヒラノ:ものすごい自信作ですよ。演奏していても気持ちいいですね。
EMTG:ダンサブルですけど、最近のバンドの踊れる曲とはなんとなく違う風味なのも印象的です。
コグレ:それはドラムのタテベくんのセンスもあると思うんですけど。最近っぽいサウンドってドラムで決まるのかなと。彼はそういうプレイはしないですね。
タテベ:「コグレくんは最近っぽい感じにするのは嫌なんだろうな」というのは察しているので。これは僕の感じているなんとなくのニュアンスですし、作っている時はそこまで意識していないですけど……ダンサブルな音って4つ打ちだけじゃないんですよね。バスドラの音が入っていなくても、踊れるものになるんです。ロックってただの8ビートでも踊れたりするじゃないですか。「ライトミュージック!」は、そういうことが表現できたのかなと、完成してから思いました。
コグレ:言い方を換えるならば、ちょっと古くさいリズムを多用しているバンドなのかもしれないですね。
EMTG:でも、ギターのアレンジは、すごく今のバンドっぽい。その兼ね合いが、このバンドの個性なんだと思います。
コグレ:そうかもしれないですね。表現したいこともブレないです。それはさっきも少しお話した現実逃避にまつわるものなんですけど。
EMTG:ファンタジー的なキーワードって、よく散りばめますよね。「ライトミュージック!」の歌詞に出てくるウェンディは、『ピーター・パン』のウェンディ?
コグレ:そうです。
EMTG:あと、バンド名に入っている「Liddell」も、『不思議の国のアリス』のアリスのモデルになった「アリス・リデル」?
コグレ:そうです。そこから来ています。やっぱりファンタジーだったり逃避だったりの感じが入っているのって、一貫してブレないところなんだと思います。そこはThe next! Liddell 1974の役目だと思っています。
EMTG:逃避ってネガティブなものとして捉えられることが多いですけど、一時的に逃避することによって現実と逞しく闘うことができるならば、決して悪いことじゃないですよね。そういう価値観をこのバンドの曲からは感じます。
コグレ:絶対みんな何かしら毎日逃避をしていますもん。
EMTG:お酒を飲んだり、趣味で野球をしたり、遊園地に行ったり……あらゆる気晴らしは、ザックリ言えば逃避ですもんね。
コグレ:そう思います。「ライトミュージック!」はシングルということもあり、このバンドで意識している自分たちのいろいろなものを詰め込めましたね。それは世界観も含めて。2曲目の「ワンダーランド」もそういうものになりました。あと、いろんなところで言っていることなんですけど、多分、僕たちは世界中で一番仲がいいバンドなんです。みんなが愛おしい(笑)。サウンドには、そういうところも出ていると思います。
タテベ:まあ、ふざけててイラッとすることはありますけど(笑)。
コグレ:でも、ツアーとかが終わると泣きそうになりますもん。別れるのが寂しいから。
ヒラノ:僕、運転することが多いんですけど、車中で会話が楽しくて、みんな寝ないんですよ。助かります(笑)。
クロサワ:みんなが変な意味じゃなく、気遣い上手なんです。
コグレ:大きなツアーとかレコーディングが終わると、いつもみんなでディズニーランドへ行くんです。今回もCD発売するんで、ご褒美としてみんなで行こうかなと思っています(笑)。
EMTG:(笑)では、2曲目の「ワンダーランド」のお話に移りましょう。この曲は《SNSから殺人事件へ》とか刺激的な表現がある一方、《幻想から 新時代へ》とか、すごく希望が湧く表現も盛り込まれているのが印象的でした。
コグレ:まあ、なんだかんだ言ってポジティブなんですよね。ひねくれものではあるんですけど(笑)。この曲はキツめのワードが結構出てくるんですけど、その分サウンドで明るくしたいなと思っていました。
EMTG:ものすごくジャカジャカした、いかにも「エレキギター」っていう感じがするサウンドなのも、この曲の魅力です。
ヒラノ:そういう音が出せているなら嬉しいです。僕はもともとエレキギターが大好きで、アコースティックギターなんて持っていないくらいの人間だったので。この曲は途中でライトハンドという奏法もしているんですよ。
EMTG:ヒラノさんは、メタルがルーツですよね。ライトハンド奏法は十八番?
ヒラノ:いや。実はやったことがなかったんです(笑)。僕のルーツは70年代なので、まだライトハンド奏法が出る前なんですよ。だからこの曲のライトハンドのために必死に努力しました。やることになって「やべえ!」と思いました(笑)。
コグレ:ライブで成功した時は、ぜひ拍手が欲しいです。
ヒラノ:拍手をもらったらミスっちゃいそう(笑)。
EMTG:タテベさんとクロサワさんは、この曲に関してはいかがですか?
タテベ:この曲はシャッフルのリズムが肝です。僕はシャッフルの曲調は好きなんですけど、叩くのは苦手なんですよ。でも、この曲をやっている内にすごく楽しくなりました。また新しい引き出しを、この曲に与えてもらいました。
クロサワ:僕はこの曲は「ライトミュージック!」以上に何もやってない(笑)。だからレコーディングは楽でした。でも、その分、歌詞がすごく入って来ました。最初はドロっとしたワードが入ってきて怖かったんですけど、やっていく内に意味とかが分かってきました。だから聴いてくれる人にも、いろいろ意味を紐解いて欲しいです。
コグレ:そんなにドロっとしているかな?
クロサワ:僕、むちゃくちゃ繊細なので(笑)。
EMTG:(笑)内容の濃いシングルになりましたね。
コグレ:ワンコインで買えるシングルでので、ぜひいろんな方に聴いて頂きたいですね。ジャケットにもいろいろな想いをこめていますので、そんな部分も楽しんで欲しいです。CDを大切にしてもらいたいので、それだけの愛をこめて作っています。そして、12月13日の渋谷wwwのワンマンにも来て頂けたら嬉しいです。

