Dragon Ash、新たな歴史の始まり――最新にして最高のアルバム『THE FACES』
Dragon Ash | 2014.01.16
- EMTG:この前のライブ、すごかったね! 1曲目が「Fantasista」とは思ってもいなかったから、びっくりした。
- Kj:(笑)俺が決めたんじゃないんだけどね。サク(桜井)とATSUSHIが選曲してくれた。
- 桜井: Kjが、「アルバムを仕上げた後の疲弊した状態でライブはやりたくない」って言ってたんだけど、でもあのタイミングでライブをできるのはいいチャンスだと思ったんですよ。
- EMTG:どんなチャンス?
- 桜井:今まで応援してきてくれたファン、特にコアなファンの人たちに向けて、6人になったDragon Ashが 初めてのアルバムを完成させたタイミングでワンマンライブをできるのはいいなと思った。しかもシングル「Lily」をわざわざ買ってくれた人たちが来るわけだから。Kjが疲れてるみたいだったから、選曲をやってみようかって、僕が叩き台を作った。前にKenKenが1曲目に「Fantasista」をやりたいって言ってたのを思い出したり、「Los Lobos」もやることになったり。こんなセットリストは、それこそあのタイミングでなきゃできなかった。そうしたらKjが、「えっ、この曲やるの?」って(笑)。
- Kj:自分だったら、あのセットリストにはならない。
- EMTG:そうして2?4曲目の「Run to the sun」から「For divers area」っていうのは、「Lily」に入ってた初のライブ音源と同じ並びだったね。
- 桜井:そうなんですよ。でも選曲してたときは、気付いてなかった。やった後も気が付かなかった。観た人に言われて、そういえばそうだって(笑)。
- EMTG:え?、さすが「Lily」 のリリースパーティだなと思ってたのに(苦笑)。
- ATSUSHI:あそこの曲順は俺がやったんですけど、俺も気付いてなかった(笑)。
- 全員:爆笑
- Kj:なんか、やりやすい曲順なんだろうね。
- EMTG:ATSUSHくんはあのライブを、どうとらえて選曲したの?
- ATSUSHI:アルバム『THE FACES』のツアーに出る前に、ワンクッション入れられたらいいなと思ってました。6人になって初めてのワンマンだったんですけど、結果、見に来てくれたみなさんと一緒にやれたライブでした。自分もすごく楽しみにしてたし、気合いも入ってたから、2週間前から禁酒して、毒抜きしました。
- EMTG:じゃ、打ち上げでは飲みまくり?
- ATSUSHI:もちろんです!
- 桜井:朝まで飲んでたから、前より毒だらけ!(笑)
- EMTG:あのライブは、やってよかった?
- DRI-V:みんなが待っててくれたのを、 実感しましたね。会場がひとつになったことに、すごく意味があったと思う。僕は酒を1週間抜きました(笑)。
- BOTS:俺にとっては、初めての会場っていうのがポイント高くて、音の聴こえ方に気をつけてた。現代的な空間なんだけど、熱くて、よかった。なんせ、このBOTSさんが汗かいたんだから。
- Kj:メンバーの中で、俺がいちばんライブ好き。ただ、弱ってるときに人前に出たくない、かっこつけなんで(笑)。アルバムのトラックダウンして、マスタリングして、取材してって1週間があって。その後、2日間だけリハやった。やると決まったら切り替えは早いですからね。そうなると、できたばっかりの新曲をやりたがる。
- EMTG:「Lily」の他に、「The Live」と「Curtain Call」を初披露してた。
- Kj:その2曲は、レコーディングの最後の2日間で作って録った。
- EMTG:本当に出来立ての曲だったんだ。
- Kj:そうそう(笑)。
- EMTG:そしてニューアルバムの制作は、どんなだったんですか? 聴かせてもらって、まずオープニングの「introduction」のドラマティックさに興奮した。
- Kj: 「introduction」は“混沌からの大爆発”がテーマ。昔の映画って、最初にああいう音が鳴るじゃない。混沌を打ち破って、真っ暗なのか、まぶしいのかわからない。そこから「The Show Must Go On」で始まって、「Curtain Call」までをひとつの舞台に見立てたコンセプト・アルバムになってる。「Introduction」と「The Show Must Go On」はBPMを揃えてあるから、同時に作って。
- EMTG:そして「The Live」 と「Curtain Call」は最後に作った。
- Kj:そう。それまで12曲出来てて、ボリューム的には充分かなと思ってた。もし追加するなら、これまで支えてくれたKenKenにリスペクトを込めて、一緒に作る曲かなってメンバーに言ったら、「いいよ」って。で、「The Live」を作った。
- EMTG:ロックバンドにとってのライブの大切さを歌ってる。テレビとかで実際演奏しない“アテぶりバンド”を痛烈に皮肉ってたりする。
- Kj:あの歌詞は“5周”巡ってああなった。
- 桜井:そういうことなので、レコーディングもアルバム唯一の一発録り。
- EMTG:ライブがテーマだもんね。
- Kj:KenKenとサクが、好きなようにやってる。
- EMTG:「Curtain Call」 は?
- Kj:これはアルバムのアウトロにしようって思って作ってた。コンセプトとしても美しいし。
- 桜井: 「The Live」のレコーディングが終わった後、Kjが 「これが最後だよ」って持ってきた。そのときは歌詞もなくて、トラックだけだったんだけど。
- Kj:歌いたくなって、30秒で歌詞を書いて歌った。
- EMTG:すごいスピード感だね。って、いくらなんでも30秒は早過ぎ!
- Kj:(笑)
- EMTG:リズムはいわゆる“ロッカバラード”だけど、ドラムが普通と全然違うアプローチをしてる。
- Kj:そう。俺はドラムが何をやってるかが、いちばん気になる。超リズムっ子だから、曲を作るときも完全にリズムありき!
- 桜井:かなり無理な注文もあります(笑)。
- EMTG:で、今、気付いたんだけど、この前のライブでアルバムの最後の3曲、「The Live」、「Lily」、「Curtain Call」をやってる!
- Kj:いい曲ができたから早く聴いてほしいってことで(笑)。すごくすごく単純なんですよ。でも、俺達にいちばん近い人たちの前で、最初にやれてよかった。
- EMTG:そう考えると、あの“Lily`s Party”は、すごく意味のあるライブだったんだね。
- Kj:バンドマンだから、人前で演奏して、楽しませてナンボ。汗かいて、楽器掻き鳴らして、そこで機能する曲が、今回もできたと思う。そういう曲を作ることに意義があるし、それを歌うことに意義があるし、ライブに来てくれる人と一緒にやることに意義があるから。
- ATSUSHI:やってよかった。これから先に向けての意識統一ができた。次のツアーの世界観も見えてきた。必要なライブだったんだと思う。
- HIROKI:そう、KenKenとの初ワンマンだったし、2014年のイメージができたな。
- 桜井:Kjが言ってたように、もともとはやらなくてもいいタイミングだったかもしれない。でも、やって意味があったライブでしたね。何にせよ、お客さんが喜んでくれたのがよかった。俺達が音楽やれてるのは、誰のお陰かはっきりわかって、根本に還れました。だからお客さんにしっかり感謝して、これからも作品を作って、前へ進むだけです。
大きな悲しみの後、盟友のKenKenがサポートベースで参加してライブを続けてきたDragon Ashが、6人になって初めてのアルバム『THE FACES』を完成させた。
「Trigger」などのアッパーチューンもいいが、「Golden Life」や最新シングル「Lily」などメロディアスな曲が印象に残る。それらはバンドの葛藤と、そこから脱して未来へ進む決意を、音楽として表わしていて感動的だ。中でもKjがKenKenと共作した「The Live」は、ミクスチャーのタフさを体現する曲で圧倒的。『THE FACES』を掲げたツアーも決定していて、新しいDragon Ashのキャリアがここから始まる。
このインタビューはEX THEATER ROPPONGIでの「Lily」のリリースパーティ・ライブの直後に行なわれ(ライブレポ参照)、話はあの素晴らしいライブのことから始まった。メンバーそれぞれの意識が高く、メンバーの関係性の変化も読み取れるインタビューになった。
【取材・文:平山雄一】
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リリース情報
THE FACES【初回限定盤】 [CD+DVD]
発売日: 2014年01月15日
価格: ¥ 3,400(本体)+税
レーベル: ビクターエンタテインメント
収録曲
1. Introduction
2. The Show Must Go On
3. Trigger
4. Run to the Sun
5. Neverland
6. Today’s the Day
7. Here I Am
8. Blow Your Mind
9. Still Goin’ On feat.50Caliber,Haku the Anubiz,WEZ from YALLA FAMILY
10. Golden Life
11. Walk with Dreams
12. The Live feat.KenKen
13. Lily
14. Curtain Call
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お知らせ
●Kj
(ATSUSHIの)物件
退去日が迫ってるのに、引っ越し先が決まってないATSUSHIは、キザで、黒い服着てて、甲斐性なしで、孤独の4Kなので、探すのが大変です(笑)。
●桜井
楽器 スネア
今回のレコーディングで、“ベルブラス”っていう素材のスネアを使った。ライブで使えるヤツを、今、探してます。
●HIROKI
オクターバー
「The Live」 のレコーディングで必要だったから買ったんですけど、ノイズが多いんでどうしようかと思って調べてます。
●ATSUSHI
「考えよう。六本木ヒルズ」名言集
「考えよう。六本木ヒルズ」っていうイベントがあって、「“楽”って、楽しいこと?」とか、みんな疑問形で投げかける。けっこう深いですよ。
●DRI-V
スタンスミス スニーカー
ライブで履くスニーカー。つま先で立てるのを探してます。80’sの復刻版で“Made for Japan”がベストなんですけど。
●BOTS
chevy runs deep
シボレーっていうアメリカ車のCMで、ストーリーがあって、泣けます。
■ライブ情報
Dragon Ash Tour『THE SHOW MUST GO ON』
2014/02/01(土)SHIBUYA-AX
2014/02/07(金)Zepp Tokyo
2014/02/09(日)京都KBSホール
2014/02/10(月)なんばHatch
2014/03/01(土)Zepp Fukuoka
2014/03/02(日)T.O.P.S Bitts HALL
2014/03/07(金)Zepp Nagoya
2014/03/09(日)CLUB CITTA’
2014/03/14(金)岡山オルガホール
2014/03/15(土)BLUE LIVE広島
2014/03/23(日)キッセイ文化ホール
2014/04/05(土)富山・ヘリオス
2014/04/06(日)福井県県民ホール
2014/04/12(土)桐生市市民文化会館
2014/04/13(日)新潟LOTS
2014/04/18(金)いわきアリオス
2014/04/20(日)石巻Onepark
2014/05/31(土)日本武道館
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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