【取材・文:田中 大】

tag一覧 シングル 男性ボーカル The next! Liddell 1974

ビデオコメント

リリース情報

ライトミュージックワンダーランド!

ライトミュージックワンダーランド!

2013年11月06日

primitive

1. ライトミュージック!
2. ワンダーランド

お知らせ

■マイ検索ワード

●コグレ(Vo)
山田太郎ものがたり

テレビドラマです。ヒラノさんの誕生日にBOXセットのDVDをプレゼントしようと思いまして。ヒラノさんが好きそうだなと。ドラマのDVDのBOXって、自分ではなかなか買うことがないですからね。

●ヒラノ(Gt)
日本シリーズのチケット

取りたいなと思って。特定の球団のファンというわけではないんですけど、楽天の試合を観たいなと。マー君がメジャーへ行く前に観たいですね。野球は大好き。パ・リーグは特に好きなんです。

●クロサワ(Ba)
城ヶ崎美嘉

ゲームのキャラクターです。『アイドルマスター』というゲームのソーシャル版がありまして。僕はソーシャルゲームと連帯保証人になることを親に禁じられているんですけど(笑)。でも、キャラクターのCDは、最近買い始めました。その中で「この娘、いいな」と思ったのが城ヶ崎美嘉です(笑)。

●タテベ(Dr)
スネア チューニング

年下のドラマーに「チューニングって、こういうのがいいんですよね? タテベさん、どう思いますか?」って訊かれたんです。だからネットで脇汗をかきなから調べて、知ったかをして答えました。「俺はこうするけどね」と(笑)。


■ライブ情報

「ライトミュージックワンダーランド!」リリースワンマンライブ
2013/11/18(月)名古屋CLUB ROCK’n’ROLL
2013/12/08(日)天王寺Fireloop
2013/12/13(金)渋谷WWW

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る